「南アフリカ-7日間の冒険」
1.Day 1: 南アフリカへの旅立ちとヨハネスブルグ到着
機内から見下ろす南アフリカの大地は、想像以上に広大だった。赤茶けた大地と緑豊かな森が織りなす模様は、まるで巨大な抽象画のようだ。私と夫の7日間の南アフリカ旅行が、今まさに始まろうとしていた。
「ねえ、見て!あそこに象がいるかも!」と夫が興奮気味に窓を指さす。思わず吹き出してしまう。「まだ高度1万メートルよ。さすがに象は見えないわよ」と言いつつも、私も思わず窓に顔を寄せてしまった。
機内アナウンスが聞こえ、まもなくヨハネスブルグに到着するとのこと。窓の外を見ると、さっきまでの赤茶けた大地が、徐々に緑と建物の混ざった風景に変わっていく。
オリバー・タムボ国際空港に降り立つと、予想以上の暑さに驚く。11月の南アフリカは初夏。日本の秋を後にしてきた私たちには、この気候の違いが新鮮だった。
空港でSIMカードを購入し、すぐにUberを呼び出す。
車窓から見えるヨハネスブルグの街並みは、想像していたよりもモダンだった。高層ビルが立ち並び、道路も整備されている。しかし同時に、その裏側に潜む貧困の問題も垣間見える。この国の複雑な歴史と現在が、街の風景に刻まれているようだった。
ホテルはサントン地区の「The Maslow Hotel Sandton」を選んだ。
https://www.suninternational.com/maslow/
近代的な外観と、落ち着いた雰囲気のロビーが印象的だ。チェックインを済ませ、部屋に入ると、広々としたスペースと大きな窓からの眺めに感動する。
シャワーで汗を流し、身支度を整えて街へ出る。ホテルのコンシェルジュに勧められたのは、近くのネルソン・マンデラ・スクエア。ヨハネスブルグの中心地で、ショッピングやダイニングが楽しめる場所だという。
スクエアに到着すると、その規模の大きさに驚く。中央には巨大なネルソン・マンデラの銅像が立っていた。その姿を見ながら、南アフリカの歴史と、マンデラの果たした役割について考えずにはいられなかった。
夕食は、スクエア内にある「Tashas」というカフェレストランを選んだ。
https://tashascafe.com/
地元の人々で賑わう店内の雰囲気に、すっかり南アフリカに来た実感が湧く。
メニューを見ると、南アフリカの名物料理「ボボティ」が目に入った。挽肉とスパイス、フルーツを混ぜて焼いたキャセロール料理だ。「これ、絶対美味しそう!」と私が言うと、夫も「僕はステーキにしようかな。南アフリカの肉って有名だよね」と答える。
注文した料理が運ばれてくると、その香りと見た目に思わず笑みがこぼれる。ボボティは予想以上に複雑な味わいで、スパイシーな中にも甘さがあり、まるで南アフリカの多様性を一皿で表現しているかのようだった。夫のステーキも柔らかく、ジューシーで絶品だった。
ホテルに戻る頃には、すっかり日が暮れていた。ヨハネスブルグの夜景が、窓越しに広がっている。明日はクルーガー国立公園へ向かう。野生動物との出会いに、今から胸が高鳴る。
私たち夫婦の南アフリカ旅行初日が幕を閉じた。
2.Day 2: ヨハネスブルグからクルーガー国立公園へ
朝日が差し込む窓から、ヨハネスブルグの街並みが見える。昨日までとは全く違う景色に、改めて遠くまで来たのだと実感する。
朝食はホテルのブッフェで済ませることにした。南アフリカの伝統的な朝食、「フルイングパン・ブレックファースト」を試してみる。ベーコン、ソーセージ、卵、トマト、マッシュルームなどが一皿に盛られたボリューミーな料理だ。
「これを食べれば、今日一日持ちそうね」と笑いながら口に運ぶ。味は予想以上に美味しく、特にベーコンの香ばしさが印象的だった。夫は「コーヒーが美味しいね。」と満足そうだ。
チェックアウトを済ませ、空港へ向かう。クルーガー国立公園最寄りのスクークザ空港まで国内線で移動する予定だ。
空港に到着しチェックインを済ませ、セキュリティチェックを通過。搭乗までの時間、空港内のお土産屋を覗いてみる。カラフルな民芸品や、動物をモチーフにしたグッズが並んでいた。
