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インスリンを忘れた。出張でのヒヤリ体験と周りの人に救われた話。
こんにちは。
糖尿病の料理家の土岡由季です。
8月のお盆前に香川県に足を運び、
前回こんな記事を書きました。
https://note.com/yuki_healthtable/n/nfdf1246b9581
![](https://assets.st-note.com/img/1692684713183-Oepol9Q28t.png?width=800)
一見、順調に見えるたであろう香川出張。
でも裏では、とんでもないヒヤリ体験
(原因は私の凡ミス)が起きていたのです。
———-
空港についてすぐのこと。
サンドイッチを食べようと、
いつものように薬(インスリン)を取り出すと…
残量が、ほぼない。
※1型糖尿病患者の私にとって
インスリンがない=食事を取れない、を意味する。
家の冷蔵庫にストックはあるも、
帰宅するのは4日後。
あ、詰んだ…。
![](https://assets.st-note.com/img/1692684897445-mKmvTxWVvR.png?width=800)
そんなこんなでスタートした香川出張。
大切な薬を家に忘れること自体、だいぶ恥ずかしい出来事ですが、それでも、たくさんの気づきと伝えたいことがあり、記事にすることにしました。
全然平気(それが最初の救い)
空港で途方に暮れていた矢先、今回の出張にご一緒させていただいた齋藤潤一さんが到着。
待ち合わせ場所に行くと、
お〜!と超さわやかな笑顔で話かけてくれる。
私:今日からよろしくお願いします!
(そしてすぐ、珍事件発生の旨を伝えた)
私:すみません。
早々、大きなミスをしてしまいました…。
インスリンの残薬がほとんどない状態で、このままでは夜以降、食事ができません。現地の病院でインスリンを処方してもらう必要があります...と。
すると、齋藤さんから、思いもよらぬ言葉が。
こうしたアクシデント、大好物です。
もちろん、アクシデントなんて本当はないほうがいい。でも笑顔で、前向きな言葉を言葉をかけてくれたのでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1692632698097-hmgbYnpCkq.png?width=800)
病院探し。
当日は夕方に時間があり、
周辺の病院に行けたらいいね、という話に。
でも、インスリン注射は、
どこの病院にも置いてあるわけではありません。
大学病院や市民病院など病床数の多い施設、
糖尿病の専門の先生が在籍する病院でないと、
取り扱っていないのです。
まず糖尿病学会の専門医一覧から検索しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1692633002375-jw6K0ivayy.png?width=800)
ここで、早速壁にぶち当たります。
目的地とする場所の周辺で、1件もヒットしない。
つまり、周辺に糖尿病専門医が
いない環境だったのです。
すぐに戦略を変え、Googleを使用することに。
「糖尿病 病院 〇〇(目的地の地域)」で検索すると、数件の病院がヒットしました。
電話をかけまくる。(が、どこも門前払い)
木曜日だったことと、
お盆前というタイミングが最悪でした。
午後の診療は「完全予約」のため受け入れできません、と多くの病院に断られる。さらに受け入れたいが、新規の人に処方できるインスリンのストックがない、という病院も。
私にとっては緊急事態で命に関わることだけれど、一個人のために特別対応してくれる病院は、なかなか見つかりません。
結局、10件近く問い合わをしてようやく...
診察とインスリン処方をしていただける病院に
出会えました。
![](https://assets.st-note.com/img/1692634273502-T3R3VVoqiR.png?width=800)
病院をあとにし、コンビニのベンチでほっと一息。
病気が故に、周囲に迷惑をかける。
この記事を読んで、自分の命にかかわることなのに、大事な薬を忘れるなんて!と叱る人、小馬鹿にする人、笑う人が、きっとたくさんいる。
自己責任、自分のミス、自分のせい。
全部合っている。
未然に防げたといえば、ごもっとも。
でも、命に関わるからと、
全部を完璧にこなすのは
すごく難しことなんです。
だから、”未然に防ぐ、気をつける”ことを前提に、
それでもアクシデントが起きた場合に備えて
必要なことをまとめてみました。
----------------
① お薬手帳は常に携帯すると◎
② 恥ずかしがらずに、ヘルプを求めてもいい。
----------------
私、糖尿病なんです!と口で言っても、インスリンは簡単に処方できるものではありません。
さらに、種類も多くあるので
処方する先生方からすると
どれが必要?となってしまう。
そんなやりとりをなくすことのできる
魔法のツールがお薬手帳。
お薬手帳(処方履歴)があれば
病気をもち、薬を日頃から使っていることを
適切に証明することができます。
紙を持ち歩きたくない、というアナタは
携帯アプリを使うのもいいかもしれない。
https://okusuritecho.epark.jp/renew/
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114019985/picture_pc_9f5d27faade2e6f201ce268fea74b16b.png?width=800)
恥ずかしがらずにヘルプを求めても良い(と、私は思う)
自分のミスで人に迷惑をかけること、すごく恥ずかしいし、情けない、と思いますよね。
でも、自分が思っている以上に、
人って優しかったりするんです。
今回周囲にいた齋藤さんをはじめ、
関わってくれた方は皆
私の凡ミスを笑顔で支えてくれました。
1型糖尿病について、熟知しているかというと
多分そうではない。でも...
正直に、勇気を持って伝えれば、
応えてくれる人はいるんです。
皆さん、そして病院の医療者の方のおかげで
出張中でも食事を美味しくいただくことが
できました。(心から、感謝)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114012745/picture_pc_5cd6b90d9c59a29dcb0324e988bb5620.jpg?width=800)
最後に
病気が故に人の目を気にしたり
夢を諦めたりする人が、きっとたくさんいる。
リスクになるから、と
本当にやりたいことに目を背けて
心の火をそっと消したり。
すごく共感できるんです。
でも、本当に諦めていいの?
と今一度、自分に、家族に、友達に
声をかけてみてほしい。
支えてもらうことはダメなこと?
恥ずかしいこと?
みっともないこと?
何かしてもらったら
その何倍もを、別の形で恩返ししよう。
give and take ではなく
“give and give”精神で。
この記事を読んでくれたあなたが
自分らしい一歩を踏み出せるように。
そんな願いを込めて。
最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
それでは、また書きます(. . *)〆
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