3年ぶりの神田・古本まつりとタンゴ喫茶
今回は短歌西荻窪派のお話は一旦休み、11月3日(木・祝)まで東京・神田の神保町で開催中の「第62回 神田古本まつり・青空掘り出し市」のお話を。
去年・一昨年はコロナのために開催されず、3年ぶりの開催なのだそうですが、わたしは秋の古本まつりは初めて。
古本まつり自体は7日間開催されているのですが、29日(土)・30日(日)の2日間はすずらん通りで出版関係会社のワゴンセール「神保町ブックフェスティバル」も開催されるのです。
わたしは土曜日のお昼前に神保町についたのですが、すでにかなりの人出。
すずらん通りでもあちこちのワゴンの前に人だかりが。
早川書房など人気のあるところは入場制限?がかかり、長—い行列ができていました。
定価販売のお店もあるのですが、半額や「?冊??円」など大特価で販売しているところも。
木下龍也さんの「オールアラウンドユー 」を出版したナナロク社のワゴンはわたしが行った時はほぼからっぽ。
朝10時の開店の時にかなりお客さんが詰め掛けて売れてしまったようです・・・
ワゴン以外の古本屋さんも店の前にワゴンを設置して店内・店外で販売をしていて、かなりの混み具合。
わたしはコロナ禍になってからできるだけ混雑するところを避けて生活しているので、ちょっと怖いくらいでした。
そして、今回、神田では古本まつり以外に楽しみにしていたところがありました。
それは、1953年創業のタンゴ喫茶、「ミロンガ・ヌオーバ」。
アルゼンチンタンゴのレコードばかりをかけるこの喫茶店、ちょっと奥まったところにあるのですが、以前喫茶店に詳しい方に紹介していただき、
「素敵なお店だなあ」
と思っていたのです。
以前はプロのアルゼンチンタンゴの演奏家を招いてお店でコンサートを開催したこともあったのだとか。
ですからこのお店はアルゼンチンタンゴの愛好家に愛され、亡くなったお客様のレコードがお店に寄贈されたりもしたのだそうです。
レジの後ろにはそんなタンゴのレコードがぎっしり。
(きっと貴重なものもあるのでしょうね)
お店にはタンゴのバンドネオンも飾られています。
喫茶店なのに世界のビールが取り揃えられていて、メニューにもお酒のおつまみが。
タンゴを聴きながらゆっくりお酒を楽しむのもいいだろうなあ、と思っていました。
でも、つい最近になってこのお店が建物の老朽化のために今年の12月に営業終了し、その後取り壊しになると知りました。
すぐ近くに新店舗ができ、来年1月には営業再開されるそうですが、今の建物の、今の店舗の「ミロンガ・ヌオーバ」はもうすぐ姿を消してしまうのです。
きっと閉店日間際には長年のファンの方で混み合うと思ったので、早めに行っておこうと思っていたのです。
「今日は古本まつりの真っ最中だから、混んでるかな?」
と思ったのですが、運よくあまり並ばずに入店することができました。
わたしが案内されたのはスピーカーの近くの席だったので、良い音でアルゼンチンタンゴを楽しみつつ、コーヒー(ミロンガ・ブレンド)を味わいました。
未読ですが、片岡義男さんの「珈琲が呼ぶ」にはこのミロンガ・ヌオーバが取り上げられているそうなので、読んでみようと思います。
今のお店の空間を楽しめるのも12月上旬の閉店までのひと月あまりなので、気になる方は是非お早めに。
神保町は本好きの父が現役時代に東京出張の際によく立ち寄っていた場所でした。
「お父さんも古本まつりの時に神保町にきたことがあったのかな」
と思いつつ、たくさんの人で賑わう神保町を歩きました。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
*ミロンガ・ヌオーバ店内はお店の方に声をかけて撮影させていただきました。
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