「シアワセ」第三話

晋作とバンビが初めて会話を交わしたのは高校1年の文化祭最終日でであった。そしてその日からこの物語は始まる。

バンビは晋作のことをその日以前から知っていた。彼女の友達と晋作が知り合いでその流れで晋作をバンビに紹介していたのだった。

一方の晋作はそんなこと全く覚えていなかった。バンビを紹介された時も彼女のことなど気に留めていなかった。

しかし文化祭最終日、晋作はバンビに猛烈に惹かれた。見事なまでの一目惚れがそこで成立した。晋作はときめきと動揺を隠せず、友人たちにあれこれ言い訳をしながらバンビのクラスを5回訪れた。そして5回目、晋作は彼女にたまたま彼が持っていたキーホルダーを預け、「おれのこと探して今度返しにきて」とだけ言い残し彼女の元から去っていった。


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