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『ジュピターズ・レガシー』『屍人荘の殺人』『インビンシブル』『アーミー・オブ・ザ・デッド』

今回は5月にNetfilixとアマゾンプライムで見たものをまとめてドンとやってみよう。

一本目はジュピターズ・レガシー。

あらすじ。
大恐慌の後、いきなり世界に超人たちがあらわれた。
彼らはアメリカに戻りユニオンというヒーローチームを結成。100年近い時が過ぎていく。

時代は変わり、ヒーローもついに第2世代へと移り変わろうとしていた。同時に新たな問題も発生。
長く敵を”ヒーローは殺さない”とする規範に対する疑問で若者たちは苦しんでいた。いっこうに改善されない社会情勢と凶悪な敵との終わらない戦い。そして事件が起こる。

ヒーロー凶暴な敵をついに殺してしまう。
第1世代は激怒するが、皮肉なことに世間と第2世代はそれとはまったく違う反応を見せ……。

マーク・ミラーの独自の世界から映像化されたアメコミ・ドラマ。
アメコミクリエイターによくある「僕だけの○○」みたいなノリが設定にあって、ぶっちゃけDCコミックのジャスティスリーグをいじりまわしている。でもただ、パクっているわけではないのでそこはあんまり気にしないようにしよう。

残念ながらシーズン1で終了となってしまったこのシリーズ。
ネトフリらしい、堅実にヒーローのオリジンをまぜたせいでかなり焦点がぼけ、失速もしてしまった印象があった。終了してもしょうがないと納得できる残念さはある。

自分達の掲げる規範について悩むことが本編だとするならば。今回のシリーズの半分近くやっていたオリジンはそれほど関係が深いものでもなく。そこに落差が生まれてしまっていて。実に食い合わせが悪そうだった。
とはいえ、自分は結構楽しめた。

まぁ、強いて言うならば――この作品をやるならば。かつて映画化されたウォンテッド(映画は2008公開)を原作通りにやってからの方がよかったのではないかと思った。
かなり癖が強くメタ的な面白さのある作品だっただけに、シーズンは始まる前に終了してとても残念だ。

2本目はアマゾンプライムから「屍人荘の殺人」を視聴。
原作を読んでいたので興味はあったが、邦画にゾンビとくると嫌な予感しかなかったので劇場には足を運ばなかった作品。

監督は別にして。主演に神木隆之介、浜辺美波。
ならば大外れではないと思って間違いはない。そう思った自分がいたら叱ってやりたい。

あらすじはミステリー・ファンの大学生、葉村は。ミステリー愛好会会長の明智に振り回されつつ。女っけはないもののそこそこ楽しい大学生活を送っていた。
そんなる日、剣崎比留子なる女子から不気味な予告を送り付けられた音楽フェス研究会の夏合宿へともに参加するように持ち掛けられる……。

館に殺人にミステリーと定番の物語にゾンビものをぶち込むという荒業が叩き込まれていた原作の実写化。
相当頑張らないと、と予告を見た時は心配したものだったが。案の定、脚本と映像がひどすぎて水と油みたいになっちゃった。毎年生産されるクソ邦画がこうしてひとつ加わってしまった。

俳優の力だけじゃこの異色の作品は表現できないのに、制作は腰が引けてしまったのか。映画は冒頭の15分、別に必要でもなかったコメディで笑いをとろうとしてくる。これが余計に登場する唐突なゾンビという存在を滑稽に見せてしまう。

ゾンビといっても、基本はミステリーなんで怖くする必要はなかったはずなのに。笑いを前面に出したらそりゃ失敗ですよ。全部面白くない、笑えないと言われてしまう。

印象に残ってるのは浜辺美波さんは可愛かったなー、ということだけでしたね。
主人公と明智の存在が空気にされ、原作の良さを即死させる駄作に仕上げられて本当に残念でした。

ついでなんで監督の木村ひさしつながりでネトフリにきた「任侠学園」にも触れますが。
こちらも原作はそれなりに面白かったのに。こっちも2時間を無駄に過ごす、奇麗な女優さんがいた気がするで終わる残念な映画でした。

