第107回 上のステージに行くほど、「人脈」が意味を持つ。「人脈」には、ときに「実力」を凌駕するほどの力があるのだ!
なぜ経営者はゴルフに行き、上級国民めいた人達はパーティーをするのか?
今日は『「人脈」を軽く見るバカ』というテーマでお話ししたいと思います。
20代で生まれた差は取り返せない
大切なコトは大体耳が痛いです。
僕、今年の春に出した新刊『夢と金』の中で「20代で生まれた差は取り返せない」と書いたんですね。
そういうコトを言うと、「いやいや、30代からでもいけるよ!」とか「40代からでも遅くないよ!」とか「50代から成功した人もいるよ!」みたいな甘い言葉で票を稼ぐ人間が発生するんですけども、
それって「ライオンの檻に入ったら、噛み殺されるよ」という確率論に対して「噛み殺されないケースもあるから、大丈夫!」と言っているようなもので、「お前、自分の子供に同じこと言えるか?」という話。
その人は、まず間違いなく、自分の子供には「ライオンの檻には絶対に入っちゃダメ!」と言うだろうし、自分の子供には「将来、苦しみたくなかったら、今、死ぬ気で努力しとけ!」と言うでしょう。
耳あたりの良い言葉で目先の票を稼ぎにいくヤツって、本当にテキトーというか、嘘つきというか、他人に対して愛が無いなぁと思います。
僕が、30代、40代、50代、60代の方に言える本当のコトは、「基本的には20代で生まれた差というのは“ほぼ”取り返せないから、その事実を受け止めて、人生で一番若い日である今日から頑張って、少しでも前に進むしかないッス」といったところです。
メチャクチャ耳の痛い話だけど、だけど受け止めなきゃ始まらない。
「20代で結果を出せなかった40代、50代には明るい未来が1ミリも無い」と言っているわけではなくて、「資本主義というゲームは『強いヤツが、より強くなる』というルールで回っているので、このゲームの性格をキチンと把握して、ホームランは狙えなくても、一塁打を重ねていきましょう」という話です。
野球で例えると分かりやすいですね。
20代で一回もヒットが打てなかった選手は、そもそも打席に立たせてもらえないんです。
にも関わらず、「大丈夫。ホームランは打てるよ。ガンバ!」とか、もうスピ系の寝言もいいとこじゃないですか。
大切なコトは大体耳が痛いんです。
先日、サロンメンバーさんから素敵な言葉を教えてもらったんです
その上で今回の話なんですけど、先日、サロンメンバーさんから素敵な言葉を教えてもらったんです。
それが、コチラ↓
「年齢は首に出る、苦労は手、健康は爪、清潔感は髪、センスは服、色気はしぐさ、育ちは食べ方、自信は歩き方、美意識は姿勢、そして、成功は、人脈に出る」
これ、長年仕事をしていると分かるのですが、本当にその通り。最後は特にそう。
この言葉を昨日、ツイートしたところ、大変な反響がありました。
概ね、「実際、ホントそうだよな」という感想だったのですが、一部の方から「人脈は関係ない」とか「人脈が大事とか言うヤツは信用できない」という声がありました。
どういう状況にある人が言っているかは、おおよそ想像がつく…というか、包み隠さずに言うと、「人脈を築けていない人が言っている」と思うのですが…「成功」の定義を「自分だけが満足できればイイ」ではなくて、「社会的に認められる」とした場合においては、実際のところは「人脈が全て」ではないけれど、「人脈無し」では大きな成果は出ません。
これが上のステージに行けば行くほどそうで、「○○さんと繋がっている」というカードが思っている以上に意味を持ってくる。
だから経営者はゴルフに行くし、だから上級国民めいた人達はパーティーをするんです。
経営者の皆が皆、ゴルフが好きで好きでたまらないわけでもないし、上級国民めいた人達全員がパリピなわけでもないんです。
「しんどいなぁ」と思いながらゴルフに行っている経営者なんて山ほどいるし、「しんどいなぁ」と思いながらパーティーに出席しているハイブランドのスタッフとか山ほどいます。
だけど、そこで生まれる繋がりが大きくモノを言うことを知ってるから参加するんです。
たとえば、「どれぐらいのファンを抱えているか?」でキャスティングが決められたりしているのって、なんとなくイメージつくでしょ?
映画とか舞台とか。
僕はそういうのが嫌いなので、いっさいやりませんが、イメージはできる。
それと同じような感じで、具体的なことは言えないですが、仕事によっては「誰と繋がっているか?」でスタッフの座組みが決まったりもするんです。
こういうことが本当にある。
「アイツは○○さんに気に入られているだけや」という悪態ついている人を見たことありません?
「実力は俺の方が上やのに」といった感じで。
「人脈」というのは、つまるところ、それぐらい強いんです。
時に「実力」を凌駕するほどの力がある。
アホの情報商材屋とかが、有名人とのツーショットを撮って、人脈アピールしたりしていますが、あれはアホのやることなのでおいといて、それとは別で「人脈がモノを言う世界線」は確実にあるので、ヘソを曲げずに、この事実は受け入れた方がイイと思います。
西野亮廣
お知らせ! 西野亮廣のビジネス書最新刊『夢と金』が大好評で20万部突破! ビジネス書累計が100万部突破!
※Amazonランキング書籍総合1位にも! コチラから
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?