見出し画像

映画:『バーズ・オブ・プレイ』

少し前だがネトフリに『バーズ・オブ・プレイ~華麗なるハーレイ・クインの覚醒』がきてた。
これの感想を~と思ったのだが、これが思ったよりも話が広がってしまいそうだと書き始めてから気が付いた。

あらすじは簡単に。
ハーレイはジョーカーと別れました。その頃、糞ヤローがゴッサムシティにいて。世に不満を持つ女性たちがハーレイの元に集まっていってしまいましたとさ。以上、こんな感じ。

以前、おなじくアメコミ映画の「ブラックパンサー」でキャストの多くを黒人が携わっていると聞かされた際は「ああ、それは凄いね」と言いながらうんうんとうなづくだけだった自分だが。
その作品の成功はまさにMCUの成功をさらに輝かせ。ライバルのDCには悔しからせ、自分たちもやりたかったらしい。

この作品は監督脚本だけでなく制作まで女性が核となる体制がとられた、と聞かされ……正直、日本のアメコミファンとしてはめまいと頭痛が一気に襲ってきたような。強い不安感を覚えたものである。

そもそもこのバーズ・オブ・プレイというタイトルだけでなく。主人公のハーレイ・クインからして前作となる『スーサイド・スクワッド』からのスピンオフという。ヒーローたちのチームアップのはずが、なんか違うのが混ざって暴れてる。と感想が出るような作品となってしまった。


最近の邦画に限らず、ハリウッドでも時折目にする想像以上にひどい作品にされてしまった映画のレシピに。フランケンシュタインの怪物を作るように、別々の作品や要素から肉や骨を引っこ抜いてきて。それを無理やりに人型にして「どうでしょう?」などと恥知らずにも笑顔で聞いてくるようなやり方が横行している。

この作品も前作同様、まさしく「なにやってんの?」とか「なにしてるの?」「だれなの?」が連発する映画ではあるものの。携わっていた女性陣らの熱意とかパワーが明らかに高かったことが救いとなったようだ。

恐らく「こりゃ、どうやってもファンは納得してくれないのでは」と早い段階で誰かが声をあげ。主人公となるハーレイに注目させることで、チームアップは添え物にしよう。そんな流れが生まれたのではないだろうか。
しかしそれならばいっそ清々しくハーレイとジョーカーの別れ話で大騒動になるゴッサムというのも見たかったし。そうするべきだと思うのだが――序盤、いきなり爆発オチで狂った失恋の説明をするこの作品の冒頭は、かなり危険な賭けをやってたんだろうと思う。


だがそのおかげで、前作では狂ってて、可愛くて、思わず目が吸い付けられてしまうようなショートパンツのハーレーのイメージは消えていき。自立する悪党という、ハーレイの新たな冒険は地味に。それでも確かに始まったらしい。


正直、この作品は主人公側や悪党に限らず。みんな楽しそう、という印象が強くて。とりあえずそれで楽しめるのだからいいんじゃないかと、考えるのをやめたほうが素直に楽しめる気がするし。それが正しいのだと思う。
つまりは「最高点以下でも平均以上なら何点でも好きにしていい」というのが何回も見直してえしまった僕の出した答えというわけだ。


とはいえ男から自立したらしいハーレイの次の冒険はすでに始まっている。マーベルでガーディアン~を手掛けたジェームズ・ガン監督による新しいスーサイド・スクワッドでの登場がアナウンスされ、劇場で公開される日を待つだけの状態にある。
一方で、個人的にはあまり喜ばしくは思えない話もある。

この作品の話題がうらやましかったわけではないだろうに、あのディズニーが。カリブの海賊ことパイレーツの人気キャラクター。ジャック・スパロウではない女性版の主人公を作るのだそうだ。
どんな作品になるのか、興味もないのでさっぱり想像がつかないが。エネルギーを余分に投入したので見れるものになっていますにならなきゃいいがね、と嫌味を呟く自分がいるのは間違いない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?