糸と布で人生を考えてみた
映画『糸』を観て、中島みゆきさんの『糸』を聴いて、人生を糸と布に例えるという発想に感銘を受けた。
だから私も、「糸」と「布」で人生を考えてみることにした。
芸術家は本当にかっこいい、永遠の憧れだ。
そんな話。
ちなみに映画「糸」の感想はこっち↓
糸のはなし
まずは「糸」について。
縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます
引用:http://j-lyric.net/artist/a000701/l0000fa.html
糸は私たち個人のことを指している。
そして、逢うべき糸に出逢うことを「仕合わせ」と表現している。
「幸せ」ではなく「仕合わせ」ということになにか意味があるのだろうか…
「しあわせ」という日本語の語源は、「し合わす」だとされています。「し」は動詞「する」の連用形。つまり、何か2つの動作などが「合う」こと、それが「しあわせ」だというのです。別のことばで言い換えれば、「めぐり合わせ」に近いでしょう。(中略)
偶然めぐり合った、よい運命も悪い運命も、「しあわせ」だったのです。
引用:https://kanjibunka.com/kanji-faq/old-faq/q0416/
なるほど、「仕合わせ」は偶然のめぐり合わせのことを言うのか。
そう考えると、人生は「仕合わせ」そのものなのかもしれない。
私たち個人(糸)は、逢うべき人(糸)と出逢い、
その善し悪し関係なく「仕合わせ」と呼んでいる。
家族、友達、上司、先輩、後輩、同僚。
社会はたくさんの「糸」で構成されている。
布のはなし
次は「布」について。
縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない
縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かの
傷をかばうかもしれない
引用:http://j-lyric.net/artist/a000701/l0000fa.html
「布」は、糸と糸が織りなしてできたものを指している。
私はこれを「人間関係」と捉えた。
個人と個人が関わり合うことで、様々な関係が生まれる。
家族関係、友人関係、恋人関係、職場関係…
これらは時々絡まったり、ほつれたり、修復できずに切れてしまうことだってある。
例えば…
恋人と意見が食い違い(糸が絡まる)、
喧嘩になり(糸がほつれる)、
修復できずに別れてしまう(糸が切れる)。
放っておけば、その布は破棄されるかもしれない。
それもまた人生。
それでもやっぱり糸を繋ぎたいと思って、切れた糸同士がお互いに歩み寄って、どんな布を作りたいのか話し合って、また織り始める。
そうしたら、前よりもっと素晴らしい布を作れるのかもしれない。
これは友人関係や家族関係でも同じだろう。
ましてや学校や会社、都道府県や国などになれば、これはとても大きな布になる。
それ作るのはきっと大変だ。
だからこそ、みんなでどんな布を作りたいのか話し合い、他人事にせず役割を担って織っていくことが大切なんだろう。
そしてこれらの関係は、それぞれの糸同士が「繋がりたい」と想わなければ始まらない。
きつく結びすぎて離れられない関係、緩すぎて離れてしまいそうな関係、離れていてもほつれない関係…たくさんの関係が、それぞれの布を作っている。
そしてそのどれもが、愛おしくて素晴らしい布であることは間違いないだろう。
私という布
もう1つ、「布」は私たち一人ひとりの存在も指すのではないかと考えた。
毛糸を想像すると、それ単体でマフラーになったりセーターになったり、何かに形を変えることができる。
そのために縫うための道具が必要ではあるのだが、私たちの糸は、単体で「布」を織りなすこともできるのだ。
私の糸で構成した「布」が、他の「布」と出逢う。
それらを貼り合わせることで、パッチワークのような「作品」を作ることもできる。
例えば私は「水泳選手」という存在であり、「記者」の方と取材という形でお互いの布を貼り合わせる作業をし、「記事」という作品を作ることができる。
その記事を見て、感動してくれた人、応援してくれた人、自分も頑張ろうと思ってくれた人…
そんな感想を伝えてくれた人がたくさんいた。
これほど幸せなことはない。
これも糸と糸、布と布を繋ぎ合わせた素敵な結晶だ。
もちろん「水泳選手」という布を作るためにも、たくさんの糸と繋がっている。繋がって頂いた。
やはり糸と糸が布を作るということ自体は変わらないようだ。
デリケートな糸と糸、ラフな布と布で織りなした繋がりが、それで完成したものたちが、いつか誰かを暖めたり、傷をかばうような存在になるのかもしれない。
そんなことを考えた日曜日の午後だった…笑
まとめ
映画を観ることが好きだ。
映画の考察を見ることも好きだ。
誰かの文章を読むことも大好きだ。
それらは人の考えを知ることができるからだ。
理解したなんて言葉は使えないが、知るきっかけになるのは確かだ。
これも糸と糸の繋がりだと言えるんじゃないだろうか。
中島みゆきさんの歌詞はすごい。
どうして糸と布を人生に例えようと思ったのだろうか。
『空と君とのあいだに』の、
「空と君とのあいだには 今日も冷たい雨が降る」
なんていう歌詞もすごい。
空と君のあいだって、そんな言葉どっから来るんだろう。
そんなことを考えるのも面白い。
芸術家の作品は「布」だと思っている。
誰かを救ったり包み込んだりしてくれる。
この文章は私の考えを保管するためのものだけれども、もし誰かがこれを読んで、何かしら感じてもらえたならとても嬉しく思う。
私のためが誰かのためになるかもしれない。
それは水泳をやっていて感じたこと。嬉しかったこと。
今日「仕合わせ」を感じられる人が、1人でも多く存在していますように。
読んでくれてありがとうございました。
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