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経営者に直接聞いてみた!ぶっちゃけどう考えていますか?Vol.1

経営者_インタビュー企画 Vol.1

取材者:株式会社GROW 代表取締役社長
取材日:2020/11/30

※あくまで個人の主観です。


経営者の頭の中を覗き見するこの企画。こんな時、どんなことを考えていますか?を聞きまくります。

今回はRYO-ZAN-PAKにも度々お越し頂いている「りゅうさん」にお話を伺いました。年齢問わず多くの人に見て頂きたい内容です。


1.本日の社長紹介「りゅうさん」の経歴

石井)改めて、りゅうさんが今されていらっしゃる仕事についてお聞きしてもいいですか?

りゅうさん)はい、今は鍼灸院と児童福祉施設をやっています。

石井)手広く広げられているんですね...!元々は鍼灸の世界から入られたのですか?

りゅうさん)そうそう。鍼灸師と柔道整復師としての資格を取ったことが最初のきっかけやね。6年制の専門学校に通っていて、当時は3年目の時点で鍼灸師の資格を取って正社員として働いていたね。

石井)ええ!学校に通いながらですか!それは凄いです...パワフルさが違います。

りゅうさん)んー、正直凄いとは一度も思っていなかったかな...。純粋にもっと実践経験を積みたいと思っていたから、とにかく行動していたよ。有難い話でうちに来ないかって声掛けしてもらう機会はあったから、その都度行っていたかな。結果的に鍼灸師を3年、柔道整復師を3年して、卒業を機に創業しました。

石井)なるほど。それでもそんなハードな生活なかなか出来るもんじゃないですね。

個人の価値をいかに上げるか。

りゅうさん)当時の自分が考えていたのは「時給」ではないやり方で、どうやって価値を作れるかをひたすら考えていたなぁ。

専門学校に通っていればみんな鍼灸や柔道整復師の経験を積める機会があるわけだから、自分は早くそれ以外の経験も積みたくて。30歳で開業しようと最初は考えていたけど、結果的に26歳で創業をしていたね。その後児童福祉施設も開業するまでは想定していなかったけど。

石井)その当時から将来のことを見越して考えていらっしゃったんですね。

りゅうさん)大それた計画があったわけじゃないけど、人よりも早く動いてより多くの経験を積んでいくことが出来れば、同業には負けないなって思っていたからね。

専門学校に通っている時から自身の価値を上げる為にどうすれば良いかを考えていたというりゅうさん。その考え方は学生にも社会人にも通ずる考え方のように感じました。

そこから人の話へ。

2.独自の”教育しない”という教育方針

石井)りゅうさんって普段は現場にあまりいらっしゃらないイメージを抱いているのですが、鍼灸院も児童福祉施設も現場は社員の皆さんに任されていらっしゃるんですか?

りゅうさん)うん、そうだね。基本いなくて、任せてます。

石井)やはりそうなんですね。実際、現場のことは社員の皆さんに任されているかと思うのですが、どのタイミングからりゅうさんご自身は現場から離れられたのですか?

面倒を見る。育てる。という考え方を捨てる。

りゅうさん)んー。自分自身、その考え方はしていなくて。面倒を見るとか自分が育てるとかっていう考え方は無いんよ。そもそも自分の方が出来ることなんて少ないから、出来ないことをしてもらっている感覚なんよね。

石井)では実際りゅうさんは、どのように現場を任せているのですか?

りゅうさん)まずは立場を作るね。役割をちゃんと作る。その上で、その立場の人が動くことを一旦待ちます。もちろん社会にはリミットもあるので、途中、途中では見るけどね。リミットを超えない範囲では基本的に待つようにしてます。

石井)なるほど...。待たれるというのは具体的にどれほど待つのですか?個人としてはその人に任せた以上最後までやりきってほしいという想いもあるかと思うのですが、企業としては出したい結果・スピード感があると思っています。
任せたが故にスピード感が遅くなってしまう。そんなことも起こり得るのでは、と思ったのですが如何でしょうか?

環境作りに徹する。

りゅうさん)うん。それでいうと「スピード感を上げたい」というのは経営者の考え方の話だと思っているかな。あくまで現場で動いているのは俺ではなく、従業員。だから結局していることは、従業員の心地良い環境をとことん作ることかな。

石井)心地良い環境ですか?

