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100 点が満点の試験で 200 点つけるしかない答案が出てきたらどうする【試合の振り返り】

それはイカサマじゃないのか。初めてのプレイオフ出場試合でレーティングほぼ満点て……なんだお前。


どうだったんだ試合は

試合前に書いた記事で、僕は敵地 AT&T (AT&T Stadium) に乗り込むパッカーズ (Green Bay Packers) に関していくつかの願望ぶくみの予想を挙げた:

  • なにがホームで 16 連勝中だバカヤロー、我が軍は勝つぞ

  • レシーバーには困らない

  • パス攻撃でイケる

  • 守備については不安

このうち当たった予想は 2 点、よくわからなかったのが 2 点だ。順に見ていこう。

まず、試合の結果はこれだ。
ダラス (Dallas Cowboys) の得点はほとんど試合が終わってからのもので、最後にお情けで 16 点取らせてもなお 16 点差。想像をはるかに超える圧勝になった。

パッカーズはコイントスに勝ってボールを選択。今年はこのパターンがかなり多かった。
このゲームでは基本的に後半最初にボールを得て始めるほうが利があるはずだけど、最初から全力で攻めまくる予定を立てている場合はたしかに関係ない。むしろ、相手の身体にアドレナリンが出ていないうちに先制パンチを食らわす狙いなのかもしれない。

最初の 2 回のキャリーこそあわせて -3 ヤードを記録して「やはりダラスの DL は手強いのか」と思わされたものの、ロミオ (Romeo Izziyh DOUBS; #87) へのミドル・パスが通って以降、なんとまあ出ること! 4 人のレシーバーに投げ分けながらラッシュも止まらない。
最後はエンドゾーン目前 3rd & 5 なのに好調のジョーンズ (Aaron LaRae JONES; #33) ではなくテイラー (Patrick O’Neal TAYLOR Jr.; #27) を入れてしまう謎もあったが、DE ローレンス (DeMarcus LAWRENCE; #90) がスナップ前に飛び出して 3rd & 2 になったのが幸運。短くなったのでおそらくプレイを変更し、フィールドに戻ったジョーンズがボールとともにエンドゾーンに飛び込むと先制の一発になった。

互いにパントでボールが往復したあと、ダラスの自陣 8 ヤードから始まったドライヴ。QB プレスコット (Rayne Dakota PRESCOTT; #4) の短いパスに対し、CB アレクサンダー (Jaire Zakar ALEXANDER; #23) が思い切ってレシーバーの前に突っ込みダラス陣 19 ヤード地点でピック。今季はどっちかというとフィールドの外のほうで目立っていたような気もするが、ここ一番でやってくれた。

この好機をラヴ (Jordan Alexander LOVE; #10) がすんなりとタッチダウンにまとめて 14 点差に拡げると、そこからは誰も予想しなかった攻撃が展開された。

グリーン・ベイのディフェンスがダラスをふたたびパントに抑えると、ラヴは 35 ヤード先のエンドゾーンにパスをドンピシャ落とすなどして 93 ヤードのドライヴを完結。20 ― 0 だ。カウボーイズを相手に!
「どうなってんの?」と顔を見合わせているあいだに今度は FS サヴェッジ (Darnell Henry SAVAGE Jr.; #26) がスナップの瞬間にヌルッと前に出ると、ファーストダウンを狙った短いパスを奪って 64 ヤードのリターン・タッチダウン。カウボーイズのファンたちは頭を抱えていたが、こっちだって同じだ。前半で 27 点差? 今季の前半、試合が終わっても 20 点にほとんど届いていなかったチームが? ここで?

大差になったためパッカーズの DC ジョー・バリー (Joe BARRY) が恒例のかした寒天よりソフトなディフェンスを披露する一方、ラヴはこの後さらに 3 つのドライヴをすべてタッチダウンで締め、しかもその間パス失敗 1 回という狂気の成績で破壊のかぎりを尽くした。とくに最後の 4Q 10:30 のパスはなんかもう……なんと言ったらいいのか……なにこれ?

そんなわけで、レシーバーには困らないとする予想は的中した。
パス偏重でもイケるという予想については、そもそもラッシュが出まくっていたのでそっちの影響のほうが大きいかもしれない。
そして懸念だった守備については、ダラスがドロップを繰り返しているうちに試合が一気に決まってしまって、あとは時間を潰すばかりになったのでこれもよくわからない感じになった。もちろんふたつのインターセプションは素晴らしい反応だったけれども。
ちなみに試合前の解説陣の見解はみんなダラス乗りだった。やったぜ。

その他のメモ書きいくつか:

  • CB ニクソン (Keisean NIXON; #25) がチーム最多のタックルと 1 サック。リターンする機会はなし。そういえばオフェンスでも起用する計画はどこへ行ったのか

  • K カールソン (Anders Bjorn CARLSON; #17) のキックオフどう考えても短いよね? パッカーズは、飛ばないキッカーを飛ばないキッカーに置き換えたのか?

  • キックのときのラインがそもそもちょっとコワい

  • LB マクダフィー (Stevenson Isaiah McDUFFIE; #58) やばそうと思ったらクウェイ (JaQuavian Jy'Quese WALKER; #7) もやばそう

  • Edge エンナグバレ (Kingsley Osagie ENAGBARE; #55) は ACL 断裂……ここへ来て……

  • パスのドロップはリード (Jayden Kevon REED; #11) がやっただけか? こんなに急激に練度って上がるものなのだろうか。不思議だ……


次は土曜日

この試合も条件はもちろん良くなかったけれども、次の試合はリーヴァイス (Levi's Stadium) なのでさらに条件が悪い。

なにしろグリーン・ベイからだとこの球場までは 3,600 km もある。このような長距離の移動は単純にしんどいし、ジェット・ラグの影響もとても無視できない。そしてまた、ナイナーズ (San Francisco 49ers) そのものが文句なしに強いうえ 1 週空いており準備万端だ。要するに非常に厳しい

しかし、グリーン・ベイはこのチームに借りがある。借りたものは返さなければならない。
パッカーズの選手たちが入場している頭上を通してキックの練習をした無礼なハゲも、ボールを持ったままバタバタ走り回って守備陣を粉砕した QB ももういないが、だからといって水に流せるものではない。やったほうは忘れるものだし、しかもどうせ勝つと思ってナメているのだ。
借りを返せ。

Go Pack Go!


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