「これ、可愛いわね」と、キリンの柄のマグカップを手に取る。「うん、でも今買うと重くなるから、帰りに買おうよ」と夫。確かにその通りだ。
搭乗時間が近づき、ゲートへ向かう。機内に乗り込むと、窓側の席に座る。離陸するにつれ、ヨハネスブルグの街並みが小さくなっていく。そして徐々に、赤茶けた大地と緑の植生が広がる風景に変わっていった。
約1時間のフライトを終え、スクークザ空港に到着。空港を出ると、ヨハネスブルグとは全く異なる景色が広がっていた。豊かな自然と、どこか野生を感じさせる空気。思わず深呼吸をする。
空港で予約していたレンタカーを借り、クルーガー国立公園内のロッジへ向かう。運転を担当する夫は、少し緊張した様子。
国立公園に入ると、舗装された道路は続いているものの、両側には野生の自然が広がっている。「あ!インパラよ!」と私が叫ぶ。道路脇に優雅に立つインパラの群れ。思わずカメラを構える。
ロッジに到着したのは午後3時頃。今回宿泊するのは「Skukuza Rest Camp」だ。
https://www.sanparks.org/parks/kruger/camps/skukuza/
チェックインを済ませ、部屋に入ると、素朴ながらも清潔で快適な空間が広がっていた。窓の外には、まるで絵画のような自然の風景。
「4時からサンセットドライブがあるって。参加する?」と夫が言う。「もちろん!」と即答。急いで荷物を解き、カメラやサングラス、上着などを準備する。
集合場所に向かうと、すでに何組かの観光客が待っていた。ガイドのジョンが、にこやかに出迎えてくれる。「Welcome to Kruger National Park! 今日は素晴らしい夕日が見られそうですよ」
オープンカーに乗り込み、サファリドライブが始まる。木々の間を縫うように進んでいくと、突然ガイドが車を止めた。「見てください、あそこに」と指さす先には、優雅に歩くキリンの家族。首を伸ばし、木の葉を食べている姿に息を呑む。
さらに進むと、今度はシマウマの群れに遭遇。白と黒のコントラストが美しい。
夕日が近づくにつれ、空の色が変化していく。オレンジ、ピンク、紫と、刻一刻と色を変える空に魅了される。ガイドのジョンが適切な場所で車を止め、「ここで夕日を見ましょう」と言う。
車を降り、アフリカの大地に立つ。遠くに見える山々のシルエットを背景に、真っ赤な太陽が沈んでいく。その光景は、言葉では表現できないほどの美しさだった。
日が完全に沈み、暗くなり始めた頃、ロッジに戻る。星空を見上げると、都会では決して見ることのできない、無数の星が輝いていた。
夕食は、ロッジのレストラン「Cattle Baron Skukuza」で取ることにした。
https://www.cattlebaron.co.za/cattle-baron-skukuza-kruger-national-park/
メニューには、様々な肉料理が並んでいる。
食事を終え、部屋に戻る頃には、すっかり疲れが出ていた。しかし、その疲れ以上に、今日一日の興奮と感動が心を満たしていた。
3.Day 3: クルーガー国立公園でのサファリ体験
まだ暗い外の気配に目が覚める。時計を見ると午前4時半。今日の早朝サファリは5時半集合だ。興奮と期待で、すっかり目が冴えてしまった。
「起きてる?」と夫の声。「ええ、もう目が覚めちゃった」と答える。二人とも、子供のようにワクワクしている。
急いで身支度を整え、カメラや双眼鏡を確認する。「水筒は?」「帽子は?」とお互いに声を掛け合いながら準備を進める。
外に出ると、まだ夜の空気が肌を刺す。星空がとても綺麗だ。「見て、南十字星!」と夫が空を指さす。確かに、南半球ならではの星座が輝いている。
集合場所に着くと、すでに数組の観光客が集まっていた。みな、期待に胸を膨らませている様子だ。
ガイドのマイクが現れ、にこやかに挨拶をする。「Good morning, everyone! 今日は素晴らしい朝になりそうですよ。さあ、野生動物たちに会いに行きましょう」
オープンカーに乗り込み、暗闇の中を進んでいく。ヘッドライトに照らされた道路の両側には、まだ目覚めていない草原が広がっている。
