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Pro bono 子どもの教育支援

Pro bono=職業上持っている専門知識やスキルを提供するボランティア活動。

この記事を読んでで、みた風景だなあ、と思ったら先日会社の寄付活動の現地視察で行ったキッズドアだったので、忘れないうちにポイント書いておこう。

会社の寄付活動のなかで支援している団体の一つであるキッズドアに、先日見学に行ってきた。

キッズドアは貧困家庭にいる子どもの学習支援を行う団体。17時すぎと若干早かったようで、生徒は2人しかいなかったが、80歳のおじいさんが勉強指導を受けていたのでちょっとびっくりした(「キッズ」ドアなのに??)。

キッズドアの特徴

1)成人の教育支援も可能

指定の高校を卒業している場合、キッズドアでは成人でも支援を行えるとのこと

2)行政からの委託事業(事業契約)が7割

資金や支援業務が安定しているのでは、と思ったが、実際は逆。1年など短期間契約が多く継続性も保証がないため、生徒にとっては突然支援を切られることもあるそうで。本来は寄付金ベースで事業を行う方が安定した支援を行うことができると。寄付金の用途は限定されるケースが多いので、他に必要性が出てきた場合団体側に自由度がある寄付の仕方の方が助かる、という話もあった。

東京都からの委託事業で実施している「くもやカフェ(2018年の旧リファインド)」

教育水準が低く課題が多い都立高校からカウンセラー経由で紹介された生徒45名が対象(ノルマ70名、年齢、所得制限なし、交通費は生徒負担)、火曜から土曜の午後3時から夜8時まで、ボランティアが自主学習の指導を実施。軽食提供、木金土はカウンセラー駐在。担当者はキッズドア職員7名(責任者1名、スタッフ7名)、ボランティア10名。勉強に集中できる環境作りを最優先とする。

2018年から2019年の改善点:目標の明確化と達成期限の設定

目標は1)高卒認定試験(=大検)の合格 2)レポート提出(通信制高校卒業のため、不登校の生徒が多い) 3)高校への復帰 4)就労支援

これらの目標達成期限を6ヶ月に設定

キッズドアの中長期的な課題

1)自主事業のウェイト拡大し安定した支援事業を目指す

ウェブサイトやSNSで宣伝活動し寄付金を募る活動を継続。とはいえ行政委託事業も貴重な活動であり、行政への営業活動も継続。

高校生への学習支援は手薄(保育、中学生までの行政支援は充実している一方、大学は資金力がある人が行くところとの風潮が強い)

2)寄付金の使い道の自由度を確保したい

家賃、場所の確保は簡単ではない。ほとんどの企業からの寄付金、行政委託事業は特定プロジェクトに使徒が限定されており、活動の基礎的支出への資金捻出は意外と大変。

個人的なTakeaways

1)勉強指導、ではなく、勉強できる場所と時間の確保が大事

学習支援=塾のチューターなどと一緒で勉強内容をわかってないとダメなのかと思ってましたが、「ここにくる子どもはそれ以前、普通に義務教育を受けていれば誰でもわかる学習内容です」。大検=かなり難関、のイメージも「4択ですし義務教育レベルです」。

2)良い人たちとの出会いの機会の提供が大事

子どもの貧困は親、大人が作り出したものであり、その親もまた同じなのだろう。貧困の連鎖から抜け出すためには自助努力に加えて、それを動機付ける起爆剤と頑張りを継続させる環境作りが必要なんだと思う。一人だけでは頑張れなくても誰かと一緒だったらできる、のかもしれない。

孤独は1番の毒薬。


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