見出し画像

第2回ドラマ・映画感想部(マイノリティ・リポート編)Vo.20


作品内容と概要

主演:トムクルーズ、監督:スティーブン・スピルバーグが製作したSFサスペンス。
2054年、予知能力を用いた犯罪捜査が行われ、殺人事件の発生が0%であった。予知能力を使えば、犯罪は減少することが本格的に世間へ理解される頃、予防犯罪対策室の主任である主人公スティーブンがとある殺人事件の被疑者として挙がる。自分は、殺人など起こさないと確信しているが、予知能力で起こることは事実だと主張してきていたことと矛盾する。逃亡する中で、見えてくる事件の真相とは。。。といった感じの内容である。

時代背景や関連情報


スティーブン・スピルバーグは、同年に詐欺師の実話を元に描いた「Catch me If You can」を公開。前年にもSF作品を製作とドリームワークスで経営者として働く中でも、映画製作を行うあたりは流石です。また、本作品は、「ブレードランナー」の作者である、フィリップ・K・ディックの小説を映画化したものである。

感想文

私は、この作品から未来を変えることがいいことなのかを考えてみることにしました。「未来は変えられる」、よく台詞で使われたり、名言としても残っていたりします。今作でも、予知していたことを覆すことがいいことなのかを悩まされるシーンが出てきます。殺人を犯せば、システムは有効だと証明できるが、その一方で獄中での人生を送ることになる。ある意味、究極の選択を強いられることになります。未来を知ることができれば、対策はできるし、その未来が自分にとって都合のいいものであれば、早く来てほしいとも思います。しかし、悪い未来の場合、タイムパラドックスに繋がるとしても未来を変えようと行動します。(たまに未来を変えようと行動することも含めて未来であるから結局悪い未来は起こるよね!と伝える作品もあります。)
未来は既に決まっているという「未来決定論」という主張もあるように、決められた未来に沿って今、動いているのかもしれないとも考えました。

未来って変えられるけど、変えてもいいんでしょうか?

タイムトリップする作品を見ると、都合のいい未来に変えようとすることが多いです。だけど、元々あった現実が変わることで不都合になる人もいる。タイムマシンに乗ることができた人や未来予知を知ることができた人は未来を変えられる。それ以外は、本当は大富豪になれたのに、大貧民となってしまったなんて、結末もあるのかもしれないです。
未来を予知することで、いいことの方が多いです。災害が起きることが分かっていれば、防災するか避難するかなどの対策ができる。テロが起こる前に、そのテロ行為を止める。最悪を発生しないようにすることに利用することは、誰の目からも望まれることです。
だけども、本当にその未来が起こるのでしょうか。そして、最悪のおかげで気づけていたことが気付かずに更に大きな最悪に繋がるなんてことが起きないとも限らないですよね。
未来を知るのは改めて恐ろしいなと感じました。
また、司法のあり方についても本作ではテーマとしてあげられてましたが、未来予知したことが犯罪抑制につながるなら、法改正してでも採用したいと考えるのが普通なのかもしれないですね。(捜査許可する司法官がいるのかと思うぐらい、「採用する」というセリフしか喋らんかったな。)

あとがき

犯罪捜査に用いられる予知能力だけに限らず、捜査アイテムとして使われていたモノは優れものばかりでした。網膜で人物を特定するシステムやパトカーではなく、移動は飛行機のような乗り物など、空想科学を表現するのが本当に上手いなと感じました。本作で出てくるようなデータの保存や照会があれば、ハードウェアも少なくなるのか?と思ったし、2002年にスマートフォンのスクロール操作やVRを楽しむ人のシーンがあって、もしかしてスティーブン・スピルバーグも未来を予知する能力あるんかと疑ってしまいました。
若干、「プラチナデータ」や「AI崩壊」などにも見られるデータ捜査の欠陥や主人公が犯人に仕立て上げられる内容だったので、既視感はありました。ですが、トムクルーズのアクションとサスペンスとして、最後まで黒幕が誰なのかを考えるのが、面白かったので是非見てみてください!

それでは、また次回の感想部へお待ちしております。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集