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これ以上学校の負担を増やさせない。「セナカ」をリリースする理由、そして僕の思い

■最終編集日:2022/05/19

はじめに

※注意
本noteは僕が夜中にセコセコと書き溜めていき、10000字までいってしまった内容を削って半分程度まで持ってきましたが6000字です。笑
飛ばしながらサクッと読んでください…

こんにちは!

井端裕輝(いばたゆうき)です。

僕たちは今、自分のスケジュールを投稿するソーシャルメディア「Cenaka(セナカ)」を開発しています。
※ミッションは変わりませんが、サービスリリース順序を変更したため、現在こちらのリリース予定日は未定(2022年現在)

(こちらのnoteでサービスについては簡単に説明させてもらってるので良ければ先にどうぞ!)

僕たちはこのCenakaを皮切りに、
日本の学校教育のアップデートを目指して進んでいきます。

このnoteでは、僕たちがなぜこういったサービスを始めようと思ったのか、その背景を詳細に書いています。

前半では、元小学校の先生である僕が感じた日本の学校現場の現状、そこからなぜソーシャルスケジュールメディアをつくるに至ったか、後半ではそんなビジョンに共感してくれたCTOについて、最後に三人目の仲間の募集に関して説明させてもらえればと思います。

日本の学校現場の実情

【まとめると】

・日本の教師は「世界一忙しい」教師

・教員を志す人も減ってしまっている

昨今、教育問題はメディアでも多く取り上げられますが、実際に日本の学校現場は様々な課題を抱えています。

【学校現場における様々な課題】

①止まらない教員の多忙化

②時代のニーズにより仕事を投げ込まれ、捨てられず増えていく業務範囲

③少子化や核家族化、情報化等の経済社会の変化や、人間関係の希薄化などによる、地域社会や家庭における「教育力」の低下の負担・・・etc

実際自分も現場で3年働きましたが、毎日7時には出勤し21時に学校を出て、土日のどちらか、もしくは両日出勤して仕事をする日々でした。

過労死ラインと呼ばれる80時間を何度も越えまくってしまい、教務主任の先生にも幾度釘を刺されたかわかりません。笑

そしてこれは別に自分が働きすぎとかではなく、周りの先生も多くがその状態でした。

実際、文科省が平成28年度に行なった教員勤務実態調査では調査対象になった中学校教諭の約6割が過労死ラインを超えているという、恐ろしいデータも出ています。

国際的に見ても、2018年に行われたOECD 国際教員指導環境調査(TALIS)の報告書により日本の教員の1週間当たりの勤務時間は、参加48ヶ国中最長(日本56.0時間 、平均38.3時間)だということがわかっています。

日本の教師は「世界一忙しい」教師です。

上記にあげてきた部分が必ずしも影響しているとは限りませんが、実際に新しく先生を志す若者の人数が減っているというデータも出ています。

採用競争率の低下は、直接日本の教育の質低下に繋がります。

労働環境も含め学校を取り巻く状況が改善に向かっていかなくては、採用の倍率を上げる材料は一向に現れません。

学校の相対的地位の低下、拡大し続ける仕事の守備範囲が先生を苦しめている

ここまでは、分かりやすく数字に現れる部分を中心に実情を上げました。

次では僕も実感した、今の日本の教育に関する問題で最も深刻だと考えている部分を挙げます。それらは分かりやすく数字には現れていませんが、現場の先生をかなり苦しめています。

「今日の教育問題の最も深刻なところは、子どもは教師の指導を受け入れるものだということがすでに事実認識として成り立たないばかりではなく、規範としても成り立ち難くなっている点にある」

「その自体は個々の指導場面でも生じているし、学級崩壊や不登校としても現れている」

水本徳明,2006,「スクールマネジメントの理論」篠原清昭編著『スクールマネジメント-新しい学校経営の方法と実践』ミネルヴァ書房,27-42.