りゅうさん)心地良いといっても、楽な環境と楽しい環境は全く違うと思っているんやけどね。決して楽というわけではないんやけど、ちゃんとやりがいを持って自分の仕事に向き合えているかっていう。ちゃんとその意味を履き違えることなく、従業員にとって心地良い環境を作る為に何が出来るだろうっていうのを普段考えているね。

石井)その考え方で動くことが結局、組織として出したい結果にも繋がるということですよね?

りゅうさん)うん、きっとそうだと思うよ。

組織の在り方はトップの考え方に大きく影響を受ける、ということを改めて痛感しました。目には見えないけど、確かにそこにあるものとして少しずつ広がっていく。雰囲気として表れているんだろうなぁ。一度仕事場にお邪魔して従業員の方々とお話してみたくなりました。

3.経営者が一緒に働きたいと思う人物像

石井)りゅうさんが一緒に働きたいと思う方ってどんな方ですか?

りゅうさん)一緒に働きたいと思うのは「素直で自主性が高い人」「自分の生き方がある人」かな。

石井)自分の生き方がある人ですか?

りゅうさん)言い換えれば、内観出来る人。自分のことをちゃんと理解している人かな。○○したい!っていう人の中でも、その動機を自分なりに落とし込んでいる人。

石井)内観ですか...。例えば、従業員の方を採用される際、面談をされると思うのですが、そんな短い時間で見極める為に何を見られていますか?

その人の本質と付き合う

りゅうさん)その人の「人生のGoal」を聞くね。どういう人生を送りたいのか。とね。付き合いだけでの関係性の人とは一緒にいたいと思っていないです。

例えば自分の葬式には、付き合いだけの人にまで来てほしいとは一切思っていないんよ。うん。
あくまでスキルではなく、その人の本質と付き合いたい。そう思ってます。

石井)本質と付き合うのってかなり難易度高くないですか?簡単にその人の本質が見えるものでもないですよね。

りゅさん)もちろん最初は直感もあるけどね。でも、その人の本質を知りたいからあえて仕事の話よりもプライベートを聞いたりするかな。

石井)プライベートのこともですか?

仕事よりもプライベートを知る。

りゅうさん)うん。プライベートの方がその人らしさが出やすいからね。
例えば、仕事では指示待ち人間と言われてしまうような人であっても、プライベートは自分で決めてるはずだから。
それに仕事よりもプライベートのことの方が大きなことを決めてるんじゃないかな。例えば、住む場所どこにするのか、とか。結婚するのかしないのかとか。仕事云々以上にとても重大なことを決めてるよね。

石井)た、確かに。そういったことは必死に考えますね。

りゅうさん)うん。だからプライベートの話はよくするね。
後は、従業員が喜んでくれることはしたいから、お祝いの日とか誕生日とかは家族の分までプレゼントを渡したりするね。

石井)そうなんですね!それはすごい...。さすがにそこまでは、付き合いで関わっている人とは出来ないです。なかなか聞いたことないです。

本質で付き合いをしているから相手を思える。

りゅうさん)好きな人じゃないとね。スキルで付き合っている人とはそこまでのことは出来ないだろうなぁ。したいとそもそも思わないだろうしね。(笑)
一緒に仕事をしたい人の特徴で「素直で自主性が高い人」と言ったのもそれが理由かな。

石井)りゅうさんは、素直で自主性が高い人か否かを、どこで判断されるのですか?

りゅうさん)言っていることと、やっていることの一致を見るね。本当に一致しているのかどうかを。

石井)なるほど。やはりそういった基本的な所を疎かにしていない人かどうか、なのですね。

ふと気になったのですが、自主性ってどうやって伸ばされるのだと思いますか?

りゅうさん)自主性って難しいよね。そもそも自主性と自分勝手を勘違いしたらいけないしね。

似て非なるもの。他者視点を持てるかが鍵。

石井)自主性と自分勝手を勘違いしない、ですか?

