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持病ができたので3Dプリンタで印籠を作った

昨年、違和感があり眼科を受診したところ、初期の緑内障と診断されました。あちこちで「まだ若いのに」と言われますが、ド近眼なので仕方がないのです。
日々、点眼薬をさしていれば大丈夫みたいなので、むしろ初期で見つかってよかったと思います。

よし、持病もできたことだし印籠でも作るか!

以前から自分の印籠が欲しかったので、いい機会かな、と。
印籠、ジャパニーズ・トラディショナル・ピルケースですよ。英訳は適当ですけど。Traditional Japanese Medicine Cases になるのかしら。知らんですけど。
黄門様で助さんだか角さんだかが「控えおろう!!」ってするあれです。
あれが欲しかったんです。
ほら、そもそもあれ薬入れですし。

ただ自分で木を削って作れる程の器用さはないし、販売しているもので自分の好みを探すのは大変だしで、長年憧れどまりでした。
3Dプリンタが出てきたことで、自分でも作れるのでは、と。

ひとまずシンプルなものを作成しました。
手順は以下のとおりです。
 ①構想を練る
 ②3DCADでデータを作る
 ③3Dプリンタで出力する

①構想を練る

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まず入れる点眼薬のサイズを計測し、大まかな形を決めます。
今回は小袋に入った点眼薬が取り出しやすく、中で横に倒れず、私の手にしっくりくるようにしました。

私は手に持ったサイズ感はアナログで確認しないと分からないタイプなので、CAD作業の前に簡単な模型を作ります。
Adobe Illustratorで下図のような原寸サイズのデータを作成しました。

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外寸・内寸の上下面を楕円形で、側面は高さの線で描画しています。
これを紙に原寸で出力しては切り貼りして、手に持って確認していきます。
内寸サイズの模型に点眼薬を入れて問題なく入るかどうか、上下面にある穴に紐が通るかどうか、も確認します。
ここはひたすらトライアル&エラーですね。

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上図はやっとしっくりくる大きさになったところです。当初のサイズより小さめになりました。
後ろに模型の死屍累々が見えますね。

②3DCADでデータを作る

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大きさが決まったので3DCADでデータを作ります。
Autodesk Fusion 360を使用しています。

③3Dプリンタで出力する

当時、まだ3Dプリンタが家になかったので、DMM.make で注文しました。
素材を最安値だったナイロンに決めて、待つこと約1週間、無事に手元に届きました。思っていた以上に早い上に綺麗でびっくりしました。

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サイズ感もいい感じですね。
わざわざ模型作ってまで試行錯誤した甲斐がありました。

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印籠なのでこのように紐を通して使います。
この組紐は趣味で作って放置していたものです。メモによると平成30年4月に刺繍糸で組んだ平八つ組という種類の組紐のようです。断面が四角い感じで格好良いのですよ。

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このようにメイクボックスにひっかけて使用しています。

おわりに

この印籠で初めて3DCADで作成したデータが現物になったという経験をしました。めっちゃ楽しいですね。
DMM.makeで10回くらい注文すると3Dプリンタ買えるのよね、と購入するきっかけにもなりました。

この印籠を毎日の点眼時に手にするのですが、やはり作ってよかったな、と思います。
でも木質フィラメントを購入したら、出力し直す気はします。
この印籠の表面につけたい柄は沢山あるので、追々作成していきます。


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