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【連載エッセイ】踊る!LA紀行③

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03 アメリカの味、スタバのトマトモッツアレラ

LAにいる間、よくお世話になったお店がある。スターバックスコーヒーだ。

日本では好みのフラペチーノが発売されたときぐらいにしか行かなかったが、LAにいる間は人生で一番スタバに行ったんじゃないかと思うぐらいによく行った。
なぜこんなにもスタバに足を運ぶようになったかというと、いくつか理由がある。

ひとつめは、単純に知っているお店だったからだ。見慣れないお店が立ち並ぶ中、日本と変わらないスタバの看板は酷く私を安心させた。
メニューもきちんとは見てないが、大体同じものが売られていた。日本でもよく飲んでいるキャラメルマキアートがあって、シロップたっぷりの何倍もの甘さではあったが、知っている味を頼めたのも大きかった。
2月にも関わらず暑いロサンゼルスで、激甘の冷たいキャラメルマキアートを飲みながら、カウンターに座ってハリウッドの街並みを眺めるのは、とても気持ちがよかった。

ふたつめは、Wi-Fi環境がばっちりだったこと。
留学前に現地で使える携帯を貸してもらえるという話だったから、Wi-Fiは借りずにLAにやってきたのだが、その携帯は数世代前の携帯で、本当に連絡しかできない電話だった。
別にそれで特に困ったことはなかったのだが、そこそこの現代人でやっぱりスマホが繋がっていないと不安なことはよくあって、そういうときはよくスタバに駆け込んでいた。

こんな感じでスタバは私にとってある種の安全地帯だった。
アメリカの生活である意味、日本をすがってスタバに行っていたわけだが、アメリカのスタバだけで楽しみにしていたことがある。
金曜日のスタバランチだ。

金曜日、午前中のタップのレッスンが終わると丁度お昼の時間で、タップのあとはスタバでランチと決めていた。レジ横にある「トマト モッツアレラ」がとんでもなく美味しくて、それを食べるのが本当に楽しみだったのだ。
「トマト モッツアレラ」を持ってレジに行き、たどたどしい英語でアイスのキャラメルマキアートを頼むと、「トマト モッツアレラ」を指して「あたためるかい?」と聞いてくれて愛嬌たっぷりに「Yes!」と答えると、キャラメルマキアートと一緒に熱々の「トマト モッツアレラ」を渡してくれるのだ。
この「トマト モッツアレラ」、2回目になるが本当に美味しいのだ。名前から想像できるだろうが、マルゲリータピザの味で、ふわふわの白いパンに挟まれたサンドイッチのようなものだった。これが本当に美味しかった(3回目)。
日本に帰ってスタバに行ったときに見てみたが、日本では売っていないようで私は1人で落胆した。アメリカでしか食べれないのかと思うとより恋しくなった。
あの「トマト モッツアレラ」の味は、間違いなく私のアメリカの味である。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの近くにあるスタバに行くといつもこのよくお世話になったHollywood Vine駅の近くにあるスタバを思い出す。あのUSJに行く道はそれまたHollywoodによく似ているから、感慨深いに気持ちになるのだ。
それをTwitterに呟くと「アメリカ被れ」なんて言われたことがあるけど、知るもんか。だって、アメリカでのスタバは私にとって大好きな時間だったんだから。
またあの激甘キャラメルマキアートをおともに「トマト モッツアレラ」を食べながら、ハリウッドの街並みを眺めたいものだ。


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気になった方はぜひご拝読ください◎




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