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初の日本生活で感じた違和感の正体

生まれも育ちも海外だった僕。
ちょくちょく日本に帰省はしていましたが、本格的に日本の生活をスタートしたのは、小学校最終学年の頃。

帰りたくないと泣き喚いていた記憶がぼんやり。

幼き頃の筆者はおそらく、
その時の友達と離れたくない、
異国の地に対する恐怖、
言葉にならない不安感。

当時の僕の日本での生活のイメージは、漫画とアニメの情報が7割を占めていました。

屋上でお弁当食べたり、文化祭したり、桜の木の下で告白したり、帰り道友達と買い食いしたり。

憧れる要素はたくさんありましたが、それでも楽しみよりも恐怖が勝っていた覚えがあります。

紆余曲折ありながらも、ついに迎えてしまった転校初日。

いい人たちに恵まれて、イジメは避けられました。ちょっともどきはあったけど。

ただ、
当時の僕の姿は、
ロン毛のさらさらヘア。
ランドセルじゃなく普通のリュック
キャラものの巾着袋もなし。
筆箱とか、筆記用具とか、ノートとか。

男女で色は違うものの、大体みんな持ち物の形は一緒。自分だけ違う。不思議な目で見られる。

給食の時間。
牛乳パックを普通に開けて、コップないんだ、と思っていたら、まさかのストローを指す口がある。クスクス笑われる。

こういうやつ

英語の特別授業。
自分だけ他のカタカナ英語とは別物。クラスがザワつく。居心地最悪。

とまあ、周りのみんなと違う持ち物、違う行動をとっていたら、
なんなんだコイツは、異物混入のような目で見られていた

なんで皆と違うの?という質問は、なんで皆と一緒にしないんだ?
と言われているよう。

え?人それぞれ違うのは当たり前では?違和感。

中学校説明会。
ツーブロック禁止。 ?
下着の色は白のみ。 ??
ハグ禁止。不純異性交遊。 ???
持ち物は全て学校指定のもの。 ?
不思議がらない同級生と連れの保護者さん方。 ??


そんなある日。自分でもきっかけとかは全く覚えていないですが、

僕もランドセルが欲しい。ポケモンの巾着袋が欲しい。海外帰りは見せない。髪の毛をバッサリ切ろう。

今思うとあれは、みんなと一緒にしたら心地がいい、仲間だと思って貰える、変な目で見られずに済むと、

ずっとムズムズしてたこの違和感の正体。

まごうことなき同調圧力に犯されていたと言えます。
もともと気弱な自分の生存戦略で、イジメから回避できたので、それがいいとも悪いとも言えませんが。

あのとき、僕の視野は急激に狭まった。

クラスメイトの皆と同じ様に、同じ地区の中学に進学する以外考えられなかった。

皆と同じように。

父親に感謝すべく一番の事は、あの時無理やり僕を私立受験させたこと。
あの出来事がなければ、確実に言えますが、気弱な僕は

高校→大学進学→就職→新卒採用
という、「正解」しか視野に入らないまま進んでいたと思います。

もちろん、それが悪い訳ではないですが、他の可能性を全て捨ててしまうのは勿体ないですよね。

慣れるとやがて同調圧力を圧力とも感じなくなる、当然のような、当たり前の様な、空気のような存在。

慣れる前だからムズムズとした違和感がありましたが、慣れ切っていればもう、違和感を感じることは無くなっていたかもしれません。

幸い、国際大学と提携したり、留学が盛んな学校に進学したため、理解のある先生方が多くいらしました。

異物を受け入れ、スゴイとまで言ってくれた。似たような苦しみを経験した帰国子女の子がいたり。

何も日本だけではないけれども

同調圧力は日本固有の産物というわけではありません。

民族、家族、宗教、文化の面で、それぞれの地域で独特な同調圧力は存在します。

日本と何が違うのかと聞かれると、
同調圧力に対して声を挙げる人の割合が多いように見受けられます。
そして、その後の受け皿も用意されている。

多くの国々では陸続きに繋がっていて、様々なコミュニティや価値観が交差する機会が多いのです。

自分の価値観に合うコミュニティ、受け止めてくれる人々、匿ってくれる人が、走り続ければどこかにある。

鎖国で島国なジャパンは
属しているコミュニティが全てのように感じ、村八分にされたら一巻の終わり。例え同調圧力から抜け出したとして、その後自分の居場所が無くなる恐れがある。走り続けても海に囲まれていて、行き止まりだもの。

そんな、はるか昔からの地理的な要因が、日本の同調圧力の重さを唯一無二のヘビー級にさせたのかもしれません。

日本の大気中に含まれる成分Douchouatsuryoku(Dcar)

僕は今でも、日本に帰省する際、毎度都心の駅に到着すると、

ただ自分が気弱すぎるのでしょうか?
過去のトラウマのせいでしょうか?
自分だけがデカいスーツケースを持ち歩いているからでしょうか?

なんか違和感を覚える。
毎度毎度、ズンと、何か重い、同調圧力の鎧が降りかかってくるのです。

よし、日本人モードに切り替えよう、と
電波もないのにスマホに視線を落としたり、歩くスピードを合わせたり。ちょっと前まではマスクをしたり。

海外ではなんてことないのに、日本にいるとマジョリティに属さないといけない義務感が湧いてくるんです。

日本は空気中に窒素と酸素以外にもなんか入っている気がする。

同じ様な気持ちになる人は果たしているのでしょうか。
もしいたら、絶対マブダチになれる自信がある。

良いも悪いも紙一重

一つ言っておきたいのが、
特に日本に滞在していると違和感を覚える事が多いですが、
僕個人は同調圧力が悪、とは思っていないということです。

チームワークや協調も素晴らしいことだと思うし、これらと同調圧力は紙一重だとも思えます。

別に記事で特集した、CQ(異文化理解能力)とも関わってきますが、

郷に入っては郷に従え、の様な、日本ならではの「和」の心得もすごく素敵ですし。

日本の協調性や見事なチームワークは世界中で称賛されていますし。

空気を「読む」能力は日本人がずば抜けていると思いますし。

何とか上手に付き合いつつ、活用できるなら活用し、自分で上手くのらりくらりとコントロールしていけるようになりたいものです。





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