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吉祥寺・井の頭公園の近くに住む「代筆屋」

あなたは、辻仁成氏の「代筆屋」という作品をご存知ですか?     

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わたしは辻仁成ファン、ではないのですが
(ファンの方、ごめんなさい)
「手紙」と言うものの魅力もあって、
この本はとても好きです。

彼は井の頭公園の近くの喫茶店の2階に住む
かけだしの小説家が
副業として手紙の代筆をしている、
と言う設定で書かれています。  

ですから、そこに書かれている情景が
目に浮かび、まるで自分の近所が描かれているように
感じられることも
この本が好きな理由の一つです。

最初に出版された2004年当時でも
すでに手紙よりもメールが主流だったはず。 

今なら「手紙の代筆」を人に頼もうとする人は
どれだけいるかわかりませんが、
やはり手紙だからこそ、伝わることも
あるのだと思います。 
  
「追伸」と言う名のあとがきには、
こんな風に書かれています。

「開封した便箋の手触り、文字の人懐っこさ、
封書に貼られた切手やスタンプに至るまで、
手紙にはそこかしこに、
なんとも言えない人間臭さがある。 

変な言い方だが、
手紙は純然たるハンドメイド。
 
だから人は手紙をもらうのがうれしいのだろう。 

世界でたった一つしか存在しない
自分だけに向けられたメッセージ。 

それをポストの中に発見したとき、
人は同時に、
ささやかだが何物にも替えられない喜びを
受け取ることになる。」 

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本当にそうだなあ、と思うのです。 

この短編集の中には様々な手紙がありますが、
他の人になりきって手紙を書くって
(しかも他人に手紙を代筆してもらうほどの
事情のある人の依頼で書く手紙です) 
相当難しいことですよね。 
  
(依頼しようとする人がいるかどうかを別にして、)
実際には成立することが難しい仕事だと思います。 

でも、(実はすでに亡くなっている孫に)
死ぬ前に一目会いたい、と言う
おばあちゃんのために代筆した手紙と
そのおばあちゃんが孫に当てて
書く手紙は、やはり手紙だからこそ
成り立つことだなあ、と
しみじみ感じました。 

最近はわたしも手紙ではなく
ハガキが多いですが、
それでも両親が喜んでくれるので、
出し続けようと思います。 

上の写真のルノアールの絵葉書は、
その名も「手紙」。 

手紙を書く姉妹のようですね。 

今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。 

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今のコロナ禍は、まだしばらく続きそうです。 
 
このようなときだからこそ
明るいこと、心温まることに目を向けるのも
大切なこと。 

それと同時に、 
これから自分はどう生きていきたいか考えて
それを実現するための準備を始めることも
とても大切なことですね。 
 
今回の本には 
そんなことも書いています。
 
*「人生よかったカルタ・こども編」 
 
実は「人生よかったカルタ」には
最初のオリジナル版の後、
「こども編」が作られました。 
(その後に「おじさん編」が続きます) 
 
今回から「こども編」のスタートです。

今回は、「あ」、
「挨拶したのに無視されてよかった」。 
 
これは、こどもたちなら、
なおさら悲しいかも。 
  
どんな理由でも良いので、
「よかった」理由を考えて見てくださいね。  
  

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わたしの解答例は 

「自分の声が小さかったのかもしれない。
今度からもっと大きな声であいさつしよう!
ときがつけてよかった。」 
 
「自分も、人の挨拶に気がついていないことが
あったかも。
ちゃんと気をつけて、挨拶されたら必ず返事をしよう!
と思えたから、よかった。」

あなたはどんな「よかった」理由を考えますか?
ぜひ、聞かせてくださいね。

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