毒親育ちその5


たまに家にいれば

父親は祖母に暴力をふるっていた。

祖母のおでこには大きなアザがあった。

またか…

特にもう驚かない。ただ自分の奥さんのお母さんを

よく殴れるな、と、妙に冷静に父親をみていた。

それが実家の『普通』だったから。

だいぶ後に知人にこの事を言ったら

ドン引きされた。

やっぱりおかしい家だったんだなと

自分がおかしいんじゃなくて逆にホッとした。

でもたまに家に戻ればワタシも殴られる

もういなくなりたい死んでしまいたい消えたい

17歳でそんなことばっかり思っていた

友達の家に泊まり歩いていたワタシは

とても変な子だったろうな

でもどーせ早く死ぬし別になんだっていいや

って毎日考えてた

今38歳になって生きてるとは思わなかった

そして高校3年に上がる手前で中退した。

もう2人とも何も言わなかった。

ただ恥ずかしいから家から出るなと言われた。

働いて家を出る。といったらブチギレられた。

そりゃたかが17の子供が何も出来るわけない。

でも家にもどこにも居場所はなかった。

そのころから、元々受け口だった私の歯を

差し歯で出っ歯にしたため

噛み合わせもどんどんおかしくなり、

先天性欠損歯と遺伝性歯周炎がかさなり

ちゃくちゃくと、口内崩壊していった。

ま、バカだったから気付くわけもないんだけどね。

6番奥歯が乳歯だったのも

誰にも言われずそのまま通信制の高校に入れられた。

多分それが親の精一杯の責任だったんだろう。

結果は出来ず、テキトーに遊んだりバイトしたり

過ごした。

その冬に母が悪性リンパ腫になって

入院した。


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