A Look Back On Risa Taniguchi
どうも、ライターのYuki Kawasakiです。今回もGH STREAMINGのダイジェスト企画として、これまで配信に出演してくれたアーティストに改めてフォーカスします。第8回目の今回は、“A Look Back On Risa Taniguchi”ということで、現在進行形で日本から世界のテクノシーンに打って出ているDJ / プロデューサーにフォーカスします。
3月末~4月にかけてヨーロッパツアーに出ておりまして、トルコ、ドイツ、オランダを巡り、ついに人気プラットフォーム「HOR(ヒューアー)」にも出演。以前から活躍の場をグローバルに展開している彼女ですが、最近はさらに精力的のように見えます。パンデミックの影響もあり、ほとんど3年間は海外で思うように活動できなかったこともあって、ご本人としては「やっと」という思いなのかもしれません。
ベースミュージックを軸にDJされていた時期もあるのですが、現在のRisa Taniguchiのスタイルはテクノ。バルセロナのレーベル〈Clash Lion〉から2018年にEP『Ambush』をリリースして以降、本格的にヨーロッパへ進出していきます。翌2019年には、Pan-Potが主宰する〈Second State〉のコンピ―レーションアルバムに楽曲を提供しました。このレーベルからリリースした関係で、同年にはADEのパーティの一環として開催されたショウケースにも出演します。そのイベントではPan-Pot2人のほか、JoyhauserやMichael Klein、Anfisa Letyagoなどが出演しており、シーンの重鎮と注目の新鋭が両方出るような内容でした。
そしてついに、2020年には同レーベルから初のEP『How We Dance Again』をリリース。Charlotte de Witteをはじめ様々なアーティストにプレイされ、ビッグリリースとなりました。それから現在にかけて破竹の勢いで活躍しておりまして、昨年11月にはChris Liebingが主宰する〈CLR〉からEP『Acid Flesh』をBlack Asteroidと共同名義で発表します。リリースしたレーベルを並べれば、もはやグローバルなトップ・オブ・トップの領域に差し掛かっていると言って差し支えないでしょう。今年に入ってからも、Dense & Pikaのオフシュートレーベル〈Kneaded Pains〉から音源をリリースしています。
レーベルカラーの影響もあるでしょうが、Second StateとCLRのリリースではニュアンスが違うのが面白いですよね。フロアボムトラック的な派手さのあった「How We Dance Again」に対し、派手さは残しつつもミニマルなグルーヴで推進してゆく「Acid Flesh」。それが彼女の現在地や成長過程を表しているようで、今後の制作も非常に楽しみになります。
で、冒頭にも書いたように、これらのリリースの後にヨーロッパツアーへと繰り出すと。コロナ禍の影響はあったにせよ、楽曲のプロデュースで存在をアピールし続けられたのはアーティストとしての強さを感じますよね。“怪我の功名”と言うには失ったものがあまりに多すぎた3年間ですが、「現場」が閉鎖されたことによって音楽プロデューサーの再評価に繋がった点では有意義だったと思います。
昨晩は渋谷のEnterに出演されておりましたが、明日5月5日(金)は同じくWOMBで開催される「SECTOR」に、5月6日(土)には札幌のACID ROOMのパーティにもラインナップされております。GWも引く手数多ですね。現場に行かれる方はワールドクラスなDJを楽しんでいただければと思います。
なお、5月20日(土)にはWOMBの「NEURON」への出演も決定しているとのことで、そちらもぜひチェックしてください。
以上、“A Look Back On Risa Taniguchi”でした。それでは、また。