りゅうさん)そう。相手の為を思って自ら動くことって自主性はあると思うのだけど、その動機に他者視点を持つことが重要で。相手の為と言いつつ、自分のことを考えて取っている行動であれば自分勝手にもなりかねないから。

石井)他者視点があるかないかは大きく異なりますね...。

りゅうさん)一方で、他者視点を持ちつつも、相手に合わせる必要はないんよね。他者視点で動いたものが結果的に自分の為にも相手の為にもなっていた。相手に合わせなきゃって思っていたら、動きづらいだろうしね。

石井)バランスが難しいですね...。でも今の話をお聞きして、改めて自主性のある人がどれだけ組織にいるかは重要だと感じました。

言葉の重みが違う「他力本願」

りゅうさん)いや、ほんとに自分は他力本願なのよ。自分じゃ何もできないから従業員のチームのみんなに助けてもらっていて。何もしてないです僕は。

石井)いやいや、りゅうさんそんなこと仰ってますけど、半端ないほどに動いてますよね。本当っに。そんな他力本願だなんて。

りゅうさん)いや、ほんまにそうなんよ。他力本願。自分が動けなかったとしても、チームがあるから前に進めるわけであって。
フルマラソンも自分一人で走りぬくことが出来ないのならチームで分担して走りぬけば良い。一人では挫折しそうなことでも、チームであれば諦める必要はなくなることもある。そう思ってるんでね。

夢をチームに託す。

りゅうさん)一人では叶えられないと思ったものも、その夢をチームに託してしまえば、叶えることが出来る。だからチームでする。それでいいじゃないですか。ね。

石井)仰る通りかもしれないですね。わざわざ一人にこだわらずとも良いという話ですよね。

僕が以前からりゅうさんに対して抱いていた気持ち。
何故これほどまでにチームメンバーに、従業員の方に、現場を任せることが出来るのだろうという疑問はこの会話でスッキリとした気分になりました。

心の底から自分の「夢」を「チーム」に託しているんだ。だからそのチームのメンバーとは付き合いではなく本質で向き合いたいんだ。その為にきっとやってくれるはずという意味を込めた「他力本願」という言葉をよく使うんだ。そんな風に僕の目には映りました。

そこからさらに話は濃くなり...

4.どんな経験が人生に役に立つか

石井)どういう経験をしている人が「自主性」や「主体性」が高い傾向にあると感じますか?

りゅうさん)人生って人が生きると書くわけで。生きることを実感する為には死ぬことを感じたことがあるかどうかは凄い大きな違いになると思っているんよ。
例えば、ゆうき君の原体験として「持病の経験」があるからこそ、今の原動力があるとかね。

石井)確かに自身の持病の経験は自分の価値観にかなり影響しています。

経験に裏打ちされたものが大切。

りゅうさん)うん。だから実際にDoしたからこそ得れる経験があると思っていて。その経験をいかに積むことができるかは重要じゃないかな。

りゅうさん)それに付随して思っていることが一つあって。
後悔しない人生を歩むことが出来るかどうかは自分の考え方次第。なんじゃないかな。

石井)考え方次第、というと...

りゅうさん)平等を不平等にしているのは人だと思っている。みんな均等に出来ることもあれば出来ないこともあって、結果的に見たらなんだかんだ大差ないはずなのに、不平等と捉えた瞬間に一気にそういう風にしか見えなくなる。

人生は考え方次第。

石井)考え方次第でいくらでも見え方は変わるということですね。

りゅうさん)うん。本来、その時その時の選択をするのは自分次第なはず。失敗しても楽しかったら大満足!ということもあるように、物事の良し悪しを決めるのは自分の考え方次第だと思っているよ。

石井)考え方を大切にされていらっしゃるんですね。従業員の方とコミュニケーションを取る際に、特に意識されていらっしゃることなどはありますか?

思考を辞めさせない為に。

りゅうさん)仕事を好きになってもらう為に、自分の幸せを見つけてもらいたいなと思っています。うん。その為に自分で見つけることを意識させてるかな。

石井)つまり思考停止にならないようにする、ということですか?

りゅうさん)そう。自分自身で考え続けてもらうようには意識しているかな。でも、最初から思考し続けることが出来る人なんていないから、最初は必ず寄り添うことが重要だと思っています。全員が全員、最初から考え続けることが出来るとは限らないから。出来るだけ寄り添うようにしてます。

あくまでスキルの為ではなく生きる為に、考えてもらうように。

石井)そういう環境ってとても素敵ですね...。自分のことになるのですが、今年を振り返って大きな反省点がありまして。先ほどの話にも通づるものがあると思うのですが...

