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コンサルから国内SaaS業界へ転職した人の話(コンサル時代編)

はじめまして。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、”Stay Home”の時間が増えてきたこともあり、これまでのビジネスキャリアの棚卸やOutputも兼ねてこのNoteを始めてみようと思います。まずは私のキャリアについて簡単にご紹介させていただきたいと思います。

戦略~ITまで、全領域に触れたコンサル時代

私は2014年新卒でアクセンチュアに入社し、2017年からデロイトトーマツコンサルティングに、そして2018年に再びアクセンチュアに出戻りをした、いわゆる”癖ありキャリア”です。ただ、それぞれの期間でやっていたことは異なりつつも、後から振り返れば ”適切なピボット” ができた部分も多いことから、まずは簡単にその中身を振り返っていきたいと思います。

オペレーションを叩きこまれたアクセンチュア時代

入社時はエネルギー、化学、電力ガス等のクライアントを持つ素材エネルギー本部に配属されました。当時は2016年の電力自由化に向けたPJTが増えつつある時代で、ほとんど電力業界のPJTにアサインされていたことを覚えています。当時はまだどのコンサルも超Work Hardの時代で、昼は自分のPJTに従事し、夜は関連するProposalをしたりしていたので、残業は月80~120時間くらいはしていた気がします。

多くの同期は当時SAP畑にアサインされ、いわゆる”Pure IT”のキャリアをスタートさせていた一方、私はとにかくSAPが苦手で、(資格試験も毎回落ちていた)半ば仕方なく業務設計系のPJTに入れられたり、提案書を書きまくったりしていました。そのため業務フローのかき方や、PMOとしての基礎的なプロジェクト管理をベースに、要件定義⇒設計⇒開発⇒テスト⇒本番稼働と一連のIT導入の流れを習得しました。

転機が訪れたのは業務改善系のBPR案件で初めて二つの領域を自力で回すようになった社会人2~3年目のころ。短期間でクライアントの業務を洗い出し、現状把握⇒課題抽出⇒施策化⇒削減効果の試算⇒次フェーズ以降のプランニングを一気通貫で行い、ようやく ”コンサルっぽい” PJTを回し、そのスピードとスクラップアンドビルドのやり方に気づくことができたタイミングでした。といいつつ当時は関連書籍を漁りながら(最強の業務改革)、無理やりPJTの全体像を理解し、精度の低い粗々の仮説を元に何とか乗り切っていたというのが本音です。

このことがきっかけで、より上流の事業部や全社的にインパクトのある領域はどこか、ということを考え始め転職を視野に入れるようになりました。

戦略・ファイナンスと向き合ったデロイト時代

アクセンチュア時代に、”Strategy&Operation"におけるOperation側を徹底的に叩きこまれた私は自然と”Strategy”に興味が向くようになりました。といいつつ、当時はStrategyの定義も曖昧な私は、とりあえずBCGやデロイト、AT Kearneyあたりの話を聞きに行き、内定をもらったデロイトのM&A Strategyの部署に転職しました。(関連書籍:クロスボーダーM&A 成功戦略)アクセンチュアでコンサルタントにプロモーションした直後、2017年初頭の出来事です。

デロイトのM&A Strategy(当時はPreM&A)は、M&Aの前段階の戦略策定からM&Aディール、PMIまでを行う部署で、金融系、戦コン、事業会社のバックグラウンドの人がバランスよくいるような感じでした。大きく前職と異なるのは、BS、PL、CFを当たり前のように扱わなければならないことで、一切ファイナンスのナレッジがない自分はとにかくググったり、(関連書籍:ビジネスデューデリジェンスの実務バリュエーションの教科書コーポレートファイナンス実務と実践)を片手に読み漁りながらついていくのが精一杯の状態でした。当時のキャッチーなディール案件を軸に、短い期間の中で、カーブアウト、全社戦略、事業戦略、BDD(Business Due Diligence)、Valuation、企業再編等、StrategyとM&A領域を経験でき、当該領域の全体像を把握するという目的に鑑みれば、非常に運が良かったと思います。

しかし結局1年半足らずでデロイトを退職することを決意します。
M&Aを専門とした今後のキャリアを考えると、どうしても投資銀行やFASといったファイナンス専門領域のプロプレイヤーや、弁護士や会計士といった士業のプレイヤーと比較し専門性が劣る、かつデジタル化により少なくとも今とは異なる形に昇華されていく領域になることを感じつつありました(M&A自体は絶対に無くならない一方、BDDやValuationは金融におけるTradingのような形でデジタル化される、といった具合に)。
そのためファイナンスは最低限一つのCapabilityとして保持しつつ、今後確実に波の来るデジタル領域で、かつMarketingやSalesといったフロントサイドに強いコンサルタントを目指すべく、縁もあった古巣であるアクセンチュアに戻る決意をします。(当時はSFDCが急成長しているのをみて、基幹システムの改革を終えた企業が、次はフロントのCRM改革や顧客体験の再構築に乗り出すと考えていました)

デジタル戦略、マネジメントに踏み込んだ出戻り時代

再びアクセンチュアに戻ってきたのは2018年。CMT(通信メディアハイテク本部)で第三のキャリアをスタートさせました。

当時はDXが盛んに唱えられているころで、特にCMTはDX案件を様々な企業に仕込んでいるような状態でした。出戻りしてアサインされたPJTは、営業戦略やアライアンス戦略といった上流工程から、営業業務の一部外部化といったBPO案件まで事業におけるフロント側の領域から、全社DX戦略といったものまで、新卒やデロイト時代とは全く異なる領域でのチャレンジが始まりました。

気づけばもう社会人5年目ともなり、プレイングマネジャーとしての期待値が高まるにつれ、自身で仮説を立てながらプロジェクトの着地点を見つけ、かつクライアントの期待値を超えて次の受注を目指すという、プロマネとしての動き方に向き合うようになりました。そのため、少人数での短納期のPJTを希望しながら(いわゆるちょっとキツメの案件)、プロマネ経験値の最大化を図りました。

もう一つはフロントサイドのデジタル領域へのチャレンジです。
当時のCMTのクライアントは、基幹システム改革における社内のデジタル化を終えたその次は、フロントのCRMを強化し事業自体のデジタル化を狙うという流れが加速していました。(関連書籍:ピボットストラテジー
そのため海外の先行事例を活用しながら、”オムニチャネル化に必要なCXプラットフォームの構築”という形で戦略案件を中心に様々な提案を行っていました。(関連書籍:顧客体験の教科書

プロマネとしての動き方を経験しつつ、確実に波が来ていたデジタル領域のCapabilityを習得しながら、特に不満もなく、ある程度の手ごたえも感じながら働いていましたが、ふとしたきっかけでコンサル業界を退き、SaaS業界の門を叩くことになります。(後編へ続く)


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