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元銀座のママがWEBサービス『シン・トーク』を開発する理由

はじめに

はじめまして、『シン・トーク』ブランドプロデューサーの桃谷 優希(ももや ゆき)と申します。私は、大学卒業後、北新地のクラブに入り、その後銀座に移籍。ヘルプ、売上、雇われママを経験後、27歳でオーナーママとして独立しました。

体調不良により店舗売却銀座を引退した後、現在は作家として活動しながら、新規店舗立ち上げのプロデュースや、夜の街で働く人たちの新しい労働環境の提案や企画、水商売をもっと身近に届ける活動をしています。

こんな私が、『シン・トーク』というWEBサービスをなぜ開発したのかというお話をしたいなと思っています。


銀座のママになるまで

16歳の頃に作家デビューをさせてもらったものの、鳴かず飛ばず、作家としては全く売れません。大学在学中に新聞社の学生ライターや書籍を出版させて頂くも、やはり鳴かず飛ばず。

そんな時に大学構内書店で出会ったのが松本清張「黒革の手帖」でした。

黒川

脳裏には高校生のときに見たドラマ黒革の手帖の米倉涼子さんが演じていた原口元子の名場面が走馬灯のように流れます。はっと気付いたときには、私はお会計を済ませて、ページを読み進めていました。

このたった一冊の本との出会いで、大学卒業後、売れる作家のヒントを探しに私は北新地に飛び込みます。

それから沢山のドラマがあり、26歳の頃、私は銀座で雇われママを経験し、翌年独立。銀座でオーナーママの立場まで登りつめました。しかし、数々の山を越え、ようやく今からというときに体調不良のため、第一線を退き、引退しました。


ターニングポイントは『新型コロナ』

それから数年は、休養期間に入り2019年もそろそろ終わりが見えてきた頃、ようやく社会に復帰出来ると思っていた矢先に、「変なウィルスが出たらしい」という話が耳に飛び込んできました。風の噂に聞いたその変なウィルスは、瞬く間に新型コロナウィルスとして日本にも上陸し、蔓延。

私はこのときに某大手企業と新たな社交場「談話室」オープン計画を着々と遂行し、テナントとの契約も終わり、デザイナーの先生と内装打ち合わせやスタッフミーティングなど、5月のオープンに向け走り回っていました。

しかし、コロナの影響によりヨーロッパに頼んでいたアートや家具が入ってこないという状況、現場が動かない、オープン日は延期せざるをえない、緊急事態宣言、プロジェクトは頓挫。

この時、初めて、夜の街にかかわらず、接客業は人が動けないとお金を生まない仕事なんだと、改めて目の前に叩きつけられた感覚になりました。

そんなときに考えたのが、夜の街で雇われ側、経営者側、どちらも経験した私が出来ること、それは双方の弱みを解消する新たな現場を生み出す提案でした。


夜の街の仕組み

緊急事態宣言でお店がストップすると、キャストは日雇い労働者と同じなので報酬が1円足りとも出ず、お客様の売掛あるキャストはお客様の売掛入金がない場合、サイト切れになる日に一括でお店に立替入金をしなければなりません。

以前ニュースでホストのローランドさんが昔お客様に300万飛ばれたときのボトル、というのを展示されていたらしいという記事に対し、「300万飛ばれたって言っても、原価そんなにかからないだろう」とコメントされている方がいました。

私は、ローランド さんと面識もありませんし、ホストクラブの立替入金についてもほぼ無知ではありますが、ホストクラブもクラブと同じ制度だとしたら、一度300万円で伝票が上がったら最後、原価が幾らであろうと、係の立替入金は300万円になります。この立替入金が法的に云々の話は置いておきますが、暗黙のルール上そうなっています。

夜のキャストは、立場によって様々な報酬形態がありますが、売掛だとしても、その伝票の数字に対して、時給や日給が+になり、時給日給の報酬制度じゃない立場でも、伝票の数字に対して報酬の取り分が変わってきます。

そのため、店舗経営サイドからすると、あのとき300万円の売上に対して◯◯万円の報酬を出しているんだから、サイトが切れたら伝票通り払ってよ、に、なるわけです。


『シン・トーク』開発の背景

少し話がずれてしまいましたが、緊急事態宣言により店舗が動かないキャストは収入が途絶える以上に、売掛金が未入金になるかもしれない恐怖に晒されました。
そして、店舗経営側は、個人事業主の扱いではない経理やソムリエ、事務員、沢山の社員の給料に、店舗と会社の膨大な家賃、業者への支払いが日々迫る中、店舗が動いていないため、吐き出すばかりの毎日でした。

