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文学

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短歌と詩と小説。
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2024年1月の記事一覧

生きているということを要素還元主義的に理解しようとする短歌_35首

↑前説すっ飛ばしボタン(特許申請中) 最近、「無」や「曖昧」の美しさを分かりかけている気がする。 これまでも、いわゆる絶景やポップなイラストなどのポジティブな美についてはセンサーが反応していた。 対して、今僕が知りかけているのは、暗い音楽や意味不明な小説などのネガティブな美である。 「そんなのみんな感じるだろ」と思われるかもしれないが、以前の僕には、ネガティブなものを良いものとして受容する感性がなかったのだ。ポジティブなものだけを見て聞いていた。 今は、五感が一つ増えた

対港区女子短歌_1首

港区女子が寿司屋に殴られたとか殴られてないとか、背景が歪んでるとか歪んでないとか、そういう事件が話題だ。 今回は、そんな世相をみじん切りにする短歌を作ってみた。 置く場所をまちがえた呼び込み君に逆位相の波をぶつける

教室のすみっこで作った短歌_18首

うれぴ〜〜〜!!! 今回は、教室のすみっこで生まれた短歌を大紹介。 僕の席は窓から外が見えるので、考え事をするのに向いている。とてもいい席だ。 近くで工事をやってるらしく、その音も聞こえる。 レゾナンス つり革を持つおじさんのおしりのリズムとガタンゴトンが 駅前のエホバを無視する学ランは部活ででかい声を出してる 雪だって!! 手の体温を抵当に入れて楽しくスマホを凝視 けだるげに通学路を歩いていたら雪が降って2分でやんだ 石を切る音と世界の泣き声を重ねた音は同じら

年末年始の短歌_9首

とか言いながら8/9は年始の短歌。 前回よりも上達している気がする。 柿ピー食べすぎかな、いや、もうひとつ食べれば何かが見えてきそうだ 石川を憂いながらも大阪へ向かう車内は「き」ではなく「けり」 ジムニーの若葉マークを隠すため緑と黄色を半分ずつ塗る 背が伸びて声も低くなったけどくしゃみは未だ「はくちっ」のままで 黒豆のなかの僕らは兄弟で 年に1回会う程度の仲 遠縁の気まずいどうし目が合って苦笑いするついたちの午後 Amazonの緩衝材着て人ごみをかき分け願うは

はじめての短歌_5首

木下龍也と青松輝(敬称略(最近まで僕はずっと「敬省略」だと思って生きていた))で興味を持ち、映画「サイダーのように言葉が湧き上がる」に背中を押されて、短歌を詠んでみた。 初めてだからそういう補正込みで読んでね。 あ、虹じゃん あの人も気づいたのかな、そうしたらもう他人ではない ヘルメットかぶってるのに信号無視 命をどうしたいんだよ ひげ剃って数日経ってあらわれる生命の尊さしたたかさ 四ツ切の画用紙ですらこのデカさ 世界は意外と広いのかもね ちょきちょきと髪が解体さ