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アップルは事業部を捨て職能別組織にすることでイノベーションを連発することに成功した

DIAMONDハーバードビジネスレビューの2021年4月号「イノベーションを促すアップルの組織設計」よりピックアップしました。

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#DIAMONDハーバードビジネスレビュー

記事を読んで、まず前半部分で、ジョブズがアップルに復帰後に真っ先に事業部を解体し、職能別組織に変えたこと。そしてそれが、アップルがイノベーションを連発することにつながったという話が書かれています。

一般的には、組織は大きくなると、事業部制にして、部門ごとの採算性にして、部門長に強い権限を与えることが増えていきます。これは、製品も組織も拡大すると見きれなくなりからであり、ヒト・モノ・カネを事業部長に渡して、社長の役割を与えることで、そこで優秀な成績を収めたものを、全社の社長に据えるという考え方が背景にあると思います。

これをジョブズは完全否定しました。そこについて、なぜに職能別組織が、良いのかが書かれています

ジョブズはアップルを事業部別組織から職能別組織に変えた

アップルは、ジョブズが復帰した時点で事業部制を採用し、各事業部に損益責任を追わせていた。

例えばマッキントッシュ製品グループ、情報機器事業部、サーバ製品事業部などであり、舵取りはゼネラルマネージャーが担っていた。

ジョブズはゼネラルマネージャー是認解職し、全社の損益計算書を一本化し、事業ユニットごとに分かれていた職能部門を一元化した。

現在のアップルではシニアバイスプレジデントは製品ではなく職能を統括する。アップルの主力製品の設計、エンジニアリング、オペレーション、マーケティングを束ねるのは、CEOのティク・クックただ一人である

なぜ職能別組織なのか

アップルがイノベーションを実現するための拠り所が職能専門性を軸とした組織である。「各領域の意思決定は、その領域において最も豊富な専門性と経験を持つ人々が下すべきだ」という信念が根本をなす。

第一に予測が現実になる前に意思決定するためには、ゼネラルマネージャーよりも技術の専門家に頼ったほうが賭けに勝つ可能性が高い。

第二にアップルは「実現可能な最高の製品を提供する」誓いを立てており、短期的な利益やコスト目標を最重要基準に添えたならそれは色褪せる。

R&D分野の上級幹部のボーナスは、個別製品のコストや収益ではなく全社の業績に基づいて決まる。結果、製品にまつわる意思決定は財務上の短期的な圧力にさほど影響されない。財務チームはエンジニアリングチームの製品ロードマップ会議に出席せず、エンジニアリングチームは価格決定に関わらない

最高の製品には最先端な技術が求められる、その技術を判断できるのはGMではない。職能別の人間は自分の専門分野で素晴らしい仕事をしていればよい。それを取りまとめるのはCEO一人で良い。それがジョブズの考えたかでした。

結果CEOにとてつもない能力を必要とする組織がアップルなんだなと思い知らされます。ジョブズもすごければティム・クックもすごすぎる、という結論になりそうな話。

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