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#10【ノウハウ】自宅をリフォームしたい方へ ~価格構造の秘密教えます①トイレ編~

こんにちは。
一応、本職はリフォーム会社の社長なので、今日はリフォームネタを書きたいと思います。
リフォームは、価格が分かりにくいサービスです。今でこそ価格を前面に打ち出したチラシを目にする機会は多いのですが、今だに戦略上、チラシには価格を表示しない会社もあります。

またご高齢の方向けサービスなので、訪問販売も多く、いわゆる「ぼったくり価格」と言われる金額で契約してしまう方も、いまだに多いようです。

数年前に、私の妻の実家がマンションなんですけど、近くの家がリフォームしたからと、特に考えずにお風呂のリフォームをされてました。
見積もりを見せてもらったところ、見積もりは「一式」のみで、100万円と記載されていました。工事内容も明記せず、です。

それでも、義母は、「1日で終わったからよかったのよ」と満足気だったので、特に何も言いませんでしたが…

また一方で、安い金額であれば良いかというと、これもNGです。安いというのは、シンプルに言えば2択で、「会社の利益を削る」か「工事するスタッフの人件費を削る」のどちらかです。

冷静に考えて、工事するスタッフの人件費を削ることは良いことではありません。美容室とかに行って、「髪切るのは同じだから安い方で決める」とかありえます?絶対ないですよね。

工事も一緒で、当然のことながら上手・下手、気が使える・使えないというのは、「職人の質」で決まります。だから安い人件費=あまり手のよくない職人による工事、と考えるか、その金額で不満を感じながら工事する職人のどちらかですから、まぁ気分よく工事出来る訳ないですよね。

一般的にリフォームの価格は下記のように決まります。

リフォーム代=商品代+工事代+諸経費

今日はそんなリフォームの価格構造の秘密について、それぞれ解説していきたいと思います。

1.トイレのリフォームの仕組み(商品代)

トイレは、リフォームをする場所のうち1番最初に検討する部位の1つです。毎日使い汚物を流すので、掃除をしても汚れたり、メンテナンスを丁寧にやるわけではないので、水漏れしたりなど、何かとトラブルが多い部位です。トイレのリフォームの場合、かかる費用は5つあります。内訳を下記にまとめます。

1)トイレ本体(便器)
2)シャワーシート(ウォシュレット)※便座部
3)取替工事
4)処分費
5)床クッションフロア貼替

このうち、1と2は、「組み合わせタイプの便器」と呼ばれる場合、便器、便座、タンク部をバラバラに組み合わせを選んで買うことになります。主に、シャワーシートのグレードによって金額が変わります。(タンクは手洗い付きか否かで価格が変わります)
機能的には、高いシャワーシートだと、オート脱臭、オート洗浄、温風乾燥などの付加機能が付くのです。
※TOTOのピュアレストシリーズや、LIXILのアメージュZ便器などです。

また1と2が一体になった、「一体型トイレ」も存在します。
※TOTOのGGシリーズ、LIXILのアメージュZAやプレアスなど

何が違うのかというと、組み合わせタイプは、それぞれの部位を別々に発注できるので、故障した際には部位を交換すれば再使用可能です。ウォシュレット一体型の場合、便座部とタンクが一体になっているので、故障したときにコストが高くつくと言われています。

他にも高級トイレの代名詞、タンクレスタイプというものもあります。タンクレスタイプは、そのコンパクトさによってレストルーム全体を広く使えるというメリットがあります。ただし、マンションの上層階など設置する場所によって流水ブースターが必要になったりします。(これはオプションです)※TOTOのネオレスト、LIXILのサティスなど

気になる商品代の割引率ですが、ネットで見ると結構強烈な割引率とかあって、価格競争になりがちです。同じもの買うなら、安い方が良いというのは人間の当然の心理ですからね。

ちなみに、どうやって割引率がきまっているのか答えを先に言うと、商材の割引率は、その会社の仕入れ力に比例します。

例えば、年間を通じて台数をたくさん仕入れる会社には、メーカーや商社も優遇価格で卸しています。例えば、同じトイレでも仕入れ金額は会社によって10%くらいの差があります。定価の50%で仕入れられるところもあれば、定価の40%でしか入ってこないなど、そういうケースがあるということです。

これは残念ながら「規模の経済」の論理が働いています。
大手や大型仕入れをする会社に、商材の価格で中小の地元工務店・リフォーム会社は敵うはずもありません。後述しますが、リフォームをする際に同じ商品だからと言って、価格だけで選んでしまうと結果として良いリフォームが出来ずに後悔することがあることは覚えておきましょう。

