面倒臭い人を飼いならそう②〜Noと言えない3つの理由、言うための3つの対策〜
こんにちは。オリキです。
前回に続いて面倒な人対策です。私たちの周りにいる「面倒臭い人」
それは上司、お客さん、同僚、友達、関係性は様々かもしれませんが、共通するのは、私たちから時間と労力を搾取する名人たちであること。
今回はそんな人たちから何かを頼まれた時、つい断れず「なんでOKしてしまったんだ...」とならないための対策について、お話したいと思います。
まず、私たちが依頼を断れない3つの理由から見ていきましょう。
断れない理由1.嫌われるかもしれない「不安」
嫌われることで仕事上何か不利なことになるかもしれない。などの漠然とした不安から逃れるための手段としてとりあえず良い返事をしてしまう、というのが断れないケースのほとんどをしめるでしょう。
「不安」と「恐怖」の違いはなんでしょうか?
答えは対象の有無です。「不安」は対象がなくなんとなくソワソワして落ち着かない状態。「恐怖」は何か特定の対象を遅れている状態。
ちなみにこのケースの場合、適切な言葉は「不安」です。何故なら断ることによって生じると考えているマイナスは、ほとんどの場合明確になっていないからです。
断れない理由2.自分のやることが明確になっていない
2つ目はそもそも自分のやることすら明確になっていないためにパンクしそうなくらいいそがしくても、受けられるかどうかわからない。あるいは忙しいけれども断る明確な理由が言えないためにとりあえず断るパターンです。
これは仕事を覚えたての若手の方によくあるケースですが、自分のキャパ、スピードをまだ理解できてないために起こりがちです。(ベテランの方でもたまにいらっしゃいますが)
指示を出してくる上司も人間です。部下の状況を逐一把握し、キャパを考えて指示を出せる上司は本当に一握りでしょう。
断れない理由3.引き受ける基準、断る基準がない
依頼された時、心からやりたいと思ったことが今まであったはずです。逆に「えっ...」と思ったのに気付いたら何故か引き受けていたこともあるはずです。やりたいことは依頼されれば引き受けるのでいいですが、問題は、やりたくないのに引き受けてしまう、ということ。
「テストで30点以下は赤点」という基準が、高校時代にありました。日本には「60km以上で普通の道路を走ったら違反」というルールがあります。
これらの場合に、「12点だけど...赤点免除!」「40kmで走ってたけどなんか違反!w」なんてことがおこったらたまりません。基準があるから、安心して罰則を科せるし、科されまいと気をつけることができるのです。
自分の行動もこれとおなじ。○○だったら引き受ける。○○だったら断る。というルールがあればいいのです。
次に断るための具体的な対策をご提案します。
断るために1.メリットとデメリットを明確にする。
依頼を受けたらそれを仮に行うとして、どのようなメリット、デメリットがあるのか、紙に書き出してみてください。やってみるとわかるのですが、今までデメリットしかないことに首を縦にふり続けていたことがわかります。
大事なことは、勢いでOKしないこと。一度承諾してしまうと、社会心理学でいうところのコミットメント(自分の意見・立場を表明すること)から一貫性のルールが働き、言葉を撤回するのはほぼ不可能でしょう。
「ちょっとこのメール打ってから確認します。」とでも返事をして、冷静に検討しましょう。不思議なことに、いったん間を置くだけで引き受けるべきか、断った方がいいのか、だけでも正確に判断することができます。
なお、断る場合ですが、言葉を濁すよりもはっきりと「結論から申し上げてお引き受けできません。」とする方が印象がいいです。角を立たせないために濁したりする人がいますが、あれは逆効果です。
断るために2.自分のやることを明確にする
引き受けたくないことを断るためにも、また、チャンスを逃さず掴むためにも、自分のやるべきことは明確にして仕事に望むべきです。
そのためにシングルタスクで1日の予定を組む、ということが有効です。
そうすれば急な上司からの依頼に対して、「○○をやるのでできない」と明確な理由で断ることができます。あるいは断るまで行かずとも「今○○をやっていて、そのあと○○をする予定ですが、何を明日に回すべきでしょうか?」とすれば1日の作業量を無駄に増やさず済みます。
大体1〜2時間で終わるくらいのやることを5つまでに絞って書き出し、それを順番にやっていきます。その間は25分作業、5分休憩のポモドーロテクニックと呼ばれる人間の集中力を高める時間で区切って作業しましょう。
ちなみにやることをたくさんリストアップしてしまうのはお勧めしません。
人間は8以上の数を一瞬で認識することができず、そのため多く書きすぎると、集中して作業しなければいけない最中に「何やらなきゃいけないんだっけ・・・」とマルチタスク気味になり、脳機能を低下を招くからです。
断るために3.5分ルールと90点ルールを採用する
依頼を引き受けるか、断るかの判断によく用いられるのが、「5分ルール」「90点ルール」です。
ちょっとした頼み事をされたり、人助け的なお願いをされたら、「その作業は5分で終わるか?」と考え、終わらないなら断る。と決めてしまいましょう。基準があるだけで断るという意思決定はそれほど難しくないはずです。ちなみに終わるならば全力で助けてあげましょう。ちょっとした人助けは他者に貢献することで自己肯定感を高めるだけでなく、心理学的にいうところの返報性の原理が働き、将来的なメリットに繋がる可能性が高いです。
90点ルールはもっとプロジェクトレベルでのお願いに対して使います。読んで字の如く、依頼された内容をやりたさで評価して90点を超えなければやらない、ということです。なんのルールも決めていないと、反射的にOKと返事をしてしまう可能性が高くなりますが、一度点数に置き換える過程で仕事をマクロ視点で眺めることができ、冷静な判断が下せるようになります。もし自分の社内、仕事仲間中での立場がそこまで高くないなら、この点数を70点くらいまで引き下げて活用しても良いでしょう。
終わりに
私たちの人生は有限です。こうしている今も、死へ着実に近づいています。そんな貴重な時間を、好きでもない人の頼み事のために消費することが、本当に幸せに繋がると思うでしょうか?
人を頼みを断ることを、社会的動物である我々ホモサピエンスは、本能レベルで恐れます。しかし、私たちはもはや本能の奴隷ではないはずです。教訓を得て学習し、成長する理性があるはずです。幸福を追求するために本能さえも克服できるのは、人間の強さであり特権です。共に自由のために闘いましょう。
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