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焦げたコーヒー

定期購読マガジン5月3本目の配信です。


このマガジンはカフェを経営することについての全てをお話するものとなっています。僕のフィルターを通して読者の皆様に追体験してもらう内容となっておりますので役に立つかどうかは分かりませんが、きっと何か意味は感じてもらえるかと思います。
現在は6~7月にオープン予定の東京のカフェのメイキングが多めとなっていますがどうでもいい話や他では言えないことやカフェの作り方、継続の仕方のようなハウツーのような話もあったりします。
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黒くて苦いコーヒー

僕はコーヒーが飲めませんでした。

コーヒーといえば小さい頃に父がよく飲んでいた「微糖」と書かれた缶コーヒー。学校の先生たちも缶コーヒーをよく飲んでいたし、学生の頃に短期で仕事をしていた地元のガス局ではコーヒーの粒をお湯で溶かしながら得体の知れない白い粉を入れたりして飲んでいた。

コーヒーってそんなに美味しいのかなぁいつか飲めるようになるのかなぁと思っていましたが、コーヒーを飲めるようになったのは大学卒業後、カフェの仕事に就いてからです。
(それでも砂糖やミルクも入れて)

山形の狸森焙煎所、仙台のcafe de ryuban。その2つのお店のおかげでコーヒーをブラックで飲むことができるようになったのです。

先入観、思い込み、単純に口に合わないというだけでなく「黒い苦い液体である」という、コーヒーは美味しくないという自己洗脳があったのかもしれません。

純粋に美味しいと感じて飲めるようになったのはその頃です。

コーヒーには必ず「ブラックで飲まないのは邪道か?」という議論がついて回るものです。コーヒーを飲めるようになると、どうしても「ブラックで飲まないとお子ちゃまである」というような発想になるものです。人は得てして自分が得たものを自分だけが得たものと思い込みますので、自分の基準に合わないものを切り捨てたり、劣っているものと考えるものです。甘くしたり、脂肪分を加えてコーヒー飲むなんてコーヒーへの冒涜だ!くらいに思っていたかもしれない。(今も少しだけそういう想いはあります)

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