2.トイレのリフォームの仕組み(工事)

さて、続いては工事部分です。工事価格は、シンプルに下記のような式になります。

工事価格=職人に払うお金+会社の利益

職人に払うお金は、地域や会社によって幅がものすごいあります。一概に、この金額!というものが無いのが現実です。ただ、私がコンサルをしている中で、比較的納得してもらいやすかった金額はあります。(ここでは公開しませんが)

だいたい、お客様にお支払いいただく金額ベースで25,000~40,000円くらいは妥当な金額、それ以下は安い!です。

また処分費も地域によって差があるのですが、最近は廃材処分費が値上がり傾向で、今後もその傾向が続くようであれば、ここは値上がりする項目になると思われます。だいたい1便器あたり廃材処分費+運搬料で3~5000円くらいでしょうか。

そしてトイレの場合、トイレ単体を取り換えるだけではどうしても不十分で、長年使っていた床部分も貼替をするケースがほとんどです。床は柔らかい素材のクッションフロアというものが一般的です、フローリングの床の場合は、このケースでは除外します。

床の貼替ですが、だいたい20,000~30,000円程度の幅になります。ただし、ここで問題なのが、トイレの工事をする水道業者と、床の工事をする内装業者の2職種が同時に入る場合です。

実は、同時に2職種入ると、最初にトイレの取り外しをした後、トイレの工事を行う水道屋さんは、床の工事が終わるまで待ちぼうけ・・・という状態になるのです。でも、時間的拘束は発生するので当然金額は1日分かかります。
「えー、じゃあ床の工事やる人がトイレ付ければいいじゃない」
という発想もありますね。確かに、そういう工夫をしている会社もありますが、やはり餅は餅屋。トイレは水漏れリスクなどがあるので、配管のプロにお任せするのが一番安心です。※中には内装業者の方で、努力してトイレ工事が出来るようになっている職人さんもいます。そういう方に工事してもらえたら、超ラッキーくらいの気持ちでいいでしょう。

上記をまとめると、大体トイレ取替にかかる金額として
商材で100,000~300,000円くらいの幅があります。

工事は、取替と床工事合わせて、45,000~60,000円くらいでおさまるように思います。

中にはもっと安い金額でやれる!という会社もあると思いますが、実はこの値段感覚は、業界の将来も考えるとこのくらいであるべきだと思っています。

今、建築業界は若い人の成り手がおらず、超人手不足状態です。昔は中卒・高卒で鳶や土方、建築系の職人の修行に就いたというケースもありましたが、その就職形態が今本当に少なくなっています。

若いうちは修行して苦労すべきだろ!というのは昭和の発想で、若い人はなるべく早く成果を出して、なるべく早く稼げる場を就職先として選ぶのです。だから、高卒で一番人気は「工場」なんです。時間だけ働いて、残業代も付く、なんとなく安定しているというところで、働きたがるのです。

リフォームは、政府の方針としては伸ばしていきたい市場と言われています。そんな業界だからこそ、本来なら若い人がもっと稼げて夢のある職場になっても良いだろうというのが僕の想いです。

なので、何でもかんでも安売りの時代ではなく、技術価値を売る時代として、上記くらいの金額を適正として業界に浸透していけばいいなと思っています。

3.結局どこに頼めばいいの?

では、トイレをリフォームする際に、どこに頼めばいいのか、まず頼める先がどの程度あるのかを知りましょう。
トイレリフォームを頼める先は

・地元の水道屋
・大手家電量販店・ホームセンター
・家を建てた工務店・ハウスメーカー
・ネット業者
・リフォーム会社

くらいでしょうか。

この中でネット業者は、直接その会社が工事するのではなく、手配代行サービスを提供している会社です。要は中間に入って、リフォーム会社の代わりをしてくれるイメージですが、直接訪問して採寸するのは下請け工事店になります。
大手家電量販店・ホームセンターは、価格訴求型で、トイレ工事単品をやるだけなら価格メリットが最も大きいと言われます。一般的にパックと言われるパターンをセットにして値付けをしていますが、パックプランから外れた際には機転が利きにくく、金額が上がると言われています。
あとは地元の水道屋さんも親切なところが多いのですが、会社自体が高齢化しており、昭和なムードと将来的に会社の残存を心配があります。
一般的には、「リフォーム専門店」にお任せするのが良いと思います。トイレ以外にも、家は老朽化しますし、1度依頼した会社に継続依頼すると効率が良いのがリフォームサービスなので、長期的にお付き合いできる会社を選ぶと良いでしょう。

今日はここまで!

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