マーケティングを始めてみた話(後編)

前回のマーケティングを始めてみた記事の後編になる。

今回はマーケティングの業務そのものがどういう特性があるのか、忌憚なく書いてみたい。
※ちなみに、所属組織への体質批判・文句ではなく、あくまで、個人として感じたこと、考えていることとして、捉えていただければ幸いである。

1. 結局、何がいちばん地味かって話

前編では全く触れなかったが、マーケティング業務って何が地味なの?という話をしていきたい。

大きく3つの観点で展開していきたいと思う。

1. 目の前に客がいない
2. データこそがミカタ
3. 調整 is セクシー
4. 成果こそ胃薬

1-1. 『目の前に客がいない』

マーケティングの計画はどのように立てられるのだろうか?

新規事業の場合、このサービスがどのように市場優位性があるか、とるべきポジションはどこなのか?など、SWOT分析など行うことが多い。
既存事業の場合、このSWOTはやったりやらなかったりする。
※すでに、方針が定まっているパターンが多いからである。

その後、サービスとして狙うべき顧客を定め(ペルソナ設定)、その顧客がサービスを契約するまでに、どういったコンテンツを踏んでいくかを定義する。(カスタマージャーニー)

この作業、何があれかというと、顧客が全く見えないのである。
完全に予想・シミュレーションでしかない。

当然、当てずっぽうにやるわけにもいかないので、使えそうなデータ、

例)企業属性なら
これまでの取引実績からの割合
・企業規模/上場非上場/売上規模/部門・部署
例)サービス属性なら
・初回契約で多いサービスは何か?/その価格/
・一番売りたいサービスにたどり着いた顧客はどういったプロセスで受注していただいたか

などなど、とにかく手元にあるデータを駆使して、マーケティング業務その前に、売上までのプロセスでどこに手を加えるべきかを見定める必要がある。

初心者マーケターにありがちなポイントとしては、とにかくコンテンツを増やしたり、露出を増やしたり、といった、足元の戦術や施策に目が行きがちである。
ただ、マーケティングの本質はサービスを売れる仕組みを整えることにあるので、核となる戦略に筋があるかどうかが極めて重要になるのだ。

この計画を立てるためのデータが多ければ多いほど、正確であればあるほど、戦略の確度が上がる。

ただし、顧客も人間、生き物、感情を持っていて、完全にロジカルには生きていない。過去実績を見たときに、
・なぜそういった行動を取ったのか?
・なぜこのサービスから契約いただいたのか?
本当のところはわからず、予想・想像・妄想するしかないのだ。

1-2. 『データこそミカタ』

そんな中でも計画を立てる必要があるので、とにかくデータと向き合わなければならない。日々なんらかのデータを見て分析しているといっても過言ではない。

あらゆる企画を立案し、良い感じの広告を企画し、のようなイメージとはまるで違う。
ブログひとつ書くにしても、
・なぜこの内容なのか?
・どのようなキーワードを狙うのか?(SEO)
・読んだ読者はどういった感情になり、どのように態度変容して欲しいのか?すると想定しているのか
・そして、その判断は何に基づいているのか?

こんなことを常に問われている。
案外地味でしょ?

1-3. 『優秀なマーケターはスーパー調整マンだと思う』

さて、戦略ばかり語っていられないので、戦術決めて実行をして行こう。

と、なりたいじゃん?
ところがギッチョン、世の中そこまで上手くできてない

マーケティング部にいると業務時間の8割は他部門と調整している。

サービス部門へのコンテンツ作成依頼
企画日程の調整
他社(広告代理店等)との調整
経営層との期待値調整

挙げ出したらキリがない。
枚挙にいとまがない。

RPA時代、先輩プログラマーに
「優秀なPMってどんな人ですか?」
と、聞いた事がある。

「問題が全く起こらないんだよ。だから凄い!って実感は湧きにくいんだけど、事前に全部潰してあるの。それが本当にすごい」

優秀なマーケターにも同じ事が言えるような気がしている。

だいたい企画が躓く時は、調整がうまく行かない時。

原因は色々あるが

  • 単純に時間を取ってくれない
    →相手忙しすぎ問題

  • 着手してくれない
    →メリットが伝わってない

  • そもそも信頼を得ていない
    →え、それってあんた(マーケ)の仕事でしょ?

まぁ、他にも色々ありすぎるけど、
こんなところに対して、なんだかうまく行くように立ち居振る舞っている。

普通に凄い。

いつ企画やってんだ?って思う。
本当に。

1-4. 『成果は胃薬』

これは正直、経験によって感じ方が変わるな
って最近は思ってる。

マーケ初心者の頃(今もそうだけど)は、
そもそも成果ってなんなんだ?という気持ちだった。

セミナー施策で例えると
企画から始まって、実施するまでにだいたい2ヶ月くらい。
で、セミナー後はリスト集計してセールスにパスするが、その間にも他のセミナーを何個も準備している。

そのため、いっこいっこのセミナーの成果(商談や受注)ことなんか追ってらんない。

と、思っていた時期がある。
ぶっちゃけ今もそうだけど。

ただ、一定こなせるようになってくると、余裕が出てくるので、トスアップしたその後が気になってくるようになったのは割とここ最近の話。

なので『成果を感じづらい』のは経験によるところが大きいのではないか?というのが最近の持論である。

2. 結局マーケティングって楽しいの?問題

と、言ってはみたけど、
究極的には仕事楽しいですか?問題な気がしてきている。

このnoteを書き始めた頃(もう2年も前)は
マーケティングが楽しいかどうかに視点を置こうとしていたが、実際は感じていた部分は違ったのかも知れない。

仕事を通じて、自分が何に貢献できているのか
を実感できているか否か

その所属コミュニティの中で、
生きたいと思えるかどうか

その中の役割や武器としてマーケティングが自分にフィットするかどうか?

な気がしている。

きっとこれは5年後くらいに考えが変わっていそうだな。

3. 結局なんの話だっけ

RPAコンサルをやめて3年。
マーケティングを始めて3年。

楽しいのかどうなのか結局いまだに分からずいる。

ただ、なんとなく山頂からの眺めって良さそうだなと思うのと同じで

マーケティングの視点からビジネスを見ていく楽しさってきっとあるんではなかろうか?

それを気づく30代として行きたい。

あとがき

後編を下書きに入れて1.5年経ち、
結果何が言いたいかよく分からない感じになっているが、まぁ、書いているっていう行動は悪くないのかも知れない。

知らんけど。

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