時代は変わりました。

学習塾や教育産業の台頭に加えて、インターネットやスマホ、SNSの登場によって、子どもが学校に来る意味が問われているだけではありません。

今は、学校内外の環境変化により、学校の存在意義が問われ、学校や教師の持つ専門性や社会的意義を容易に想定できなくなってきた時代にいます。

いわば、学校に対して子どもや親が無条件に付いてきてくれたのは、
日本にある種のロールモデル(良い大学に入り、良い会社に入って定年まで勤め上げ退職を迎え、余生を過ごす)が存在していた時代までです。

要するに、自分の寿命の範囲内の「大衆の生き方の答え」のようなものが見えていた時代だったからこそ、学校の存在意義は明確であり、先生たちはロールモデルから逆算的に多くの子どもたちを導け、子どもたちも親もそれを信じて向かっていけました。

しかし今、そのロールモデルは消失しました。

・テクノロジーの進化がもたらしたライフスタイルの多様化、並びに企業寿命の短命化

・少子高齢化社会という国の状態により、老後提供される年金額の減少

・寿命の長期化(人生100年時代)

といった影響を受けたからです。

ロールモデルがなくなった今、先ほど紹介した"先生たちは逆算的に多くの子どもたちをその道に導け、子どもたちも親もそれを信じて向かっていけた”という、いわば社会的背景から無条件で成立する信頼関係は通用しなくなってしまったのです。

当然ですが、信頼関係が低下すればより良い教育を行うことは困難になります。今一度、先生の能力と現代のニーズを照らし合わせ、何を教育現場に任せるのか見直すことが必要になっています。

しかし、そのような難しい状況下にも関わらず、学校の仕事は学制頒布から70年以上経て拡大し続けています。

先生「教育の難易度は上がっている、なおさら教師は勉強して今のニーズに合わせていく必要がある、だから自身で学びを深める為にもある程度の時間は必要だ、しかし仕事は増えていく・・・」

このような状況の繰り返しです。

1996年に「学校のスリム化」を目指し、学校の範疇での本業に専念できるよう進めていった結果、失敗しました。

週休5日制は実現されたものの、家庭や地域社会が子供の受けさらになり切れず、一方で学力低下の懸念が社会全体を多い、「ゆとり」が問題視されました。

この結果、学校はほとんどスリム化されず、懸念から結果的に授業時数も教育内容も増加し、当然ながら多忙化しました。

そこから現在まで様々な業務が追加されていきました。体験活動が重視されたり、学科課程の拡張や学校組織の改造に伴い、従来学校の任務とは全く考えられなかったような活動をやっていたりするのです。

最近だとプログラミング学習が増えました。
もちろん重要な内容だと思います。しかし、そのプログラミングを教えるために勉強するなど、また先生の時間を奪っていっています。

学校は問題なく運営されているのではありません。
無理をし続けているのです。

勤務時間も含め、長期にわたって学校に負担がかかっている状態を僕は元教員としても看過できません。

今、本質的な学校改善の必要性が高まっています。

学校の「無境界性」に歯止めをかける

社会で継承されている事項、重要だと考えられている事項は何事も学校教育へと変えられやすいです。

しかし、当然優先順位はつけなければいけないし、その当たり前の感覚を国や社会、そして僕たちが持たなくてはいけません。

そうすることで、学校が担うべきことと、担わなくても良いこと、学校が担うとしたら社会が担保すべきことが見えてきます。

学校の広がりすぎてしまった守備範囲を、テクノロジーの力を借りて丁寧に解体していきたい、僕は自身の経験を参考に、上記の中から「担わなくて良いこと」「そして担うとしたら担保すべきこと」に対して仮説を立てました。

そんな中考案したサービスが、Cenaka(セナカ)です。

まずはこのライフスタイルの多様化が進んだ現代において、明らかに現場の先生と相性が悪い「進路・キャリアに対する具体的な指導」業務を外してあげたいと考えました。

Cenakaというサービスを通じて様々な進路・キャリアを生きる方々に「教科書化」してもらい、それから直接子どもが学べるような環境をつくります。

進路・キャリアに対する指導を具体的に行うほど、聞く側からしたら
「何を言っているか」より「誰が言っている」かで心への響き度は変わります。
(サッカー選手になりたい子どもに、サッカーをやったことのない先生にアドバイスされるより、本田圭佑選手にアドバイスさせる方が説得力があるのは自明です)

様々な価値観を持つようになった子供に対し、
すでに目標や好きなことを見つけられた子供には、このサービスを学校の先生が勧めて、直接その道に進んでいるプロの生き方を参考にしてもらう。

しかしそれで先生の仕事がなくなるわけではありません。
まだ、自分の好きなことや目標を見つけられていない子どもがクラスに必ずいるはずです。そういった子どもに、先生は直接寄り添ってサポートしてあげることができます。