ズームキャバクラやオンラインを使っての水商売も始まっていましたが、夜の街には様々な事情があるキャストが沢山います。
自宅や顔が映るズームキャバクラは、有名なキャストは需要はありますが、ヘルプ層のキャストや、シングルマザーや病気療養中のキャストにはオンラインで顔出しはハードルが高すぎます。

そこで思いついたのが、現場キャストが誘客するために毎日何十時間もかけているLINEをヒントにした、チャット営業でした。

細田守監督のサマーウォーズのOZのような世界を夜の街にはめこめないかと考え、資金調達や開発者探しなど根本的な問題から、ユーザーの利点も探り、立案から1ヶ月後には『シン・トーク』プロジェクトが始動しました。

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『シン・トーク』とは

『シン・トーク』は、北海道から沖縄まで実際に店舗がある高級クラブ、キャバクラ、ホストクラブ、ゲイバー、スナックなどで実際に働くキャストと、直接店舗に行かなくてもいつでも・どこでも会話を楽しめるWEBサービスです。

日本全国の好きなキャストと、家にいながら旅をするように、チャットができる「有料課金版のLINE」と思っていただけるとイメージしていただきやすいかもしれません。

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<ユーザーにとっての利点>
飲み屋に興味はあるが行けない人も、全国キャストと話が出来る、出張先のご飯屋さん探しだけでも使える、悩み事を相談出来る

<キャストにとっての利点>
24時間、いつでもどこでもどんな姿でも仕事が出来る、同伴がなく出勤調整をされてもシントーク内で仕事が出来る、シントークで新規顧客になる可能性がある新たな出会いがある

<店舗にとっての利点>
コロナや災害、ビル老朽化、新規店舗の風営法の許可が出るまでの間、などの理由で店舗運営が出来なくてもシントーク内で営業が出来、キャストを雇用し続けられ、店舗売り上げも立てられる、

これら3つの利点を基に、『シン・トーク』は設計されています。


『シン・トーク』という名前に込めた想い

『シン・トーク』のシンは、「共に」を意味するギリシア語の接頭辞"syn-"に由来し、新しい・真心・親近感・進化・心という意味が込められています。

withコロナ時代でも夜の街に集うスタッフ、業者、そしてお客様。三方よしで成り立つ新たな水商売としての可能性の提案を『シン・トーク』でおこなっていきます。


孤独解消ツールとしての『シン・トーク』

そして、一番こだわったのは、孤独解消ツールとしての使いやすさです。

最終着地点として、コロナの脅威が収まった後に『シン・トーク』で出会ったキャストのお店に会いに行ってあげて欲しいという思いはありますが、コロナにより時間が出来た一方で孤独と直面させられた方も多くいらっしゃると思います。

私自身も療養中に初めて社会との断絶、閉ざされた孤独な世界を味わい、「退職後の社会との断絶」「家庭に入ると社会と繋がりが薄くなる」そして「孤独死」とは、こういう一歩が入り口かも知れないと感じました。

リタイヤ後に家族と疎遠や会社関係者との繋がりがなく人付き合いが絶たれてしまい孤独感を感じている方達、子育てに追われ社会から孤立や家庭内孤立で孤独感を感じている子育て世代のママパパ、何らかの理由で疎外感を感じている方達の自身の存在意義を改めて感じられる場所の一つとして、電話は嫌だけどチャットなら気軽に話せるかも、と、思って、『シン・トーク』を使って頂けることを、目指しています。


おわりに

『シン・トーク』は夜の街への応援、そしてご飯屋さん探しから整形や不倫問題、終活に至るまで、様々な悩み事解消になるヒントとして沢山の人に使って頂き、夜の街の新たな形として可能性の提案から、第三の接客業として、皆様の手をお借りしてシントークそのものを成長させられたらと思っています。

『シン・トーク』は実際にある店舗の実際働くキャストのみが登録を出来るシステムなので、どうぞお気軽にお越しください。

皆様のご来店心よりお待ち申し上げます(^^)



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