見出し画像

庭師になりたい。

先日、研修医時代の友人がふらりと軽井沢に来たようで、案内してくれたスタッフに「(僕は)ここで何をしているんですか?」と質問したら「バラを育てています」と答えたと、後で耳にした。
医者が職場で何をしているかという質問だとしたら素頓狂な気もするけど、概ね正しい。6月に何をしていたかと聞かれたら、確かに「バラを育ててました」と答えると思う。

去年、ほっちのロッヂではささやかな花壇を作り、いくつかのバラを植えた。軽井沢の土や気候のこともまだわからず、手探りで始めた一年目。
過酷な冬を超えて、あんなに小さかった苗が大きく成長し花をつける姿は、それこそ子育てをしているように(したことないけど多分近い気がする)愛おしい感覚。
6月から7月にかけて、軽井沢は梅雨に入る。急に土砂降りになったり、長雨が続く。夜にふと雨音が聞こえれば、それこそ遠くに旅に出た子供の身を案じるような気持ちになる。

画像1

画像2


コロナ渦で1日1日どう過ごすか、1ヶ月先はどうなっているのだろうか?
不確実なことばかりの世の中で、ときどき時間が経つことが怖くなる。

それでもきっと今年買った苗たちは大きくなって、初めての花を見せてくれるだろうし、少しずつ変わってきた景色にも気づく。一年を過ごすと、季節がどのように移り変わるかが分かって、秋にはこの作業をしようとか、冬にはここを植え替えようとか、すこしずつ分かってくる。
一年、一年。明日のことを先走って考えてはつい不安になるけど、植物をみているともっと長い時間軸を自分に教えてくれる。

普段から植物が好き、バラが好きとことばにしていると、花好きがとても多いことに気づく。訪問先の方、ロッヂに様々な理由で顔を出してくれる方と、バラという言語で話をしたり、新しい出会いが生まれたりする。

「ほっちのロッヂって庭が素敵らしいよ。行ってみない?」
そんなことからも、人がつながる場所になったらいいなと思っています。

画像3

今年お迎えした新人たち。来年どんな花を見せてくれるか楽しみに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?