そんな使い方ができるサービスになっていくことを目指しています。

学校は、聖域的な部分があります。
外部因子を快く受け入れる体質ではありません。

(以下の記事はEdTechを志す人向けに書かれていますが、なぜ学校を相手にするサービスは難しいのか、その辺がうまくまとまっています。よければ読んでみてください)

僕は、今でも学校の先生と繋がらせていただいています。
そして、このサービスを「子どもに勧めたいサービスまで持っていくにはどうしたら良いか」今後も直接先生方にヒアリングしていきます。

学校現場のアップデートを行うにしても、「元教員が現場の実情を見た上で」という部分が必ず役に立つと考え、進んできました。

今までのキャリアと周りの環境を最大限に生かし、学校教育改善に邁進します。

Cenakaとはどのようなサービスか

サービスについては、以下のnoteにて画像多めで簡単に解説しています。
よければご覧ください…!

「心から面白いサービス」とLINEをくれたCTO

現在C, Inc.メンバーは私と植村(CTO)の2人です。(2020年6月中に法人化します)

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アドバイザー多いと思った人がいるかもしれませんが、日々の出会いの中で「優秀だな…」と感じて、かつ僕たちの想いに共感してくれた人をどんどん口説いています。笑 日々、貴重なアドバイスをもらっています。

3年くらい前に、僕はこのサービスの初期案を考案しました。

それから準備を進めてきて、大まかなロードマップが引けた去年の11月ごろ、そろそろイケる!と思いました。
その後すぐに友人のT氏に話をし「どうしてもこのサービスを作りたい…」という想いを伝えたところ、「できるやつを紹介する」ということで、知り合いのiOSつよつよエンジニアを紹介してくれました。

それが現在のうちのCTO、植村です。

渋谷の居酒屋で2回くらい飲みながら口説き、ジョインを決めてくれました。

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まだ想いしかなかった僕に付いてきてくれた植村含め、周りの手伝ってくれている、興味を持って応援してくれている人たちにも必ず良い景色を見せてあげたいと思い、毎日頑張っています。

教育にアツい方、ぜひ交流しましょう

たくさん書かせていただきました・・・
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!

僕たちは現在、多くの周りの人たちに支えられています。

最近では、法人化前にも関わらず通過率10%以下の時もある、コラボレーションコワーキングスペース「avexEYE」へのジョインが決定しました。
こちらはリクルート時代の先輩のご支援もあってのことと思っています。

そのため僕たちは今月法人化後、avexさんをメインオフィスにしばらくさせていただき、初期ユーザーの獲得施策など、avexEYEによる様々な支援を背中に受けつつ、より事業を加速させていきます。

今メンバーになってくれれば、表参道のおしゃれなオフィスを使えます(ボソッ)

代表の僕に至っては、正社員として勤めている会社があるのですが、こちらの会社は全面的にこの事業をバックアップしてくださっており、1週間のほとんどの時間を事業開発に当てさせて頂いています。(本当に感謝しています)

信じてくれている人たちには、必ずや事業を大きくし、目指す世界を実現させていくことで恩返しをしたいと思っています。

もし学校教育のアップデートを目指す事業に興味があったら是非Facebookのメッセンジャーで気軽にメッセを送ってくださると嬉しいです!

具体的にもっと話してみたいと思っていただけたら、zoomで話しましょう〜!

ぜひCenakaを応援してもらえたら嬉しいです!

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C, Inc.について

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Cenakaの最新情報はこちらで

2020/06/06追記(絶対noteを書いた時点で共に公開したほうがよかったのすが一旦そこは忘れます)

Cenaka公式LINEアカウントを作りました!

最新情報×「#公式とは」と思ってしまうような人間らしさ(開発中に思ったことなどのメッセージ)

で運用していきます!

β版では先行ユーザーとして、人数を制限した形でのリリースを予定しております。

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「スケジュールを共有する世界が来ることで、今後どういう体験を行えるようになるのか」

いち早くその世界を確かめてみたいと考えている方には登録をお勧めしています!
事前登録の開始など、サービスに関する最新情報はこちらでお待ちくださいー!開発頑張ります!

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連絡先

y.ibata@inc-c.co.jp

C, Inc.代表:井端裕輝

ありがとうございます!いただいたサポートは書籍代に充てさせていただきます。(本が好きなので)