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Nouns DAOの革新性とその裏側②

web3の世界(パジ&かねりん共著)

NounsDAO 提案から実行までの流れ

次の図は、『CryptoNijna Nouns(CNN)』のDAO投票の仕組みです。
(CNNは、私も開発に入っている企画で、執筆時点でローンチ間近となっています。)

「提案に必要なNFT保有数は1つで固定」ということ以外、NounsDAOと仕様は一緒です。

前提として『CNN』はNouns V2のDAO投票がベースになっています(本家Nounsでは、既にV3の準備も進められています)。

NounsDAO V2と『CNN』の違いは、CNNでは「NFTを1つ以上持っていれば提案できる」とした点のみです。

提案

NounsDAOではNounsのNFTを総発行数の0.5%(今だと2つ以上)保有していなければ提案できません。

『CNN』では、NFTを1つ以上持っていれば提案できるようにしています。

先にも説明しましたが、提案は大きく2種類あります。

「トレジャリーウォレットへの提案」と「機能をアップグレードする提案」です。

「機能をアップグレードする提案」を使うと組織のルールを柔軟に変えていくことが出来ます。

例えば、NounsDAOだとNFTを総発行数の0.5%以上持っていれば「提案」ができます。

しかし、例えば、
「0.5%だと変な提案ばっかりで、運用がうまくいかないよね。」

という状況になったときに、あとから「提案には1.0%以上が必要」と仕様変更を提案することができるのです。

NounsDAO v1からv2に移行したときも、「機能をアップグレードする提案」のDAO投票で可決で実行されました。

その提案・投票のログはこちらのページで確認出来ます。

>>https://nouns.wtf/vote/152

「DAO投票での可決」を条件として、ABIファイル(コードと関数)を元に、さまざまな機能の変更・拡張が可能なため、”自律分散的”にNounsDAOや『CNN』が進化するのです。

待機中

「トレジャリーウォレット」や「機能をアップグレードする」提案を行うと、その提案は、一旦「待機中」ステータスになります。
待機期間は約2日間(17,280block)。

「投票」が始まる前に考えたり、DAO内でディスカッションしたり、やっぱりキャンセルしたい、といった時のための猶予期間です。

投票受付中


「待機中」期間が過ぎると自動的に投票受付中に切り替わります。

投票期間は約3日間(23,040block)です。

『CNN』のNFTホルダーが「賛成・反対・棄権」に投票できます。

現NFTホルダーだけが投票権を持ちます。

なお、時系列的にNFTを保有するよりも以前に起案された提案に対しては投票することはできません。

ちなみに、NFTを複数個保有している場合でも、NFT保有数分の票が入ります。

NFTを5個持っている人(厳密にはウォレットアドレス)が投票すれば、5票分の投票になります。

なお、ひとつのウォレットアドレスに複数のNFTを持っている場合、賛成と反対に分けて投票することはできません。どちらかに全ての票を投じることになります。

表決

「投票受付」期間が過ぎると自動的に「表決」が行われます。

賛成vs反対で決議。

賛成票がNFT発行数の10%に達しない場合、DAO内の十分な賛同を得られていないと判断され、否決されます。

賛成票がNFT発行数の10%〜15%の場合、定足数と反対票を計算した上で表決されます。

例:NFT発行数が100の時、以下のようになります。
1.「賛成5、反対2」の場合、賛成が発行数の10%に満たないので、否決。
2.「賛成13、反対4」の場合、定足数=10+反対票4=14 > 賛成となり、否決。
3.「賛成20、反対19の場合」、15%以上の賛成>反対となり、可決。

若干違和感を感じる部分がありますよね。こういった部分についても、今後のアップデートで解消されていくことと思います。

可決


可決された提案は、「可決」状態になります。

この状態になると、誰でもトランザクションを通すことで「実行待ち」へ進めることができます。

「実行待ち」にならない提案は、ずっと「可決」状態のままです

実行待ち

「実行待ち」ステータスになると、最初の1日間は待機時間になります。

「実行」するともう巻き戻せないので、キャンセル(or 拒否)できる最後の機会になります。

「実行待ち」になって 2〜16日間、誰でもトランザクションを通すことで「実行」へ進めることができます。


キャンセル


「実行」される前まで、提案を「キャンセル」できます。

キャンセルは、提案者のみができます。

ただし、提案者がNFTを手放して投票権が無くなった場合には、誰でも行うことができるようになります。

実行

「実行」されると、提案に従いトレジャリーウォレットからETH送金や、提案されたコントラクトが実行されます。

期限切れ


実行されずに16日間が過ぎると、その提案は「期限切れ」になり、実行することができなくなります。

却下

Vetoer(Nounders)は拒否権を持っており、「提案」が「実行」される前であれば、いつでも「却下」することができます。

拒否権の発動はNoundersの一存に委ねられていますが、公序良俗に反する場合のみに権限を発動させるものと思われます。

この権限は極めて中央集権的ですが、NounsDAOが理想的なDAOとして走り出すまでの間、必要最小限のセーフティとして実装されています。

この権限の有効期間は、NounsDAOがスタートしてから5年後までとされており、その後どうするかはその時点においてDAOメンバーによる投票で決せられます。

まとめ


ちょっと複雑だったかもしれませんが、以上が「NounsDAO」のDAO投票の仕組みです。

V1→V2への提案ルールの進化を含め、各種機能のアップグレードも可能なので、V3→V4→V5と、どのように発展していくのかを考えるとワクワクしますよね。

NounsDAOのコピー企画であるCNNは間もなくスタートします。

どのような発展を遂げていくのかとても楽しみです。

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