笑いをいれることに使命でも感じているのでしょうかね。

3本目は同じくアマゾンプライムから「インビンシブル~無敵のヒーロー~」を視聴。
イメージコミックスからのアニメ化、連載は終わってる。オリジナルなのでアマゾンプライムでのみ配信中。

主人公はマーク・グレイソン17歳。高校生。
その日が来るまでは彼はどこにでもいる普通の少年だったが。異星人でスーパーヒーローの父親の力を受け継いだことがわかると、彼も父親にならってヒーロー活動を開始することにした。
同時期、地球最強のヒーローチームが何者かの襲撃を受けて全滅。犯人探しが進まない中。マークの父、オムニマンは微妙な立場に立たされ……。

「まーたヒーローものかよ」と思うかもしれないが、この作品を手掛けているのはあのロバート・カークマン。
ウォーキング・デッドに始まり。マーベルでもヒーローたちをゾンビにして地獄にしたその人だ。なので普通では終わらないと覚悟が必要になる。

すでに2シーズン以降も制作が決定しているこの作品。
グロとバイオレンスが過剰に投与されているので、肩の力を抜くのではなく。先のゾンビドラマを見るくらいの腹積もりがないとキツイだろう。

新人ヒーローとしての2重生活に悩み。友人と話したり、彼女を作って秘密を抱えて活動を続けたりするマークが。ヒーローやヴィラン達によってもたらされる暴力に徐々に地獄に叩き落されていく姿はもはやホラーに近い。
そんな主人公と同じように、毎回登場するタイトルもまた徐々に汚れていき。たった8エピソードだけでひどいことになっていく。もちろん最終話では親子そろってひどいことになる。

ネタバレはしたくないのでこれ以上は語れないが。
1話のラストからアクセルがぶっ壊れてしまうので、ハマれば一気に最後までいけると思う。シンプルに面白い。

父と子が、この先にどのような答えを出すのだろうと気になりながらシーズンは終了。
続きが気になってしょうがない。

4本目はネトフリからオリジナル。待望のアーミー・オブ・ザ・デッド。

あらすじ。
軍がエリア51から運び出したコンテナが横転。結果としてラスベガスがゾンビに埋め尽くされてしまった。

死闘の末、なんとか町を封鎖することに成功したものの。追い出された市民は難民化。
傷ついた兵士達も報われることなく放り出される。(ここまで冒頭10分で終わる)

かつての英雄と称えられた主人公のスコットも、いまではバーガー屋で毎日肉を焼くだけ。そんな時、タナカと名乗る男が訪れ計画に参加しないかと誘われる。
ラスベガスへの核攻撃が始まる96時間以内に中へ侵入。ストリップクラブの金庫に眠る2億ドルの回収。

スコットは娘に金を残してやりたいとの思いから。この怪しげな強盗計画のチームを集めることにした。あらすじおわり。


ザック監督については「仕事に生活に、とにかく色々あったんだよ」からの復活となった今作。
自分の感想は「良かった。楽しかった。長くても気にならなかったし、復活してくれて嬉しい」くらいのシンプルなものしかない。

かつてドーン・オブ・ザ・デッド(リメイク)でデビューし、成功した監督が手掛けるゾンビ映画ということで期待値が高くなっていたのか。ネットでは不評の声が高いのが意外に思ってる。
ゾンビといっても、知性があって群れてるし。子作りまでするからゾンビらしくないし。ケイパーものなのに邪魔するものがゾンビだけなので楽勝。
それでもゾンビものらしく即席チームだからと深く考えずに嫌がらせ込みで殺しに行く、までやる。こう並べるとこの映画にホラーを期待するのは間違っているとわかってもらえると思う。

実際に監督も「普通のゾンビ映画はやらない」みたいなことを口にしてたみたいなので、B級ホラーですらなさそうだし、それでもじゅうぶん面白かったと思う。
ストーリーも親と娘の物語成分が強いので、アクションの傍らで進む2人の関係が改善されていく姿を楽しむのが正解だろう。

長くアメコミ映画を手掛けてきた監督だけど、MCUに転がるつもりもないようなので次作がたのしみだ。
個人的にはエンジェルウォーズなどと改悪されてしまった映画。「サッカーパンチ」の続編なんてやってくれないだろうか。

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