5.仕事上の関係性だけで終わらせない為に

石井)今年を振り返り、チームとして出したい結果はある程度出すことが出来たので、活動面では◎でした。ただ、人間面的な繋がりがそれほど濃いものにならなかった為に、人としての関係性の面では〇と言い切れない自分がいまして。かなり反省しているんです...。

りゅうさん)なるほど。それは「スキル」で人を見ていたからなんじゃない?スキルで付き合っている。結果的にね。

ある意味、その人達と今年一年間やり切ることが出来た、というのは人間面的な関係性をそれほど築かずとも、ちゃんとDo出来る十分なスキルを持っている人達だった、ということでもあるでしょ。

石井)...なるほど...仰る通りかもしれないです。(刺さりすぎて言葉が出ない)

りゅうさん)スキルで人と付き合いをすると、失敗しても大丈夫な環境は作れないと思うよ。スキルで付き合っているからこそ、上手くいことがまず絶対条件としてはあるかもしれない。

石井)はい。

りゅうさん)だから失敗しても大丈夫な環境を作る。ということが大切なんじゃないかな。うん。

石井)どうすれば失敗しても大丈夫な環境を作ることが出来ますか?

失敗してもいい環境を作る為に、気を付けるポイント

りゅうさん)まずは失敗を認めること。きちんと向き合って認めることがまず重要。その上で相手の話を聞く姿勢を常に持つこと。この二つを疎かにしない。
失敗しても大丈夫な環境を作っていないと、自分のビジョンにまっすぐになんてなれやしない。
自分の想いに真っ直ぐ進む為にも、そんな環境を作ることは大切。

石井)ありがとうございます。意識してみます。


そして最後の話題へ...

6.りゅうさん流の目標設定の立て方

石井)りゅうさんの目標の立て方が気になります。実現可能性と理想像とのバランスを意識しないと、ビジョンを達成することは難しいかと思うのですが...りゅうさんはどう考えられますか?

りゅうさん)実現可能性は度外視です。

石井)ほ、ほんまですか...!

りゅうさん)そもそも自分のことを「やり切ることはない」と思ってます。目標を立てて、それが達成されるようになると次の目標がすぐに生まれて、そして次に繋がってというように。

イメージを出すと分かりやすいと思うんやけど、サグラダ・ファミリア的な感じね。

石井)なるほど、何となくイメージ着きそうです。

りゅうさん)うん。目標の立て方は本当にそういうイメージになるかな。今日では無理なこと、現実ではすぐに叶いそうにないこと、そんなこともずっと考えていたり。過去の話をするのではなく、未来を作る為に、ブラッシュアップしないといけないから。

石井)未来のことを考える時間ってそんなに多いんですね。

りゅうさん)そういうことを考えている時の方が楽しいじゃない。やっぱり。今もこうして時間を取っているのも、絶対にこの時間が自分にとってプラスになると思っているから話をしたいと思ったわけやしね。

石井)それはもう、こちらこそありがとうございます!今の自分にとっても刺激的な話ばかりでした。本当にありがとうございます!


おわりに

いかがでしたでしょうか?
経営者の頭の中を覗き見することは出来ましたか?
個人的には「組織」に対しての考え方を聞くことが出来たのは大きな収穫でした。
その中でも特に「人との接し方」や「生きる上での考え方」など普段であれば絶対に聞くことが出来ないものまで聞けたのは嬉しい時間でした。

読んでくださった皆様にとって、少しでも「生き方・働き方」の考え方に参考になれば嬉しいです。

改めて、りゅうさん、本日はお時間頂きありがとうございました!

取材者プロフィール
りゅうさん
 Twitter:https://twitter.com/GROW
株式会社GROW 代表取締役社長
鍼灸院と児童福祉施設を行いながら、子供たちの未来を作ることをお仕事にされておられます。とても気さくな方でインタビュー中もアットホームな雰囲気でお話を進めることが出来ました。Twitterを中心に発信に注力されていらっしゃますので、気になる方は是非Checkを!
投稿者プロフィール
石井勇輝(22歳)
 Twitter:https://twitter.com/yuukey0716
「心の世界地図を広げられる環境を」という想いを元に若者向けイベントの企画運営を年40本程開催。関西を中心に学生組織50団体が所属、200名を超えるコミュニティを拡大中。ピッチイベントを毎月開催。日常では出会えない人と触れたことで広がる世界観をもっと多くの人に気軽に体感してもらえないかと考え「経営者インタビュー」を実施。


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