まず、勝負から降りる

承認欲が苦しみをもたらす理由について、考察したいと思います。

満たし方が不明確である

承認欲はその名の通り他人からの”承認”が”欲”しいということです。承認は他の人と比べて優れている時に得ることができますので、裏返すと他の人と比べて劣っていると感じる時に苦しみが起こります。

では、私たちは普段、何を基準に優れている・劣っているとしているのでしょうか?

優劣の基準が明確なもの(例えばスポーツなどの勝ち負けがあるもの)であれば、承認欲を満たすために起こす行動は、「勝てるように練習すること」と明らかです。負けた時は確かに悔しいですが、次に起こす行動の方向性は明確なため、承認欲からくる苦しみは少ないといえるでしょう。

厄介なのは優劣の基準が不明確なものです。基準が不明確であればあるほど次に何をしていいかわからなくなり、苦しみは非常に大きく、長くなります。労働者の満足度が最も低くなる会社の要因として「評価形態が曖昧」というものがありますがこれも同じです。人間は、どうしたら良いかがわからない時に、苦しみが増大するのです。

何と戦っているのか?何をしたら勝ちなのか?負けたらどうするのか?

承認欲が満たされず心がざわついた時、自分に問いかけてみてください。

この質問に明確に答えられない場合、戦っても不毛な時間を過ごす上に、精神的にもよくない影響が出る可能性が高いです。

承認欲による苦しみを最小限にするには、普段自分が無意識に参加してしまっている勝負から降りることです。

自分にとって本当に大事なこと、勝ちたい勝負にだけ参加してください。

まずは、参加する必要のない全ての勝負から降りましょう。心がざわついた時、「何と戦っているのか?何をしたら勝ちなのか?負けたらどうするのか?」と自分に問いかけてください。自分がいつも実にくだらないことに心を囚われていることがよくわかるはずです。






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