見出し画像

『ノマドライフ(本田直之/朝日新聞出版)』を読んで、福岡に住んでみたくなっ

コロナ禍になって、丸3年を迎えようとしている。
その間、テレワークや移住に象徴されるように、我々の生活や仕事は劇的に変化を遂げた。

そんな今日この頃、ふとKndleライブラリを眺めていると、本書が目に止まり、読み返してみた。
本書の出版は、なんと2012年。
以前書いた『まだ東京で消耗してるの?』とも共通するが、「タイムマシンで現在を見にきた後に書いたのではないか?」と思うような内容だった。


「ノマドライフ」の定義

まず、本書のタイトルにもなっている、「ノマドライフ」の定義はこうだ。

・仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2ヵ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティビティや効率性、思考の柔軟性が向上し、それが良いスパイラルになるライフスタイル。これが私にとっての「ノマドライフ」。

読んでいるだけでワクワクしてくる、めちゃくちゃ理想的なライフスタイルだ。
しかし、(その対極にあるような)会社員のメリットも強調され、それを活かしつつ準備を進めることの大切さも説いている。

会社員のメリット

・会社をすぐに辞めてはいけない。ベーシックインカムを確保しつつ、他の仕事の可能性を模索していきましょう。

・「ベーシックインカムは保証された上である程度の自由が利く」のが会社員という立場。このメリットを最大限に活かさない手はありません。

・会社員だからこそ、ノマドライフの準備が安心してできる。

心がけるポイント

その「ノマドライフ」のために、心がけるポイントとして、以下が挙げられている。

・ポイントは、地方にいながら都心に仕事をするということ。
・所有物を半分にする。
・所有よりも経験にお金を使う。
・ノマドライフを目指すなら、とにかく早起きするべき。早起きは人生の重要なスキル。考えることや、何かインプットすることは朝やった方がいいと実感しています。

「アイデア」について

そのライフスタイルのためにも重要な「アイデア」についても、興味深い内容が書かれている。

・アイデアと移動距離は比例する。

・移動中はとてもアイデアが浮かびやすいと、私自身、実感しています。特に飛行機の中はクリエイティビティが高まります。恐らく、ネットも繋がらない搭乗中にできることはごく限られており、持っているモノも少ないからでしょう。一番多目的に使えるのは自分の脳だということを、再発見できるのかもしれません。

・私は昔から、車や電車など、動いていて適度な揺れがある環境で、様々なアイデアを生み出してきました。ビジネス、本、次の年の目標は、ほとんど移動中にひらめいています。最近では、走りながら考えていることもあります。

・移動中にアイデアを書き留めるのは大判サイズのノート、あるいは手帳です。アイデアがうわーっと出てくるので罫線も不要、むしろ邪魔になります。フリーハンドでできる限り自由に書くのがベスト。

・アイデアはパソコンやiPhoneより、手書きと相性がいいようです。

・日常ですぐにできる思考のトレーニング
①いつもと違うことをやってみる。
②室内から屋外へ。夜から朝へ。

福岡に住んでみたくなった

余談だが、本書を読んでいて、福岡に住んでみたくなった。
以前、一度だけ行ったことがあるが、改めて「非常に魅力的な街」ということが伝わってきた。

・福岡は「良いライフスタイルを作りやすい街」。街がコンパクトで、海や山が市街地のすぐ近くにあり、ハワイにも似ています。さらなる好条件は、博多駅から空港まで地下鉄で2駅、10分足らずでアクセスできること。日本で最も海外に近い大都市なのです。気候も良いし、家賃は東京の半分程度。

世界のセレブも実践している

また、このような生活に対する、世界のセレブの声も紹介されている。

・「もし旅をすることが可能なら、子どもを育てるには、それがベストな方法だと思う」(アンジェリーナ・ジョリー)

・「各地を転々と移動することによって、素晴らしい文化や異なる宗教、生活様式に子どもたちを触れさせる。それは、最高の教育だと思う」
(ブラッド・ピット)


数年前に『ノマドランド』という映画がアカデミー賞を受賞したが、あのような生活がスタンダードになる日も、そう遠くないのかもしれない。
今後の生き方を考えさせられる一冊でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?