【第4章-裏社会-第7節】カルト宗教と洗脳
玄関のチャイムが鳴り、扉を開けると玄関先には二人組の女性がいる。
彼女たちは冊子を取り出しながら、「あなたは悩みを抱えていませんか?」と、あなたに問いかける。
あなたは宗教の勧誘であることに気づき、「興味がない」と扉をしめようとする。
しかし、断っても、彼女はしつこく食い下がり、いかに素晴らしい宗教であるかを力説する。
あなたは断固として態度で、勧誘を断り、やっとの思いで、追い払うことに成功する。
誰でも一度は、同じような体験をしたはずである。
そのたびに、あなたは、こんな疑問を感じているはずだ。
なぜ彼女たちは宗教なんかにハマるのだろうか?
不思議なことに彼女たちは、普通の営業マンとは異なり、どこか幸せそうな顔をしている。
あなたは、「バカだから」「心が弱いから」など、適当な理由をつけて自分を納得させるだろう。
しかし、全国には4000万人を超える新興宗教の信者が存在しており、石を投げれば何かしらの信者にぶつかると言っても過言ではない。
社会的地位の高い経営者、政治家、芸能界においても、新興宗教の信者は非常に多い。
いったいこれは何故だろうか?
実は、新興宗教がこれだけの信者数を獲得しているのには「秘密」がある。
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[私は新興宗教の信者の家庭で育った]
私はとある新興宗教の信者の家庭で育った。幼少期から教団のイベントに参加させられ、家庭教育は教団の教えに基づいて行われていた。ありとあらゆる信者をこの目で見てきた私は、大きな問題を抱えているにも関わらず、現実逃避を続ける彼らが不思議で仕方なかった。やがて教団に対して違和感を覚えるようになり、教会に足を運ぶのを拒否するようになった。
社会人になった私は、彼らが「洗脳」と言われる手法を利用していること気付いた。「洗脳」とは「相手の心を掴み、コントロールする」ことに他ならず、強力な洗脳を掛けられた人間は、膨大な時間と労力を、所属するコミュティに費やすようになる。
さらに驚くべきことに、宗教団体が利用している洗脳テクニックは「学校、会社、マルチ商法、自己啓発セミナー、振り込め詐欺、水商売」など、あらゆる組織運営と共通していたのだ。
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基本的には人体の機能や本能は、大昔から変化していない。
そのため、万人に通用する「人間を洗脳するための方法」が確実に存在しているのだ。
新興宗教においては、長年の組織運営による「洗脳ノウハウ」が使用されているが、「基本的な洗脳テクニック」は、みな共通しているのだ。
人間の本能を利用した洗脳を利用し、「人の心をコントロール」しようと企む組織は、実はそこら中に溢れている。
しかし、これを事前に把握しておくことで、悪意を持った他者から自分自身を守るという意味で非常に役に立つ。
「洗脳テクニック」を健全に利用すれば、人間関係やビジネスにおいて、他人より有利に立ち回ることもできるのだ。
法則を悪用すれば、他人に対して自分の望む行動を取らせることも、金銭を巻き上げることも可能になる。
今回は「新興宗教の内部」および「実社会」で多用されている洗脳プロセスを解き明かし、これを実社会で応用するためのテクニックを解説する。
また私自身が、幼少期から目の当たりにした「教団の内部事情に」についても、解説する。
《目次》
「洗脳とは何か」
「人間を洗脳するための方法」
「相手を洗脳するための実践フロー」
「洗脳に役立つテクニック集」
「新興宗教の内部事情」
「新興宗教の資金集めの手口」
「どんな人が宗教にハマるのか?」
「新興宗教の人には言えない話」
文字数:約38000文字
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