徐々に空が明るくなり始める。マイクが車を止め、「聞こえますか?」と声を潜める。耳を澄ますと、遠くでライオンの唸り声が聞こえた。思わず背筋が凍る思いがした。
「あそこを見てください」とマイクが指さす先には、優雅に歩くヒョウの姿があった。カメラのシャッター音が車内に響く。ヒョウは一瞬こちらを見て、また悠々と歩き去っていった。
朝日が昇り始め、サバンナが黄金色に染まっていく。その光景は息を呑むほど美しかった。
突然、マイクが興奮した様子で「ラッキーです!ビッグファイブの一つ、バッファローです!」と声を上げる。確かに、道路脇の茂みから大きな角を持つバッファローの群れが現れた。その迫力に、思わず身を乗り出してしまう。
サファリドライブは3時間ほど続いた。その間、キリン、シマウマ、エランド、クーズーなど、様々な動物に出会うことができた。特に印象的だったのは、水飲み場に集まる動物たちの姿。捕食者と被食者が、一時の平和を保ちながら水を飲む様子は、自然の摂理を感じさせた。
ロッジに戻ると、すっかり朝の陽気になっていた。朝食は「Mugg & Bean」で取ることにした。
https://muggandbean.co.za/
朝食後、少し休憩を取ることにした。
「ねえ、午後はどうする?」と夫が尋ねる。「せっかくだから、ウォーキングサファリに挑戦してみない?」と提案すると、夫も賛成してくれた。
予約を済ませ、午後2時に再びロビーに集合。今度のガイドはデイビッドだ。彼は銃を携帯している。「安全のためです。でも、使う必要はないでしょう」と笑顔で説明してくれた。
車で少し移動し、安全な場所でウォーキングサファリが始まった。地面を踏みしめる感触、草の匂い、風の音。車では味わえない、自然との一体感を感じる。
デイビッドは様々な植物や昆虫について説明してくれた。「この木の葉は、昔から薬として使われてきました」「このアリの巣は、驚くほど複雑な構造になっているんですよ」と、次々と新しい発見がある。
突然、デイビッドが立ち止まり、「シー」と口に指を当てた。そっと指さす先には、優雅に草を食むインパラの群れ。車では近づけない距離で見る野生動物の姿に、息をのむ。
ウォーキングサファリは2時間ほど続いた。終わる頃には、サバンナの自然を肌で感じ取れた気がした。
夕方、ロッジに戻ると、サンセットドリンクを楽しむことにした。テラスに座り、ほのかに色づく空を眺めながら、南アフリカのワイン、ピノタージュを味わう。
夕食は、ロッジ内の「Tshokwane Picnic Site」でバーベキューを楽しむことにした。
南アフリカの伝統的なバーベキュー、ブラーイを体験。様々な種類の肉や野菜を自分たちで焼きながら、他の旅行者たちと交流を深める。
焚き火を囲みながら、今日の体験を語り合う。隣のテーブルのカップルは、昨日ライオンの狩りを目撃したそうだ。
夜空を見上げると、満天の星。都会では決して見ることのできない、銀河まではっきりと見える。
クルーガー国立公園での2日目の夜が更けていった。
4.Day 4: ケープタウンへの移動と街歩き
クルーガー国立公園の雄大な風景が見える。昨日までの興奮が蘇ってくる。しかし今日は、新たな冒険の地、ケープタウンへ向かう日だ。
レンタカーでスクークザ空港へ向かう。道中、昨日まで見た風景が次々と蘇ってくる。
空港に到着し、レンタカーを返却。チェックインを済ませ、搭乗までの時間、お土産屋を覗く。「このマグカップ、ヨハネスブルグで見たのと同じね」と、キリンの柄のマグカップを手に取る。「今度は買おう」と夫が言い、笑顔でレジへ向かった。
飛行機に乗り込み、窓から見える景色にしばし見入る。赤茶けた大地が、徐々に遠ざかっていく。「次はどんな景色が待っているのかしら」と、ケープタウンへの期待が高まる。
約2時間のフライトを経て、ケープタウン国際空港に到着。機内から見えたテーブルマウンテンの姿に、思わず息を呑んだ。
空港を出ると、クルーガーとは全く異なる空気が肌を撫でる。海からの風を感じ、都会の喧騒が耳に届く。
