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あなたと同じ場所に立って「ありがとう」と言う

昨日、近所で大学時代の友人とお昼ゴハンを食べてきた。友人とその娘、僕と妻の合計4人。友人と僕の妻ははじめまして。ゴハンを食べたのは、とある小さな山の頂上あたりにあるカフェ。外を眺めると山々が、その先遠くには少し日が差しきらきら光る相模湾が見える。

とりとめもない話をしつつ、久々の会話を楽しむ。そんな時間も終盤に差し掛かった頃、友人はこんなことを言った。

「この10年くらいの中で、今のきたむが1番自然だね。◯◯ちゃん(妻)のおかげだね。きたむを幸せにしてくれてありがとう。」

その言葉を聴いて、その瞬間はなんだかうれし恥ずかしな感じ。ただそれを後になって振り返ると、なんだかじんわりとスゴイ言葉だなとおもったのだ。

友人である彼女が、「ありがとう」と僕の妻に言う。きっとそれは、僕の過去十数年の一部を知っている身として、過去の喜びや悲しみの一部を感じていた身として、言った言葉だ。同じ場所に立ってくれていた人からしか、出ない言葉だ。同じ場所に立とうと思ってくれていた人からしか、発されない言葉だ。

僕は、咄嗟にその言葉を言うことができるだろうか。いや、そんな簡単には言えないだろう。そんな言葉を、自ら言える人になりたいものだなあと感じた。これだよ。こういうことがあるから、生きてるって面白いのだ。

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