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帽子をめぐる冒険

軍隊や警察における、「略帽」の話。

もう4、5日前のことだが、東京は渋谷の宮益坂前交差点でユーチューバーを名乗る2人組に声をかけられた。
2人とも、おそらく20代半ばから後半くらい。日本人なのか日系人なのかは不明。
マイクを持ちカメラに向かって話している方が白いシャツを着て目立っており、もう一人は友人なのか事務所スタッフなのかは知らないが、黒っぽい服を着てビデオカメラを回していた。

4つ質問させてください、

①日本の敗戦の日を知っていますか
②原爆投下は何月何日ですか
③原爆投下についてどう思いますか
④映画「オッペンハイマー」は観ましたか、あるいは観に行くつもりですか

もう、最初の一つ目から「なんだかなあ!」感炸裂で、どうせ8月15日とでも答えさせて「日本人は無知です!」とでも言うつもりなのか。ここはビシッと言わねばな、ということで「8月15日と言う答えが欲しいのだろうけどそうではなくて、実際はミズーリ号の甲板で重光全権大使が終戦の書類にサインした日。9月の…… 9月の…… 」ヤバい出てこない。
ええと、「とにかく9月!昔ペリーが来た時と同じ場所に船留めて、やったんだよ降伏式典を!」と、なんとも恥ずかしいこととなった。本気でスルッと抜け落ちていた。後で調べてみると、9月2日だった。

時系列をはっきりさせておくと、8月15日には昭和天皇の玉音放送が流れ、敵勢力からの攻撃も止んだのでここを終戦の日だと思い込んでいる方もいるだろうが、実はこの日はあくまで「戦闘行為停止を双方が申し合わせた」だけの日。別途9月2日に、ちゃんとした式典を行い国際法的に勝者と敗者が確定したわけだ。

明確に答えられなかったことが悔しくて、彼らと別れた後すぐにググって調べた。そうそうこれだよ、と言うことで、降伏文書調印式についての動画も何度も見直した。カラーの動画が残っている、こりゃ、負けるよな、という中で思い出したのが、帽子の話だ。

どうして連合国側は「ちゃんとした軍帽」をかぶってるのに、日本だけ全員、「略帽」?「戦闘帽」?なんだ?

帽子に注目


マッカーサー以下、艦上を埋め尽くしたアメリカの軍人さんは、みんな「ちゃんとした軍帽」をかぶっている。
何か、取り決めでもあったのか?あるいは、日本側はあえて意図がありこれで参列したのか?儀礼上連合国側に失礼ではないのか?いやむしろ、連合国側はなぜ略帽じゃないのか?そもそもあちら側には略帽なんてあるのか?グリーンベレーと言うけれど、ベレー帽がそれなのか?なら、なぜ日本と、中国もそうだな見たことがある、その辺りはベレー帽ではなく略帽、戦闘帽なのか?いわゆる「ドゴール帽」は、どっち側なんだ?

多分中学校の辺りだと思う。歴史の授業でこの降伏文書調印の写真を見た時から抱いていた疑問。当時はWikipediaどころかそもそもインターネットもなく、図書館で調べても分からず。詳しい人、と言っても田舎のミリオタ、しかも同年代の人にしか話を聞けず、不明。ずっと疑問だった。本屋に行ってもそのような書籍はなかったと思う(見つけられなかっただけかもしれないが)。
今思い返せば、最近の警察官も「ちゃんとした制帽」をかぶっている人はあまりいなく、いわゆる略帽だな、ということにも気がついた。

あれは、「略帽」なのか?あるいは正規の軍装の帽子もしくは正規の警察官の制帽なのか?公式の場でかぶるべきものなのか?

ここから、帽子をめぐる冒険がはじまった。何故、9月2日に日本側は陸海軍とも略帽で臨んだのか?そもそも、略帽とはなんなのか?現代の警察官の帽子が略帽に変わったのはいつで、何が契機となったのか?

今まさに、これから調べてやろうかと言う気分。何らか情報をお持ちの方がいらっしゃれば、是非ご教授のほど、お願い致したい。

明日は、国立国会図書館に行って調べるつもりだが、あそこは最初から「どの本を読みますか」と言うシステムなので(完全閉架。指名して持ってきてもらう)、まずはそれらしき本をピックアップせねば。

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