今回宿泊するのは、ウォーターフロント地区にある「The Table Bay Hotel」だ。
https://www.suninternational.com/table-bay/
タクシーでホテルに向かう途中、車窓から見えるケープタウンの街並みに目を奪われる。近代的な建物と歴史的な建造物が調和し、背景には美しい山々が広がっている。
ホテルに到着し、チェックインを済ませる。部屋に入ると、大きな窓から港の景色が一望できた。
荷物を解いた後、早速街の探索に出かけることにした。まずは、ホテルから歩いてすぐの「V&A Waterfront」へ。
https://www.waterfront.co.za/
ウォーターフロントには、レストランやショップ、マーケットなどが立ち並び、多くの観光客で賑わっている。「ねえ、あそこでランチにしない?」と、海を見下ろすテラス席のあるレストランを指さす。
選んだのは「Harbour House」というシーフードレストランだ。
https://harbourhouse.co.za/
テラス席に座り、目の前に広がる海を眺めながらの食事は格別だった。「これ、美味しいわ」と、ケープタウン名物のケープマレー風カレーを頬張る。スパイシーでありながら、フルーティーな味わいが新鮮だ。夫は新鮮な魚のグリルを注文し、「この魚、本当に美味しいね」と満足そうだ。
食事の後は、ウォーターフロントをぶらぶらと歩く。地元のアーティストが作った手工芸品を販売する露店や、ストリートミュージシャンの演奏など、活気あふれる雰囲気を楽しむ。
「あ、フェリーが出てるわ」と、港に停泊しているフェリーに目が留まる。調べてみると、ロベン島への日帰りツアーがあることがわかった。「明日行ってみない?ネルソン・マンデラが収監されていた島よ」と提案すると、夫も興味を示してくれた。
夕方になり、テーブルマウンテンがオレンジ色に染まり始める。「ケーブルカーで山頂に行けるんだって。明後日行ってみよう」と夫が言う。その提案に賛成し、明日以降の大まかな予定を立てる。
夕食は、地元で人気のレストラン「Gold Restaurant」を予約していた。
https://goldrestaurant.co.za/
アフリカン・テーマのレストランで、食事だけでなく、伝統的な音楽やダンスのショーも楽しめる。
レストランに入ると、色鮮やかな衣装を着たスタッフが出迎えてくれた。席に案内され、メニューを見ると、アフリカ各地の料理が並んでいる。
食事が始まると、同時にショーも始まった。躍動感あふれるダンスと、リズミカルな音楽に、思わず体が動き出す。
料理も絶品だった。モロッコ風タジン、エチオピアのインジェラ、南アフリカのボボティなど、アフリカの多様な食文化を一度に味わえる贅沢な時間だった。
ホテルに戻る頃には、すっかり夜の帳が下りていた。
明日はロベン島。そして明後日はテーブルマウンテン。ケープタウンでの冒険はまだまだ続く。その期待を胸に、心地よい疲れと共にベッドに横たわった。
5.Day 5: テーブルマウンテンとロベン島
朝食は、ホテルのレストラン「The Atlantic」で取ることにした。
テラス席に座り、港の景色を眺めながらの朝食。
朝食を済ませ、テーブルマウンテンへ向かう。ホテルのコンシェルジュに手配してもらったタクシーに乗り込む。
ケーブルカーの乗り場に到着すると、すでに多くの観光客が列を作っていた。「人気があるのね」と夫。待ち時間を利用して、山の歴史や地質について書かれた案内板を読む。
ようやく順番が来て、ケーブルカーに乗り込む。上昇するにつれ、ケープタウンの街並みが一望できるようになる。「わぁ、すごい景色!」と思わず声を上げてしまう。
山頂に到着すると、360度の絶景が広がっていた。遠くには青い海が輝き、街の全容が一望できる。「ここからだと、昨日歩いたウォーターフロントも見えるわね」と指さす。
山頂を散策しながら、様々な角度から景色を楽しむ。岩場に座り、しばし絶景に見入る。「こんな景色、なかなか見られないよね」と夫。私も頷きながら、深呼吸をする。
