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姫路城越え!心臓破りの大聖堂

セント・ポール大聖堂は
(St Paul's Cathedral)
内部を見学させていただくのも
大変興味深いのですが、
実はこちらの建物、上まで歩いて登ることもできるのです。 
 

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高さ111メートルのこの大聖堂、
さすがにてっぺんまでは登れないものの、
丸いドーム状の屋根の上の党の付け根部分、
地上85メートルまで登ることができます。 

日本のお城だと、一見大きく見えても
実はエレベーターまでかなり上まで登れたりするのですが
このセントポール大聖堂は
修復もしているとはいえエレベーターなどはありません。
 
あなたは姫路城の天守閣の上まで
上がったことはありますか?
 
あの天守閣のてっぺんまで上るのも
なかなかきついのですが、
歩いて登れる一番上が約45mほどの高さです。
 
セント・ポールの85mがどのくらい高いか、
なんとなくわかっていただけるのでは、
と思います。

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(これがドームの下の部分まで所からとった写真。
テムズ川が見下ろせます) 

1997年当時、わたしは姫路城にもまだ登ったことがなく
セント・ポール大聖堂も
「せっかくだから、登ってみようかな?」
くらいの軽い気持ちで螺旋階段を登り始めたのですが、
これがめっぽうきつかったのです。
 
登りながら見上げる天井画は美しいのですが
登るうちに少しずつ狭くなっていく螺旋階段を
ぐるぐると登り続けるのは
なかなか辛いものがありました。
 
ドーム部分を登る手前でやめることもできたのですが、
「せっかくだから」
と上まで登ると、さらにと通路が狭いために
人にすれ違うためにぶつかってしまうのです。
 
一番上についた時には
足がガクガクし、酸欠になりそうでしたが
いつもは見上げるタワーブリッジも
はるか遠くに小さく見えて
「ああ、本当にいつも見上げている丸屋根に
登ったんだなあ」
と実感しました。 

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(一番上から撮った写真。左奥に小さくタワーブリッジが見えます。
風が強くて、カメラを落とすのではないかとハラハラしました。)

ちなみに、セント・ポールの正面の階段には
いつもたくさんの人が座り込んでいるのですが、
目が回りそうになりながら
螺旋階段を降りてくると 
「もしかして、ここに座りこんでいる人は
みんなあのドームを歩いて登って
疲れ切っているからなのかも」
と思いました。
 
セント・ポール大聖堂には
また行って見たいと思いますが
あのドームの上まで登るのは
さすがにもう無理かも・・・
 
でも、足腰に自信のある方は
ロンドンの街を一望できますので、
ぜひ挑戦して見てくださいね。
 
なお、この大聖堂を設計した
クリストファー・レンのお墓も
地下の礼拝堂のそばにあるのですが、
非常に簡素です。

その墓碑銘にはラテン語で
「彼の記念碑を見たければ、周りを見よ」
と刻まれています。
 
35年の歳月をかけて完成させた
この大聖堂こそが彼の記念碑、
なのですね。
 
第二次世界大戦中の1940年12月末、
ロンドンがドイツ軍の大規模な空襲を受けた時
セント・ポールも甚大な被害を受けました。

スクリーンショット 2020-10-11 8.11.52

(写真はBBC Newsのサイトよりお借りしています)
https://www.bbc.com/news/magazine-12016916

How did St Paul's survive the Blitz?
There was an unofficial lull in the Blitz for Christmas. But on 29 December 1940, the bombers were back with a vengeance.

www.bbc.com


 
当時の首相、ウィンストン・チャーチルは市役所に電話し、

「何としてもセント・ポールは守らなくてはならない。
 
クリストファー・レンの傑作を守ることが
国民の士気をあげることになるから」

と消化活動をセント・ポールに集中させるよう指示したのだそうです。
 
そして、多くの人の尽力で
セント・ポール大聖堂は生き残ることができたのでした。
 
1965年にチャーチルが亡くなった時、
その葬儀はこの大聖堂で行われたのですが、
そこにはエリザベス2世女王も出席されました。
 
英国には「君主は臣民の葬儀に出席しない」という慣例があり、
この時、その慣例が初めて破られたのだそうです。
 
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
 
*電子書籍
「1997~英国で1年暮らしてみれば~vol.1」
https://amzn.to/3irzfRg
  

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読者さんから感想をいただきました。
 
「素敵な体験をなさったのですね。 
勝手ながら私の憧れを体現してくださっているようで、
親近感を持ってしまいました。
 
私も英語が好きで
高校生の頃の夢は通訳になることでしたが
大学卒業時のバブルの空気に流され、
民間企業に就職。
 
素敵な仲間に恵まれましたが、
考えた結果、
社会のためになる仕事をしたいと
行政の仕事に転職しました。
 
そこから20年、忙しく過ごしてきましたが、
ようやく自分の時間が持てるようになった頃、
巡ってきた仕事で英語が必須のグローバル社会に
放りこまれました。
 
英語を勉強してこなかったことを
後悔する日々ですが(笑)
また英語に触れられるご縁に感謝です。
 
初めてのイギリスはブライトンのホームステイと
スコットランドまでの一人旅でした。
 
紅茶がおいしくて、自然が美しく、
美術館や建築物が素敵で大好きになりました。
 
櫻木さんの体験や感性、
共感することがたくさんあります!
 
これからも書籍や投稿、楽しみにしています」
 
素敵な感想、本当にありがとうございます
 
本の中で、英国での体験だけでなく、
わたしが渡英に至るまでの仕事の中で
葛藤していた部分にも
ご自分と重なる部分を
感じて読んでくださったのかと、
とても嬉しかったです。 
 
このように感想をいただくと、
本当に、励みになります。
 
読んでくださる皆様、
本当にありがとうございます
 
続編、張り切って書いていきますね

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