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無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」

高橋浩一さんの「「無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」」 」を読みました。クライアントから見た場合に「わかってくれる」営業と「わかってない」営業が居るのは何故か?ということを明確に答えた本でとても面白かったです。

できない営業の言い訳の典型に「価格で負けました」がある。筆者はこれを価格ではなく費用対効果で負けたのだと看破する。価格というのはオブラートに包んで営業がショックを受けないようにクライアントが配慮してくれているのだと。つまり「あなたは私のことも、私達の会社のことも、そこから発生する課題も、それに対する提案も、その提案の価格も、何もが駄目です」と言われている状態が、「価格が合いませんでした」という断り文句なんだということ。

ではクライアントは何を求めているのだろうか?それは次のようなものになる。

クライアントは 1.価格ではなく費用対効果 2.「わかってくれる」営業 3.質問や要望への適切な反応の速さ を求めている。

そこでこの本のタイトルになっている「無敗営業」が備えている力とはなにか。

クライアントが求める営業には「質問力」「価値訴求力」「提案ロジック構築力」「提案行動力」が必要だ。

まず質問力とは何か。

質問力は、1.土台 2.切込 3.深堀 4.具体化 で成り立つ。1.事前調査/相手への興味関心の伝達。2.競合との差&順位/予算の確認。3.クライアント発言の明確化/詳細化/背景把握/全体感把握と課題網羅。4.仮説提示と検証。【選択肢付クローズドクエスチョン】などの技術がある。

価値訴求力とは?

・価値訴求を縦に情緒軸、横に機能軸の四象限で表すと1.提言 2.好感/共感 3.労務提供/コミュニケーション 4.情報提供/人紹介となる。クライアントのリアクションとしては、1.それは思いつかなかった!2.自分を分かってくれる 3.手伝ってもらって助かった/タイミングよく連絡くれた 4.その情報は有り難い/人を紹介してもらって助かるといったものとなる。
・共感を高めるためには自己開示が必要。自分が知っていることでクライアントが知らないことを教える。お互いの知らないことを共有することで人間関係は一気に深まる。

提案ロジック構築力とはなにか。

・質問力と価値訴求力で「分かってくれている営業」になれる。発注には、クライアントの組織を考え、稟議や意思決定を通るための提案ロジックが必要となる。
・要件整理でクライアントの課題と自社の提案方針を見える化する。クライアントも自らの課題や要望が整理されると喜ぶ。
クライアントの課題をキーワード化し、そこの具体的な説明と、自社が提供できる方法をセットにして優先度順で並べる。このすりあわせ資料を用いて提案前にズレを無くすことで受注確率が向上する。

最後に提案行動力

提案行動力とは、クライアントと共に段取りを進める力である。提案行動力が高い営業は、1.商談前後の電話/メールを頻繁に行い 2.資料を小分けで作成し、クライアントと社内のフィードバックを得て徐々に完成度を上げ、3.社内を早い段階から巻き込んでいる。低い営業はこの逆を行っている。

営業パーソン諸氏は、できる営業とできない営業を思い出してみるもよし、自分自身を振り返るもよし。この4つの力をどのようにして意識し、日々の営業活動に取り入れていくか。

私も日々、営業は準備でかなりの部分、5-6割は決まってしまうと考えていた。その準備とは、クライアント担当者の調査、クライアント企業の調査、クライアントの課題に対する自らの仮説立案、仮説を検証するための質問リスト作成である。

その質問を元にクライアントとお会いして、質問をする。自分が話すのは全体の1割、クライアントが話す時間を9割にする意識を持つべきである。初回訪問でいきなり商品説明やそこからの提案をするというのはかなり成功確率の低い賭けである。相手を知らずに結婚を申し込む行為に近い。

ここが高橋さんが本書で書かれている「質問力」に当たると思う。

この次に求められる営業パーソン、呼ばれる営業パーソンになるためには、五万と居る他の営業パーソンとの差別化のために自分の価値の訴求をしなければならない。この価値の訴求についても四象限のマトリクスから付加価値の高い価値についての登り方まで説明されている。

質問力、価値訴求力だけでは、受注はできず、その次に必要なことが「提案ロジック構築力」「提案行動力」としている。これは上記でテキストを書いたが、本書を手に取り、高橋さんが作成した具体的な表を見ると、真の意味で腹落ちすると思う。

ある程度成果を上げている営業パーソンが、よりひと伸びしていくために読むと費用対効果が高い本ではないかと思います。


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