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【連載エッセイ】踊る!LA紀行⑤

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05 (かっこよく言えば)異文化交流

ダンサー寮には世界各国からきたダンサーが集まっていた。
イギリス、イタリア、フランス、チリ、シンガポールなどなど…知っているだけでこれだけいるから本当はもっといたんじゃないかと思う。それぐらいいろんな人がいた。
おかげでロサンゼルスにいながら、いろいろ異文化交流…と言えるほどかっこいいものかはわからないが、一緒に生活をしていた分、ちょっとした文化の違いを感じるときがあった。

1番初めにそれを感じたのがイタリア人のダンサーだった。
まだ寮に来てから数日しか経ってないころ、キッチンで料理をしているときにその彼はやってきた。彼もどうやら料理をしようとしていたらしくキッチンでなにかを探していた。私がその後ろで作業をしていると(キッチンはコの字型だった)、英語が聞き取れない中でどうやら彼が塩を探していることがわかった。視界に塩があった私はそれを取り、恐る恐る声をかけて塩を渡すと、ぱぁぁぁと顔が明るくなった。ありがとうと急にハグをされ、すごく感謝をされた。それはそれは感謝された。そこで初対面だったことを知った彼は、自己紹介をしてくれて、イタリア人だと教えてくれて、あぁなるほどと1人納得した。愛の国と呼ばれるイタリアの人はやっぱり愛の表現がすごいのかと思った。
考えてみれば、英語があまり喋れなくても愛嬌があればなんとかなるといつかの記事で書いたが、これを最初に教えてくれたのはこの彼だったのだろうと思う。ぱぁぁぁとした明るい顔でハグをされながら感謝をされるのは悪くなかった。照れくささはあったけど、やっぱりとても嬉しかった。きちんと伝えられないなら、せめて感謝の気持ちだけは伝えようと思ったように思う。

キッチン繋がりで言えば、料理に関しても驚くこともあったし驚かれることもあった。
夜ごはんにサラダチキンとカット野菜のレタスを使ったチャーハンを作って食べていた時、チリからきた女の子に一口ほしいと言われたので食べてもらうと美味しい!と言ってもらったことがあった。そのとき、チリではそういうしっかりしたものは夜ごはんでは食べないんだよ、と言ってその女の子が食べているものを見せてくれた。その子が食べていたのはパンケーキだった。私が聞ける範囲でわかったことは、夜ごはんはパンケーキみたいな甘いものだけ食べるとのことだった。そのパンケーキの横には大きいスプレータイプのクリームが置いてあって、そりゃ太るわけだと思ったのだった。

このチリ人の女の子は、彼氏と一緒にこのダンサー寮に滞在をしていた。所かまわずキスやらなんやらいちゃいちゃしていて、あぁこれが外国人かと思っていたのだが、この彼氏が日本のアニメが大好きでよく私に声をかけてくれた。日本語を教えてほしいと言われたので、何回か教えていると周りにも人が集まってきて、みんなが私の説明を聞いているときがあった。その彼氏が黒子のバスケが好きだと言うので、それぞれ漢字、ひらがな、カタカナと教えていると別の子にこんなことを聞かれた。
「喋っているときって、この3つのなにを使っているの?」
私は考えた。喋ってるとき…?喋っているとき…
「全部…?」
ひねり出した答えを言うと、周りのみんながとっても驚いた。
「全部!?3つとも!?」
あまりの驚きようにこっちも驚いてしまったが、肯定の意味をこめて首を縦に2回ほど振った。そうするとみんなは信じられないという顔をし、なんなら尊敬の眼差しまで向けられた。どうやらみんなは普段アルファベットのみを使っているから、3種類も使って喋るのが信じられなかったようだった。すごいすごいと言われたものだから、単純な私は少し得意げになった。
ただ、これは正直この答えでよかったのだろうかと少し思っている。3種類使って喋ってるよね…とは思うのだが、なんとなくしっくりきていない部分もあった。もし、こうだと思うよ!って方がいればコメントでもTwitterでもいいのでお声がけいただきたい。

英語がもっと喋れたらもっといろんなことを知れたんだろうし、もっと日本のことも伝えられたんだろうなとも思ったり。次行く機会があればきちんと伝えられるようになりたい。
このご時世、国境も超えられない分けで今英語を勉強する意味があるのかなと思ったりするのだが、知識を広げるためにも英語は喋れるようになりたいなと思う所存。コロナ禍は少しでも早く終わることを祈って、また英語の勉強も始めようかな。


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