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「ありがとさまでした」 山形弁の暖かさと、伸びやかな歌声

あなたは山形出身のシンガーソングライター、朝倉さやさんをご存知ですか?

わたしはラジオ番組であったかい山形弁の彼女のおしゃべりと、民謡日本一に二度と輝いた素晴らしい歌唱力がとても心に響き、きちんと聴いてみたくなってCDを入手し、聞き始めました。

オリジナル曲も、民謡も、有名曲のカバー(山形弁も標準語もあり)も、本当に聴き惚れます。

正直、これまで民謡にはあまり興味がなかったのですが、さやさんの歌う民謡はなんと気持ちよく響くことか。

民謡で培われた伸びやかな歌声、オリジナルソングの歌詞など、一つ一つが胸に沁みるのです。

この週末、日比谷公園近辺で「日比谷音楽祭」が開催されたのですが、いくつかあるステージの一つにさやさんが出演されると知り、日曜日、日比谷ミッドタウン6階のオープンスペースの会場へ。

少し早めについたので、本番前のリハーサルも見ることができました。

バンダナを合わせたような明るい衣装のさやさんが
「みんなー、聞いてけろなー」
とリハーサルでまず歌ったのが、わたしが大好きな曲、「東京」の「新・東京」バージョン。

https://www.youtube.com/watch?v=CRdmPkmqMJg...

(公式YouTube)

山形から上京して最初に作ったというその曲を日比谷公園を見下ろすその場所で聞いて、なんだかじーんとしてしまいました。

(地方出身者で、何かを目指して上京した人なら、きっと心に触れる曲です)

そして始まったライブ本番の1曲目は、
スピッツ「ロビンソン」の山形弁バージョン。

わたしの好きな「東京」(新・東京バージョン)。
会場参加型の振り付きの「酒田甚句」。

The Boomの「島唄」カバー。

新しいCDのタイトル曲、「ライフソング」。

アンコールは「花笠音頭」。

(他にもあった気がするのですが…そして、曲順が違っていたら、ごめんなさい)

さやさん曲はラジオやCDで聞いていましたが、生で聴くと、歌が素晴らしいのはもちろんなのですが、身体や表情の表現も豊か。

もちろん、どの曲も素敵だったのですが、特に心に響いたのは、「東京」、「島唄」「ライフソング」。

中でも「島唄」は、つい最近、元THE BOOMの宮沢和史さんが曲を作った時の思いをラジオで話されるのを聞いたばかりでした。

男女の恋物語の歌のように聞こえますが、あの曲は歌詞の最初から、沖縄戦のことを歌っていたのですね。

既にみなさんご存知かもしれませんが、歌い出しの
「でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た」
は、沖縄の
「でいごの花がたくさん咲く年は台風が多い」
という言い伝えからきているとか。

宮沢さんはその言い伝えに沿って
「もしかしたら、米国の沖縄攻撃(風、嵐)が始まった1945年にもでいごの花がたくさん咲いていて、あの嵐(沖縄攻撃)がきたのでは」
とイメージされて、あの歌い出しの歌詞を書かれたそうです。

「ウージの森で あなたと出会い
ウージの下で 千代にさよなら」
という歌詞は、平和な時には恋人たちの出会いの場所ともなったサトウキビ畑の下には防空壕となった「ガマ」があり、そこでは米軍の攻撃だけでなく住民同士が集団自決して沢山の方が亡くなったことをさしています。

この部分は日本本土(ヤマト)のしたことで沖縄の人たちが犠牲になったことなので、宮沢さんは沖縄音階で作った「島唄」の中であえてこの部分には沖縄音階は使わず西洋音階にしたのだそうです。

さやさんの歌う「島唄」の歌詞を、噛みしめるように聞きました。

さやさんの伸びやかな歌声から、「島唄」の歌に込められた平和への思いが胸に染み込んできました。

わたしはさやさんのファンになって日が浅く、
「そのうち、生でさやさんの歌を聞けたらいいな」
と思っていましたが、こんなに早くその思いが実現するなんて。

ライブに行くこと自体も、本当に久しぶり。 
思いがけない、嬉しいライブでした。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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