ファシリテーターのスランプ
ミミクリデザインが運営するオンラインの学習コミュニティ「WORKSHOP DESIGN ACADEMIA(WDA)」では、毎週土曜日にファシリテーター向けの動画コンテンツを配信しています。
今週の動画は、久しぶりに安斎と、ミミクリのディレクター和泉裕之の2人の"おしゃべりコンテンツ"でした。
和泉は対話型のワークショップを専門としており、ミミクリのプロジェクトの中でも組織開発や人材育成のプロジェクトを得意としています。
そんな和泉がここ最近繰り返し「最近、ファシリテーターとしてのスランプを迎えてます」と漏らしていたので、そんな悩みを掘り下げながら、原因を読み解き、解決策と今後の展望について語らいました。思いのほか、共感するところと、実践的な示唆があって、面白かったです。(動画の詳細は、ぜひWDAに入会してご覧ください!)
スランプの原因の一つは、毎日のようにファシリテーションをする日々のなかで、実践者としての暗黙知が身体に蓄積されているが、それが形式知として言語化できていないことから、講座などでノウハウとして語っていることと、実際にやっていることのあいだに不一致が起きてきて、「自分の言っていることは薄っぺらい」「セオリーとして説明していることとは、違うことを現場ではやっている気がする」というモヤモヤにつながっていた、という話でした。
デイビッド・コルブの経験学習モデル(以下の図)でいえば、「具体的経験(Concrete Experiences)」が積み上がっているが、それを「熟慮による観察(Reflective Observation)」し、新たな形式知を編むための「抽象的概念化(Abstract Conceptualization)」が回っていない、とも言えますね。
抽象的概念化は、経験からボトムアップに抽出するだけでなく、研修や書籍で関連理論をインプットすることでも支援できます。和泉には、リフレクションの機会をつくることを勧めるとともに、何冊か読むべき書籍を紹介しておきました。そういう意味で、ファシリテーターとしてのスランプは、経験学習を駆動させ、熟達するための大事な契機なのかもしれません。
<宣伝> WORKSHOP DESIGN ACADEMIA(WDA)では、新規メンバーを募集しています。メルマガ、動画コンテンツ、講座イベントや研究会などを通して、ワークショップデザインとファシリテーションのスキルを磨き続ける学習コミュニティです。初心者から熟練者の方まで、是非ご参加ください。
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