自分に価値があるという傲慢

自我が無い人間は多い。厳密には、全くと言っていいほど自分の意志を通そうとしている様子のない人間。他人の提案にすっと切り替えることに抵抗がない方々。

俺もその一部であり、またそういった自我のなさは自身が無価値であることに起因している。他人と自分を天秤にかけるとき必ず他人に天秤が傾くのだ。自分の意志を正しいと感じていたとしても、他人の提案を拒絶することは不可能に近い。0と1では1が大きいのと同様に、自分の意志と他人の意志では他人の意志が重要視される。

そうやっていると、だんだん自分で決める力を失ってくる。指図が好きな他人は山のようにいる。だからこそ、画塾で自分で決める力を求められることは本当に大変なことだった。自由意志がないのだ。他人の意思を求めている。他人に沿わなければ俺は走れない。ふらふらとしたまま、ガードレールを突き破ってあらぬところに行ってしまう。

その挙げ句講評で「まず絵がなっていないし、ガードレールを突き破っちゃだめだよね」と言われてしまう。真っ直ぐ走れないのだ、俺は。

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