山を降りて、ウォーターフロントに戻る。そこから、ロベン島行きのフェリーに乗り込む。船上から見るケープタウンの景色も絶景だ。
ロベン島に到着すると、ガイドのジョンが迎えてくれた。「Welcome to Robben Island. この島には多くの歴史が詰まっています」
バスに乗り、島内をツアーする。かつての採石場や、ネルソン・マンデラが収監されていた刑務所を見学。「ここで、マンデラは27年間を過ごしたんです」とジョンの説明に、胸が締め付けられる思いがした。
特に印象的だったのは、マンデラの独房。「この狭い空間で、彼は自由と平等の夢を諦めなかったんですね」と夫がつぶやく。
ツアーの最後に、元政治犯の方のお話を聞く機会があった。彼の体験談は、南アフリカの歴史の重みを強く感じさせるものだった。
フェリーでケープタウンに戻る頃には、夕暮れ時。海に沈む夕日が美しい。「今日は本当に充実した一日だったわね」と夫に寄り添う。
夕食は、地元で人気の「Pot Luck Club」を予約していた。
https://thepotluckclub.co.za/
モダンな内装のレストランで、小皿料理を楽しむスタイル。「これ、美味しい!」とスモークした鴨の料理を口に運ぶ。夫は「このワイン、香りが素晴らしいね」と、地元のワインを楽しんでいる。
ホテルに戻る頃には、すっかり夜になっていた。
6.Day 6: ワインランドとステレンボッシュの探索
今日はワインランドへの小旅行だ。南アフリカワインの魅力を存分に味わえる日になりそうだ。
朝食は早々に済ませ、ホテルのロビーで待ち合わせていたガイド、サムと合流。「Good morning! 今日は素晴らしいワインの旅になりますよ」と、彼が明るく挨拶してくれた。
車に乗り込み、ケープタウンを後にする。車窓から見える景色が、徐々に都会の喧騒から緑豊かな田園風景へと変わっていく。
最初の目的地は、ステレンボッシュ。南アフリカで2番目に古い町で、美しい自然と歴史的な建築物が調和した場所だ。
町に到着すると、まず目に飛び込んでくるのは樫の木が立ち並ぶ美しい並木道。「この樫の木は、1760年代に植えられたんですよ」とサムが説明してくれる。
ステレンボッシュ大学の近くを歩きながら、サムが町の歴史を語ってくれた。「この町は1679年に設立され、南アフリカのワイン産業の中心地として発展してきました」
昼食は、地元で人気のレストラン「Oppie Dorp」で取ることにした。
テラス席に座り、ステレンボッシュの街並みを眺めながらの食事。「これ、美味しい!」とボボティ(南アフリカの伝統料理)を口に運ぶ。夫は「このワイン、香りが素晴らしいね」と、地元のピノタージュを楽しんでいる。
食事の後は、いよいよワイナリー巡りの始まりだ。最初に訪れたのは「Spier Wine Farm」。
https://www.spier.co.za/
広大な敷地に広がるブドウ畑を散策し、ワインテイスティングを楽しむ。「このシャルドネ、フルーティーで爽やかね」と言いながら、夫とグラスを合わせる。
次に向かったのは「Waterford Estate」。
https://waterfordestate.co.za/
ここでは、ワインとチョコレートのペアリングを体験。「ワインとチョコレート、すごく合うわね」と驚きの声を上げる。
最後に訪れたのは「Tokara」。
https://www.tokara.com/
ここからの眺めが特に素晴らしく、夕日に染まるブドウ畑の景色に息を呑む。
ワイナリー巡りを終え、ケープタウンに戻る頃には、すっかり日が暮れていた。
夕食は、ホテル近くの「Baia Seafood Restaurant」を予約していた。
https://baiarestaurant.co.za/
海を眺めながらの食事。「この海老、新鮮で美味しいわ」と言いながら、今日テイスティングしたワインの中から気に入ったものを注文。「やっぱり現地で飲むのが一番だね」と夫が笑顔で言う。
「明日は最後の日ね。どこか行きたいところある?」と夫に尋ねる。「うーん、もう一度ウォーターフロントを歩いてみたいな。それと、お土産も買わなきゃ」と彼が答える。
