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用途、クラッチバッグをバッグインバッグに。
以前購入したクラッチバッグ、やさしい色味とユニークなデザインがお気に入りだったけれど、片手がふさがることに不便を感じて、使わなくなってしまった。
そのまま、クローゼットにしまうこと数年。ときたま引っ張り出してきて、使ってみるんだけどやっぱり使い慣れなくてクローゼットにしまうことを繰り返す、繰り返す。
そんな矢先、100均で購入したバッグインバッグの生地がポロポロはがれるようになってしまい、処分する必要が出てきた。私はカオスは好きだが、大きめのトートバッグの中がごちゃつくのは、いらつく。再購入を検討していたけれど、この子をバッグにインしてみたら運命、キレイにハマる。
ということで、クラッチバッグはバッグインバッグとして転生。
物は用途別にすると際限なく増えていく。そして財布の中身はどんどん減っていく。しかし分けた方が使い勝手のよいものもあり、悩みどころ。
以前、もろもろの洗剤がなくなるごとにいちいち買い足して詰め替えるのが面倒で、食器・洗濯・お風呂・トイレ、全て1種類にしてみようと試みたことがある。全部食器用の中性洗剤でまかなえた。洗濯機開けてみたら泡でぶくぶくになったこともあるけど。
まだ日本が貧しかったころ。子どもは、おもちゃを買わずに工夫して遊んだ。シャボン玉液は食器用の洗剤薄めて作る、あやとりヒモは母親に編み物の余りの毛糸を貰う。
もっとさかのぼって、モノの起源。木の棒。振り回せば木刀に、地面に垂直にあてれば杖に、たくさん集めてロープで括ればイカダになる。
映画『2001年宇宙の旅』では冒頭に人類の道具と繁栄の関係性が見られる。ヒトは動物の骨を手にすることで動物を骨にできた。骨を狩猟道具にすることで肉を食らった、という描写。骨を骨として見なかったヒトの勝利。
道具も生物と同じように時代を巡って変遷を遂げ、細分化されていった。
今、道具も生物も概念も、ルールや製作者、空気などによって用途を定められて身動きがとれなくなっている。少しばかり回帰することによって、ラクになるんじゃないか。カテゴライズされた外で用いる行為によって、購入と消費のエンドレスから、ほんの少し抜け出したら。
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