見出し画像

私が出会った可哀そうな地縛

今年の5月下旬の話です。
私は土手を周3くらいでランニングするのが日課になっていました。理由は足の筋力が低下すると血液を送り出す力がなくなり体に良くないと何かで見たからです。確か、免疫力にも筋力が関係しているとか⁉             

前置きはさておき、その日もいつものように家を出て土手に向かいました。自宅から土手まで徒歩15分くらいあります。ひんやりとした夜風を感じながら歩いていると土手に到着しました。人はちらほら、100メートル先に二人、反対岸に一人、こんな感じで人は多くはないです。
いつも通り、ランニングコースを進んでいると橋のふもとに釣りをしている男性を発見しました。私も釣りが好きなので釣りをしている人は目に留まります。餌釣りかな?ウナギ釣りなのかなと考えていると…
おじさんの足元から女性が出てきて、おじさんの足を掴もうとしているのです。見た目は40~50くらいで服装は和服だったので昔の人ではないかと思いました。最初は、気にするほどではないとその場を立ち去ろうとしましたが、
何かを必死に訴えていたので気になって女性とおじさんの方に近づいていきました。夜も遅いし、不審者だとを思われたくないので10メートルくらいの所でスマホを取り出し、操作してました。

                        
すると、少しだけ女性の声が聞き取れるようになってきました。 子が…ない…みたいな感じで途切れ途切れ聞こえてきました。
しばらくすると女性は何も話さなくなり、沈黙。
その、3分後、女性と目が合い、危ない霊だと大変なので少し身構えてました。まあ、ヤバそうなのは見てわかるのですが、用心に越したことはないのでお経を唱える準備はしてました。すると、今度は私の腕にしがみついてきて、ここでようやく、私は女性が何を訴えてるのか理解しました。女性は自分の息子が溺れて上がって来ない事を周りに伝えてたのです。女性は私と意思の疎通がとれる事に嬉しかったのか涙を流してました。                            女性の話だと息子は友人と川に遊びに来て溺れたそうです。
ただ、息子が溺れた事は覚えているのに名前と年は覚えてませんでした、たまにこういったケースはあります。
                               


とにかく、子供を助けてほしいと懇願してきたので今の現状を伝えました。
貴方はずっと昔に亡くなっているの、息子さんはとっくにこの世にいないと伝えるとあたりを見渡して、号泣してました。
とりあえず、持っていた水を与え、落ち着くのを待ちました。女性と接触して一時間が経ち、釣りをしていた、おじさんは自転車に乗って帰っていきました。周りを見渡しても私達、意外に人の気配はありませんでした。
一番厄介なのは他の霊が現れ、状況をややこしくされる可能性があるので首を突っ込んだ以上、最後まで責任持たなくてわならないので天に上げると話しました。
すると意外とあっさり受け入れてくれたのでお経を唱え大日如来様にお願いしました。すると女性は私に『ありがとう』と一言。そのあと、光の方へ、歩いていきました。           



最後の女性の顔は安心したような、優しい顔でした。霊も私達と同じ人間で歴史があり、思いがあり、今を生きているのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?