記事一覧
新作落語『お見合い(マッチングアプリ)』 作:サワユキ
【あらすじ】
カップ麺かきこみ仕事に励む真面目な会社員の男は、昭和のノリを引きずった上司によって勝手にマッチングアプリに登録されてしまい、とある女性と会うこととなる。上司によって経歴を盛りに盛られ、嘘800を並べ立てられた男は、経歴詐称を未然に防ぐべく、筋トレや整形に励む。男は女性のハートを射止められるのか否か?
【初演】
演:尚茶(ナオチャ)
2022/11/17@下北沢ピカイチ
空也上人がいた 山田太一
今を老いる老人にしか書けない小説、
更に言うなら大衆に向けた創作で糊口をしのいできた老人にしか書けない小説だった。
昨今、娯楽が細分化され、各ジャンルが満たされまくっていいるからこそ、最近書かれた小説のほとんどが、文学好き以外の人々の心を喜ばせないものであるのに対し、この小説は今を生きる人々に開かれたものであると感じる。
「ふぞろいの林檎たち」を執筆していた頃から全く感性が曇っていない。脚本だ
TUVALU ファイト・フェルマー
アントンは生まれ育ったプール、つまり人工の海という父親に庇護された環境で、与えられた仕事をこなし続けている。
しかしトラブルの解決のため、父親の元を離れて、生まれて初めて家の外へ飛び出すことになる。
そしてアントンは父親無しでも生きていける強さを得て、夢だった航海の旅に出る。
本物の海は、汚れも波も本物で、これからは誰も守ってくれない、自分で全て決めねばならない。
シンプルで王道の筋書きに
岡本太郎と日本の祭り
御柱祭について、
「樹齢の長い大木の生命を絶ち、山から引きずり下ろすのだから、まさしく人間側にとっても命がけの祭りになる」
というニュアンスの文が載っていた。
祭りは本来、タガを外し、臨界点を突破する代物であるという前提を忘れた今となっては、毎度の如く死人の出るにも関わらず続けられる不可思議な祭りであると感じられるが、岡本太郎の眼を通すと、異なる文脈が浮かび上がってくる。
いのちの窓 河井寛次郎
仙厓や寛次郎には、見えないものが見えている。
太陰大極図のように陰陽でありつつも、それは必ずしも未来永劫定まったものではなく、「陽極まれば、陰となり陰極まれば、陽となる」。見方や状況によって反転するもの。
いのちが窓を開ければ、つまり心を開いたり、見つめたり、心がけを変えたりしてみれば、見えないものが見えてくる。
本を読めなくなった人のための読書論 若松英輔
おすすめの本を羅列した書籍は数多あるが、読めずに困っている人と向き合う本にははじめて出会った。
人によって食の好みや食べる量が異なるように、本の読み方も距離の取り方ももっと自由になればいい。
こんな本を求めている人、たくさんいると思う。
何者でないとはどういうことなのだろう。
タロットカードにはトランプと違って0番、版によってはナンバーすら割り当てられていない「愚者」というカードがある。
愚者の概念はもはや世の中に存在しない。
現代人は愚かであることを忌み嫌うからだ。けれどもその癖、へりくだって物を言い、愚かさの自覚アピールという防波堤を作ることを止められない。(自戒を込めて)
鏡リュウジが愚者のカードはビートルズの「The fool on the Hill」を彷彿
鬼才、貴乃花がドキュメンタルで再び世間に見つかった。
私の敬愛し、偏愛する貴乃花様がドキュメンタル11に出演なさったので、さっそく拝見せざるを得なかった。(※以下ネタバレ含)
メディアでのこれまでの言動や著作から、とてつもない鋭利さや実直さ、純粋さ、生真面目さ、誠実さ、独特さを覚えていたものの、歳を重ね(公使共に諸々のゴタゴタも重ね)、丸くなった親方は! 何故かバラエティー番組に出演し、ガチンコ相撲同様にガチンコ出演し、そして何故か優勝してしまうの
メルカリであらわになる対面性
今更に今更を重ねても足りないくらい今更だけど、メルカリにハマる、時間を費やす。
まずネーミングがいい。
メルカリとは、
『マーケット』という言葉の起源であり、ラテン語で「商いする(mercari)」という意味です。
https://www.mercari.com/jp/help_center/getting_started/mercari_origin
だそう。
その市場ことメルカリ
用途、クラッチバッグをバッグインバッグに。
以前購入したクラッチバッグ、やさしい色味とユニークなデザインがお気に入りだったけれど、片手がふさがることに不便を感じて、使わなくなってしまった。
そのまま、クローゼットにしまうこと数年。ときたま引っ張り出してきて、使ってみるんだけどやっぱり使い慣れなくてクローゼットにしまうことを繰り返す、繰り返す。
そんな矢先、100均で購入したバッグインバッグの生地がポロポロはがれるようになってしまい、処分