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わたしの3つの決意

前回の記事
異国で日中ミックスの子供の日本語を育てる工夫-読み聞かせ-」で、
中国で日中ミックスの子供の日本語を育てる工夫として、
「読み聞かせ」を挙げましたが、
それについて、もう少し詳しく書いてみたいと思います。

子供の父も、義母も、義父も、その他周囲の全ての人が
中国語で子供に話しかける環境で、
日本語を話す人は、母のわたしひとりだけ。

子供に頑張って話しかけるだけでは
子供の日本語を育てるには不十分だと考えたわたしは、
子供に日本語で本をたくさん読んであげることにしたのでした。

まずは子供が興味を持ちそうな本の情報を
ネットなどで調べ、本をたくさん準備しました。
日本帰省の際に購入したり、日本の親に頼んで送ってもらったり、
先輩ママに譲ってもらったりした本を
リビング子供部屋はもちろん、寝室、のちにはトイレにも並べました。
目につく機会や回数が多いほど、本に興味を持つ確率は高まる
だろうと考えました。

本を並べただけでなく、
わたしは心の中で3つのことを決意しました。

①子供が3歳になるまでは家にいて、
 子供の日本語を育てることに専念する。

(わたしは日本語教師ですが、学生さんの日本語より
 わが子の日本語がヤバい!と思った。。。
 言葉を教える仕事についていたので、
 子供の言葉の発達を間近で観察したいという気持ちもあった。)

②子供が本を読んでほしがったら、
 そのタイミングですぐに喜んで読んであげる。
 決して「後で」と言わない。
 
(手元の家事よりも、子供の本への興味を最優先する。)

③子供が読んでほしがったら、いつでも、何冊でも
 飽きるまで読んであげる。
(飽きたら追いかけない。)

この通りにできないこともありましたが、
基本方針(笑)は、子供の本への興味を大切にして優先し、
親も読み聞かせを楽しんでいる感じを出すように
意識していました。

子供が本好きになるよう、ありとあらゆる工夫をしました。
本棚の本は時々位置を入れ替えたりして、
子供が常に新鮮さを感じられるようにしました。

そんなことを続けていくうちに、
いつしか子供が自分で本を持ってきて、
「読んで」とせがむようになりました。

朝6時から髪を思いっきり引っ張って起こされ、
朝から5冊でも10冊でも、子供が読んでほしがるだけ読んであげる日々。
本当に一度に10冊以上読む時もありました。
子供の集中力ってすごいです。

夜は早く寝させることも大切ですが、
わたしは子供が読み聞かせを望んでいれば
寝入るまで読んであげることを優先しました。
(それが健康に良いかどうかは分かりません笑)

また、子供の発達と興味に合わせて、
今の子供の年齢にちょうどよい本を揃えることにも
心を砕きました。
本は、数が多ければ多いほどよいというものではないと思いますが、
子供の興味にあった絵本が手近にあることが大切だと考えました。

日本帰省の際には、今の年齢に合った本のほかに、
ちょっと先まで見越して本を購入し、中国に持ち帰ったり、
郵送したりするようにしていました。
日本で売れている子供の絵本の情報などもネットで事前に調べました。
本をたくさん揃えたいので、ネットの古本屋も活用しました。
いつも日本帰省のたびに、荷物のかなりの部分を
子供の本が占めている状態。

そんな生活を何年にもわたって続けました。
わが家の本は増え続け、気が付いたら何百冊にもなっていました。

子供が6歳になる頃、
子供にいつものように就寝前に読み聞かせをしていると、
子供が、

「お母さん、書いてあることと違うやろ」

と言います。

子供はただ読み聞かせを聞いているだけではなく、
いつの間にか、文字を目で追えるようになっていて、
しかも、書いてある文字と、母が読んでいる声が
一致しない部分にも気づくようになっていたのです。

読み聞かせとは別に、こどもちゃれんじの教材で
あいうえおの読み書きを学んではいましたが、
わたしが読むスピードで文字を目で追いながら
その文字が表す音と意味のまとまりを理解できるようになっていたのは
日々の読み聞かせのおかげだと思います。

子供が文字を読めるようになるというのは、とても大きな変化です。
息子は2歳半頃から文字に興味を持ち、
文字が音を表すことや、文字は左から右へと読み進むことは
理解していました。
文字を読むということは、その何年も前からの積み重ねがあって
はじめてそこに到達するのかな、という気がしています。
そして、子供は自分で日本語の本を読めるようになると、
母親が読んでやらなくても、
自分で日本語の世界を広げていけるようになります。

小学校1年生の時には、まだ読み聞かせも続けていましたが、
徐々に自分だけで本を読めるようになっていきました。

つづく。


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