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The "I Want" song

私はちょうど12年前、イギリスに少しだけ住んでいたことがあります。学校に通い、ベビーシッターとお花屋さんのアルバイトで毎日の生活費をやりくりしながら過ごしていました。

私はそこで特別な半年間を過ごしました。

イギリスでは、とことんSNSやスマホから離れた生活をしていたため、ひたすら街を散策し、お気に入りの場所を探すことを日課としていました。

この石畳を辿っていったらどこに着くんだろう。

この垣根の向こうには何があるんだろう。

毎日そんなことを思いながら、ひたすら壁に沿って歩いたり、右にしか曲がらないルールに従ってみたり、ひとりで遊んでいました。

ある日、町の中心部から見える小高い丘に気が付いた私は、そこにむかって歩くことにしました。30分ほどひたすら坂道を登り続けます。そろそろ疲れたころに、ようやくたどり着いたそこには、それはそれは素晴らしい景色が広がっていました。

ぐっと近づいた青空。

そこにあることに気が付いていなかった広々とした牧場。

お馬さん専用の散歩道。

振り返ると、私が住んでいる歴史ある古い街並み。

一瞬でこの "Pewley Hill" が大好きになりました。そして、私はここで特別な出会いを果たします。それは今でも私の心に寄り添ってくれる、あるベンチとの出会い。え?ベンチ⁉と思ったでしょう。Pewley Hill には、ベンチがたくさんあります。そしてそのうちのひとつはとても特別なベンチでした。一番美しい景色が楽しめるそこに置かれたベンチには、こう書いてあったのです。

【私が愛する人とともに楽しんだこの素晴らしい景色をあなたにも】

一瞬で目頭が熱くなり、顔も知らない2人が楽しそうに笑いあう姿が思い浮かびました。たくさんの愛が溢れていました。その言葉の下には、おそらくその愛する人の名前と生まれた年、そしてこの世を去った年が書かれていました。大切な思い出だったんだと思います。この世に残したいくらい。だれかにシェアしたいくらい。こんな風にうけとるのは、大袈裟かもしれない。でも知らない土地でどこか心細かった私に、愛と勇気を与えてくれました。

私もそんなふうに誰かの心をそっとあたたかくしたい。

ひとりじゃないよってちょっとだけ背中を押したい。

それから私は帰国するまでの半年間をそのベンチとともに過ごします。(もちろんお友達もいましたよ。)帰国してからも、どうしようもなく落ち込んだり、イライラしてふさぎこんでしまう時には、目を閉じてその景色を思いうかべます。そうすると、まるで丘の上を吹きぬける風のように穏やかな気持ちになれるのです。

そのベンチにもし何も書いていなかったら、ここまで特別な気持ちになれたでしょうか。それこそ、言葉の力だと思います。

だから私は、Webライターになろうと決意したのです。



っていうのは嘘です。いや、ベンチの話は本当ですよ。でもライターになろうと思ったきっかけは、大好きな彼氏の一言からでした。

「ねぇ、原稿書くの手伝ってくれない?」

何かしら人の役に立つことでしか自分の存在価値はあがらないと思っている私は(よくないんでしょうけどね。思考のクセです。)ふたつ返事で「もちろん!」と請け負います。ありがとう助かった!と言われたかったのです。そこから文章を書くことの難しさを知ります。しかし、諦めずに書き続けました。自分で言うのもおこがましいですが、頑張ることが得意なので、めちゃくちゃ調べて記事にしていきます。見よう見まねで売れている人の原稿のように書いてみたり、マーケティングやSEOの本も読み漁りました。

そしてまよまよ先生に出会います。(Twitterで)

無料の体験講座を受講すると気が付いたらすべての講座を購入していました。受講しひたすら教えて頂いたことを実行すると、ライターとして収入を得ることが出来ました。(もちろん彼氏からのありがとう助かった!も含めて)初めての実績が出来た時の嬉しさといったら。その充実感や貢献意欲、承認欲求を満たしてくれるライター業務はまさに私にぴったりのお仕事です。

いつか愛と勇気を与えられる人になるために、私はこれからもライターであり続けます。

ひとまずライカレについていけますように…。
















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