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35歳にして、初めての転職

2021年の12月に、約12年働いた大企業からベンチャー企業に転職しました。転職して早5ヵ月以上経ってしまいましたが、これからも自分の人生やキャリアを考え、行動し続けていくために、自分の頭の整理も兼ねて、改めて言語化しておきたいと思います。

就職以来、大事にしていた価値観

まず前提として、新卒で大企業に就職した際の自分の想いは2つ。

①日本をもっと元気にすることができる、
 日本をもっと世界から必要とされる国に
 することに貢献できる企業で働く。

②その企業の中で働くことによって、
 (企業の看板がなくても)社会で「一人の人間」
   として活躍できる実力を身につける。


これまでこの2つをずっと意識して、働いてきました。


一つ目の考えに至った原体験は、大学を休学して留学したベトナムでの体験です。当時のベトナムは町中がバイクで溢れていて、車が少し走り始めたような状況でした。そんな中でもバイクは、ホンダ、カワサキ、車はトヨタ。他にも街にはCANONなど、日本企業の看板が沢山ありました。

現地の人に、自分が「日本人だ」というと、必ずと言っていいほど「日本製品は素晴らしい。日本もすごくいい国だ。」と言われました。その体験から、自分が日本人であることに本当に誇りを感じましたし、もっと日本をいい国にしたいと思いました。

そんな気持ちで就職活動をして、幸いにも日本の大手製造メーカーに採用していただきました。

前職の会社には本当に感謝しかない

その会社では幸運なことに、技術開発部門や製造技術部門のHRBPとして4年、海外製造事業体の人事として2年、本社の人事として5年、本当にチャレンジングな仕事をさせていただきました。なにより良かったことは、こう言った経験を通じて、様々な職場の従業員の皆さん一人ひとりの考えや想いを、深く理解することができたことです。これは、人事として本当に貴重な体験でした。

前職での最後のキャリアとなる本社の人事で「企画」をする際に、従業員のみなさんの「顔」を思い浮かべながら、説得力や現場感のある企画に近づくよう考えられるようになったことは、本当に得難い経験だったと思っています。(正直、あそこまで幅広い部署を経験できた人は、周囲にもほとんどいませんでした。)

そして、最後に担当した労使交渉の企画の仕事では、(結果的にはその会社での自分の仕事の集大成として、)それまで得てきた経験や感じていた課題感を全てつぎ込みました。なにより良かったことは、自分が「この人たちを救いたい!」という具体的な仲間の顔を思い浮かべて、会社としての課題を議論の俎上に上げることができたことでした。

これは、自分でも自信を持って「いい仕事ができた。やり切った。」と思えた仕事でした。また、この仕事は、成果がメディアに取り上げられたり、他社の方から「参考にさせてもらっています!」という声をいただくことも多々ありました。自分が日本のある一定の領域において、影響力のある仕事ができていることを実感することができ、大きなやりがいを感じることができていました。

やりがいを感じる仕事ができたからこそ考えた、次のステージ

労使交渉の担当をして3年経った昨年、キャリアの次のステージをどうするか本気で考えていました。次のステージを考え始めた当初は、「転職」を考えることもなく、人事以外も含めて、「この会社の中で、次は、どの職場で、どんな仕事をしたいのか」ということをひたすら考えていました。

しかし、働くというのは色々あるもので、年の途中くらいから、自分にとって、結構ネガティブなことが立て続けに起こりました。(これは、社会や会社の変化も含めた様々な要因が絡み合って起こったことで、誰のせいだなんて言う気も全くなく、今となっては仕方のないことだったなと理解しています。)

このネガティブな出来事が、幸か不幸か、「今の会社以外に、自分がもっと活躍できるところがあるんじゃないか、もっと幸せに働くことができるんじゃないか」という想い、つまり転職するという想いに至らせました。

転職活動の軸

転職活動をするにあたり、もともと大事にしていた価値観に加え、自分の軸としていたことは、

①性善説を前提とした人事ができること
②(子供を親戚の近くで育てるため)
    今の家から引っ越しはせずに
 リモートワークで働けること
③働き方が自由で、かつ自分で意思決定し
 実行できる裁量があること
④今とは違う業界、特に今後の日本にとって
 重要になるであろうIT業界であること

でした。

転職活動は正直、「順調」なんて状況からは程遠く、自分自身のこれまでの経験が、コミュニケーション、組合といった大企業特有のものに偏っていたこと、そして上記②の「引っ越しはしない」という前提がなかなか難しく、選考に落ちまくりました。(正直、「自分は必要とされていないのか…」とかなり落ち込みました。)

ベンチャー企業に決めた理由

そんな中でも、もともと一番行きたかった企業であり、たまたま幸運なつながりがあったのが転職したベンチャー企業です。他社の選考に落ちまくる中でも、選考を進めることができ、最終的には採用をいただきました。家族がいる自分には、一部条件面で難しかったところはあったものの、最終的には「今の会社に残るの人生と、新しい環境に挑戦する人生、自分が死ぬ時にどっちが『自分らしかったな』と思える人生か」ということを考え、家族にも理解をもらい、転職をすることを意思決定しました。

選考を進める中で、自分の中で決め手になったのは、転職先の会社が、

自分を一人の人間として、
そして自分の人生のことを
本当に考えてくれていることが伝わってきたから

でした。

というのも、選考の中で、「うちの会社に来ることが、本当にあなたのためになりますか?」「うちの会社で働くことが、本当にあなたの人生の幸せに繋がりますか?」ということを、繰り返し何度も何度も、面接者が変わる中でも問われたからです。これは、結構、衝撃的な経験でした。

面接を通して、自分もこんな風に、「一人ひとりに寄り添った人事」「人の人生を尊重した人事」をやりたいと素直に思いました。こんな体験を通して、晴れて僕は、35歳にして新しいチャレンジの機会を得ることができました。

前職の関係者の方々には少なからずご迷惑をおかけしましたし、新しい会社への入社にあたっても多くの方にお世話になりました。

新しいチャレンジをいただけたことに、改めて感謝の気持ちは忘れてはいけないなと思っています。





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