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A Look Back On MAREAM

どうも、ライターのYuki Kawasakiです。今回もGH STREAMINGのダイジェスト企画として、これまで配信に出演してくれたアーティストに改めてフォーカスします。第6回目の今回は、“A Look Back On MAREAM”ということで、現行テクノシーン屈指の新鋭をピックアップ。昨年の1月に今は無きContactで開催されたイベント「WOVEN」に出演されたときの動画を紹介しつつ、そのアーティスト性にもフォーカスできればと思っています。

彼女に転機が訪れたのは、2018年に開催された「S2O Festival」。DJ・クリエイターオーディションにおいて、MAREAMはクリエイター部門の1位として同フェスに出演。日本のフェスシーンではまだテクノよりもEDMが断然力を持っていた当時、彼女は今と同じくテクノをメイン・ウエポンとしてステージに立ちました。その後2019年にはオランダ・アムステルダムの「ADE」に招聘され、2020年にはHiroyuki Arakawaが主宰するレーベル〈SPECTRA〉からフルアルバム『0 to X』をリリースし、本作のリリースパーティは渋谷のasiaをはじめ全国津々浦々をまわるツアーとして開催されました。

余談ですが、以前私がインタビューさせてもらったとき、彼女はLen Fakiの名前をインスピレーション源として挙げておりました。昨年クローズしたVISIONの人気パーティ「TECHNO INVADERS」ではレジデントDJとして活躍し、石野卓球やケン・イシイ、Shinichi Osawaなど数多くのレジェンドと共演を果たしております。

そして2021年、MAREAMは衝撃的なリリースを発表しました。それが、DJ Hausが主宰する〈Unknown To Unknown〉のサブレーベル〈Dance Trax〉から発売された、3曲入りのEP『Fancy Dome』。Hugo MassianやEstella Boersmaなんかもここからリリースしてますから、ついに彼女はグローバルなシーンへ本格的に進出していったわけです。その後、コロナ禍の影響を受けながらも再びヨーロッパへと渡り、主にベルギーで開催されるイベントに出演しました。そこでは、Jay LumenやMarco Baileyというガチ・オブ・ガチなメンツとの共演が待っていたわけです。コロナ禍のただ中にあって場数を踏みまくっていた。しかもこの『Fancy Dome』、表題曲はテクノの一大拠点〈HATE〉でもフィーチャーされてますから、文字通り世界中に周知できたわけです。

で、もうひとつですね、Dance Traxのリリースに関してお話しておきたいことがあります。『Fancy Dome』の前に同レーベルからリリースされた、Ewan McVicarのEP『Punch The Wall』にですね、MAREAMはリミキサーとして参加してるんですよ。目下UKを中心にバズり倒してるEwan McVicarです。見ましたか、昨年のCreamfieldsを。万人規模の会場で「Tell Me Something Good」の大合唱が起き、まさしくステージに人生を置いてくるようにパフォーマンスを行った彼の姿を。彼にリミックスを提供したことは、『Fancy Dome』のリリースと同じくらい騒がれても良いと思いますね。Rufus & Chaka Khanによる「Tell Me Something Good(1974年)」をカバーした同楽曲は、Patrick Toppingの〈Trick〉から発表され、2023年3月の段階でYouTubeにおいて922万再生を記録しています。

で、昨年の12月~今年の1月にかけてデジタル版とフィジカル盤の両方がリリースされた、Ken IshiiのWHITE & BLACKにリミックスを提供。HIROSHI WATANABE、A. MOCHI、Q'HEY、RISA TANIGUCHI、SEIMEI、HERBALISTEKらと共に超豪華ラインナップに参加しております。このリミックスの内容も素晴らしかった。

…ということで、渋谷のEnterでも度々出演しておりますので、今年もぜひ彼女の動向を追ってみて下さい。まだまだ飛躍するアーティストのひとりです。


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