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「まさか!」な事実の発覚 in Stratford-upon-Avon

英国のストラトフォード・アポン・エイボン(Stratford-upon-Avon)
といえば、英国が誇る劇作家のウィリアム・シェイクスピアの故郷として
有名なところです。  

1997年の英国滞在時に日帰りで
ストラトフォード・アポン・エイボンに行き
「シェークスピアの家(Shakespeare Houses)」
という、シェークスピアゆかりの5つの建物を見学したことがありました。 

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「シェークスピアの生家」
「妻のアン・ハサウェイの家」
などそれぞれに興味深かったのですが、最近調べ物をしていて仰天したことがありました。  

5つの建物の中には
「メアリー・アーデンの家(Mary Arden`s House)」
という、シェイクスピアの母、メアリー・アーデンの実家もありました。   

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ところが、二〇〇〇年に驚愕の事実が判明していたのです。  

実はこの家はメアリー・アーデンの実家ではなく、
彼女の家族の家の近所に住んでいた、アダム・パーマー(Adam Palmer)
のものだったのです。 
 
そのため、そのことが発覚した後、
この家は「パーマーの農場」(Palmer's Farm)と改名されたそうです。 
 
(インターネット検索すると
Mary Arden's House / Palmer's Farm
と併記されていることもあります) 
 
ちなみに、本物の「メアリ・アーデンの家」も
一九六八年にシェイクスピアの家の維持管理を行っている
シェイクスピア・バースプレイス・トラストが
真相を知らないままに買い上げ、保存していました。 

(取り壊されたりしていなくて、本当に良かったですね)  

そのため、1997年にわたしが
「メアリー・アーデンの家」として見学したのは
実際には「パーマー家の家」だったのですが、
豪農だったらしいその家はかなり立派で、
展示も興味深いものでした。 
 
家具類はもともとその家にあったものではなく、
十六世紀当時の家の様子を再現するために
買い集められたものでしたが、
手彫りの家具の数々は年月を重ねた風格がありました。 

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そして、ここで聞いたガイドさんの説明も
とても興味深かったのです。 
 
「当時は親だけが椅子に座って食事をし、子供は立って食べた。」
「テーブル(board)は何にでも使われ、食事はもちろん、その上で寝ることもあった」
「ベッドを使うのは親だけで、子供は床で寝た。
ベッドを持つということは、特別のことだった。」
「横たわるのは死の姿勢だったので、当時の人はいつも座って寝た。」

・・・などなど。 
 
ちなみに、当時のベッドも見たのですが、座って寝るので、大人のベッドとは思えないサイズでした。 
 
(横にならないこと前提なので、大人用でも足を延ばす程度の小さなサイズなのです) 
 
楽しく見学させていただいたあの家が、まさか別の人の家だったとは。 
 
そんなことってあるんですね。 

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いつかまたストラトフォード・アポン・エイボンを
訪れることがあったら、今度は
「本物のメアリー・アーデンの家」
を見学したいものです。 
 
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。 
 
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続編、鋭意執筆中! 
 
実は上記のエピソードも、続編を書く中で調べ物をしていて知り、
びっくりしました。

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