見出し画像

ハイエンドヘッドホンオーディオという魔境

この趣味、スピーカーのハイエンダーより人を選ぶというか、相当特殊な領域なのでは?と最近になって思うようになりました。

まず、スピーカーオーディオのように(聴取位置のスイートスポットはあるにせよ)自由に動き回れません。ここがヘッドホンオーディオスペース、と決めて環境を拵えたら、その椅子に座っていることを強制されるわけです。腰が悪かったり太っている人は大変だろうなぁ・・・私も20代の頃より体重が増えているので、以前よりは同じ姿勢を保つ耐久力が落ちています。

地方の田舎暮らしの方でヘッドホン一本に集中する方というのはあまりイメージができません。近隣住民の距離が離れていて家も広いとなれば、必然的にスピーカーオーディオの方に興味が向かうのではないでしょうか。また、都会暮らしの方も最初はヘッドホンからスタートしたとしても、次第にスピーカーオーディオへ移行していく方がやはり多いです。私のように、10年以上も変わらずヘッドホンのみに注力していくのは希少種なのです。

ポータブルオーディオの方はもう少しオープンで、若い方も多くて交流も活発な印象です。据え置きヘッドホンオーディオクラスタは・・・まず発信する人が少ない。私も含めて、群れることが苦手な感じの人が多く、各人が勝手に好きなようにやっている(本来オーディオ趣味ってそんなもんだと思いますけどね)。
私もどっぷりハマっている口なので外側から言われないと気付かないのですが、スピーカーオーディオ方面の方からも「実態が全然見えてこない」そうですね。というのは、ヘッドフォニアの間で流行っているメーカーが、最初からヘッドホンユーザーにターゲットを絞った新興メーカーばかりなので、名前も知らない実物も見たことのない製品が、非常に狭い世界の中で絶賛されたりしているわけです。私の今メインで使っているヘッドホンアンプ「RE・LEAF E3 Hybrid dC」も、おそらくスピーカーオーディオ方面の方には知られていないはずです。もしかしたらヘッドホンオーディオにそこそこ詳しい人でさえ、全く聞いたことのないメーカーかもしれません。

でも、それで良いんです。ヘッドホンマニアとの間でさえ、人と同じ製品、ありきたりな組み合わせで「無難に」まとめたくない。自分だけの音、他の誰とも似つかない音、私だけが、今この音を聴いているのだと。そしてまた、私と長く繋がっている方が、私とはまた異なる視点から自分の音を作り上げようとしている。その光景を草場の影から覗いていると、その人自身の内面世界をふと見せてくれたような気になって、何故だか少し嬉しくなるのです。

この記事は以下のブログに触発されて書き起こしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?