目を閉じると、今日見た景色が次々と蘇ってくる。樫の並木道、ブドウ畑に沈む夕日、グラスに注がれた琥珀色のワイン。この旅で得た体験は、きっと私たち夫婦の大切な宝物になるだろう。
7.Day 7: 帰国の途へ:南アフリカが教えてくれたこと
朝食は、いつものように「The Atlantic」で。テラス席から見える景色を、今日は特別な思いで眺める。。
チェックアウトまでの時間を利用して、最後のショッピングに出かけることにした。ウォーターフロントの「Watershed」で、地元のアーティストが作った手工芸品を物色する。
https://www.waterfront.co.za/shop/watershed/
「これ、素敵!」とビーズのネックレスを手に取る。「母へのお土産にぴったりね」。夫は、友人たちへのお土産にワインを選んでいた。
時計を見ると、チェックアウトの時間が近づいている。
ホテルに戻り、チェックアウトを済ませる。「また来られる日を楽しみにしています」とフロントのスタッフが笑顔で見送ってくれた。
空港に到着し、チェックインを済ませる。セキュリティチェックを通過し、出発ロビーでフライトを待つ。
搭乗案内が流れ、機内へ。窓側の席に座り、滑走路に向かう飛行機から、最後のケープタウンの景色を眺める。
離陸する飛行機から見下ろすケープタウンは、まるで宝石箱のよう。テーブルマウンテン、青い海、そして美しい街並み。すべてが完璧な調和を保っている。
南アフリカよ、さようなら。そう思いながら、静かに目を閉じた。
8.まとめ:南アフリカ夫婦旅7日間の魅力
この7日間の南アフリカ旅行は、私たち夫婦にとって忘れられない体験となった。
まず印象的だったのは、自然の雄大さだ。クルーガー国立公園での野生動物との出会いは、言葉では表現できない感動をもたらした。ヒョウの優雅な姿、象の家族の温かさ、バッファローの威厳。それぞれが、人間では作り出せない自然の素晴らしさを教えてくれた。
次に心に残ったのは、歴史の重みだ。ロベン島でのマンデラの足跡を辿る体験は、南アフリカの苦難の歴史と、そこから生まれた希望を深く考えさせられるものだった。過去を直視しながら、より良い未来を目指す南アフリカの姿勢に、深い感銘を受けた。
ケープタウンの街並みも印象的だった。テーブルマウンテンからの絶景、ウォーターフロントの活気、歴史的建造物と現代建築の調和。すべてが見事に融合し、独特の魅力を作り出している。
ワインランドでの体験も特別なものだった。ステレンボッシュの歴史ある街並み、広大なブドウ畑、そして味わい深いワイン。南アフリカの豊かな食文化と、自然の恵みを存分に感じることができた。
南アフリカという国は、私たちに多くのことを教えてくれた。自然との共生、歴史からの学び、文化の多様性、そして人々の温かさ。これらの経験は、きっと私たちの人生を豊かにしてくれるだろう。
≪南アフリカ旅行基本情報≫
【入国方法】
・観光目的で90日以内の滞在の場合、ビザは不要
・パスポートの残存有効期間は入国時から30日以上必要
・未成年者の入国には追加書類が必要
【現地での移動手段】
・都市間:国内線航空機、長距離バス、レンタカー
・都市内:Uber、タクシー、公共バス
・観光地:ツアーバス、専用車
【通貨】
・南アフリカランド(ZAR)
・主要クレジットカード使用可能
・ATMは主要都市に多数あり
【チップ】
・レストラン:請求額の10-15%
・ホテルポーター:荷物1個につき10-20ランド
・観光ガイド:一日あたり100-150ランド
【気候】
・12月-2月:夏季(最高30度前後)
・6月-8月:冬季(最高20度前後)
・地域により気候差が大きい
【服装】
・季節に応じた一般的な観光用の服装
・サファリには動きやすい服装と帽子が必要
・夜間は冷え込むため上着を持参推奨
【治安】
・主要観光地は比較的安全
・夜間の一人歩きは避ける
・貴重品の管理には注意が必要
【その他注意点】
・飲料水は市販のミネラルウォーターを推奨
・医療機関は主要都市に整備
・旅行保険への加入を推奨
・電圧は230V、プラグはタイプM(丸ピン3つ)