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【子どもは家族を選べない】


今回は、生徒や保護者をみていて最近感じたことを書いてみようと思います。
これは、あくまでも私の個人的な感想に基づく分析ですので、賛否あるかと思いますが、ご了承ください。

1.子どもは子どもの社会で闘うのに必死

 クラスに限らず、関わる生徒たちを見ていると、毎日毎日様々な思いをかかえて登校して様子をみて、心配な子にはさりげなく声かけをします。
 家庭での問題を抱えたまま頑張って登校したものの、泣いて教室に入れずにいる生徒がいた時は、別室や、職員室前で教員たちが代わる代わる親身に話を聞いてクールダウンさせます。やっと落ちついても、さらに1時間ほど保健室で気持ちを整えてからやっと教室に入るという子もいます。
家庭で問題を抱えていようが、朝から午後まで授業を教室で受けなければならないし、友人たちにも気を遣います。学校に来ただけで十分頑張っているのです。
私は個人的に、辛いなら教室に入らないでもよいと提案しますが、子どもたちは子どもたちの社会を構築することに必死でもあるので、教室に行きたい気持ちがある子は尊重してサポートします。

2.両親の不和からくる不安

 統計をとったわけではありませんが、夫婦関係に変化が出てくる家庭が増えるのも子どもが中高生になる時が多いです。不登校など、不安定になる子どもたちと話すと、両親の不和が原因となっていて辛いと漏らす子は少なくありません。高校生は身体的には大人にぐっと近づきますが、メンタルはまだまだ子どもです。教師という立場では家庭の問題の部分はどうにもならないのが辛いところですが、自分の存在が両親の不仲の原因ではないかと悩む子もいますので、とにかく話を聞いてあげて、吐き出してもらうことはあります。また、そういう子たちは、母親側になったり、父親側になったりと、辛い立場を行ったり来たりしながら、それでも離婚や別居など別れてしまうことが避けられなくなると、どちらを選ぶかの選択に迫られたりします。この状況から受ける傷は癒えることはありません。残念ながら、その傷から立ち直れず、不登校になり、そのまま学校を去ってしまうような悲しい結果になることもあります。
しかし、不登校の子でも家族が仲良く落ちついた環境である場合は、転校や、オンラインなどで学ぶ環境を変えるだけでもその子は救われたりします。勇気を出して自分に合う環境をリセットし、そのままの自分を否定せずに彼ららしく生きていけるなら親が1番の味方になってあげることが大切です。環境変化にも寄り添ってあげれば新たなスタートができるのです。
家庭環境は、やはり子どもたちにとって心に大きな影響を与えていることは明確です。


3.共感を求めても、、、

 両親であれシングル親であれ、愛情があれば、その子の心が安定するというのはこれまで見てきた中では明らかでした。子どもは親を選べません。だからこそ、子どもたちは、子どもたちで同じような家庭の悩みを抱える友だちを探していたりします。共感し合える仲間の存在は必要なのです。でも、大抵は同じ境遇の友人は簡単には見つかりません。その子が類友に出会えるためには、その子自身の性格にもよるので、学校という小さな社会で、なるべくたくさんの人と関わらせていく場を教員が提供する工夫が鍵になると思います。数多く当たれば、ひょんなことからの共通性を見つける機会が増えるので、気の合う仲間を見つけることができるかもしれません。
もちろん、数多く当たらせると、トラブルのリスクは増えていきますが、トラブルを経験させることも含めて学校が社会性を育むチャンスを提供していく使命があると感じています。

4.親は親で必死

 一方で、親は親で必死に子育てしています。もともとは他人であった夫婦仲の変化に悩むお母さんでも、子育てに休みはないですし、一人っ子や最初の子の子育てともなると見えないプレッシャーがあるようで、失敗したくないと言って必死です。何が成功で何が負けなのかも不明なのに、人生勝ち組や負け組といった価値観は意識したくなくても頭を過ります。受験生の親となると尚更です。その必死さは、担任として受けとめるのは大変です。しかし、ご主人に協力する姿勢がないご家庭は、お母さんに責任が集中してしまうということもあるようで、お母さんが孤独にならないようにケアする必要があります。寄り添わないと壊れてしまいそうなお母さんには寄り添わないと、お母さんの不安定は子どもへの影響に直結しています。子どもの受験は子どものものですが、そういった親は、どうしても子どもを管理しなければならないと勘違いをしていて必死です。その心理を変えなければ子どもの自立はのぞめません。でもその心理を変えるのは担任の範疇外です。ただ、あまりにも過度な時には、子どもの自立を止めるのは親であることも認識してもらうように働きかけなければならないこともあります。でも、たかが一教師が何の権利で?と私は思うので、私は苦しむ保護者には一度学校に来てもらい、ひたすら寄り添う姿勢でアプローチしています。
寄り添うとたいてい気が緩むのかそういった保護者は涙が出てきて、涙がとまるまで傾聴し続けると、たいていはスッキリして、最後はひたすら励ましの言葉かけをする段階になります。そうなればこちらの話も聞いてくれる準備ができるので、受験結果で死ぬわけではないし、保護者は、美味しいご飯を提供して受験なんて大したことではないとで〜んと構えないとダメだと理解できるようになるので、最後は笑顔になって帰って行きます。電話だとこれは上手くいきません。対面することに意味があります。
ものすごく時間はかかるし、毎回受験生の担任時には数人駆け込みがありました。

さて、
受験本番はこれから、
今回は駆け込みがないことを願いつつ、
保護者の力に少しでもなれるならと寄り添う気満々の担任です(笑)

そんな私も受験生を持つ母だったりします。
私に寄り添ってくれる方も募集中(笑)
立場変わればです(笑)

担任スイッチと母スイッチを使い分けながら日々の自分と向き合っております(笑)

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